10月21日

「今までは、善い人だったり綺麗な世界をテーマにしてきたので・・・
今回はなんだか悪役の人を主人公にしてみたくって・・・テーマは泥棒・怪盗なんです。」
確かに、そんな言葉からスタートしたと思います。
今回のコレクションが並んだ展示の会場は、縦に長い形をしていて、入ってすぐ正面には職業・泥棒である
三人の姉妹の装いを表現したトルソーが並び、三人それぞれきっと性格も好みも違うのであろうという事が、
色遣いや着こなし方、身につけた小物など細やかな部分からも感じられたのです。
デザイナー玉井さんが想像し、創造するすてきな盗賊の物語。

workpermit 14 = sanshimai = [ 参縞衣 ]
悪い職業であるはずの盗賊が いつのまにか素敵なことを成し遂げるような
善と悪の境目をアイロニカルに眺めています

まるで私たちの身に着ける衣服の色が
さまざま植物を痛めその色を盗むかのような行為に基づいてきたように

あべこべでさかさま

こうしたシニカルで優しげな視線が随所に感じられるコレクションです

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ASEEDONCLOUD   Robber’s blouse

color      ブラウン 

price      22000+TAX 

SIZE      F SOLD
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この数シーズンでは定番となったブラウスですが、生地が異なると全く印象の違った物に仕上がり、
毎回新鮮で、ぞくっとするほど。どうしてこんなにも可愛さをストレートに表現出来るのだろうか・・・と
聞きたくなるくらいに可愛くて、けれど甘ったるさややり過ぎ感は全く無くて、着たらどんな気分なのかと
想像させられる服は、じわじわと気になるポイントを突ついてくるのです。
今回はコットンとキュプラで仕上げたつるりとした生地が肌に気持ち良く、見た目と着心地のバランスがユニークな一枚。
柔らかい色目の小さな格子柄とコーデュロイの衿は何処か落ち着く様なクラシカルな印象ですが、古っぽさはなく。
それはやはりデザインが生み出すシルエットだったり、現代の生地感だったりによるものが大きいと思うのですが
何十年後かに古着屋さんに並んでいる事を想像する・・・と仰った、玉井さんが作る服だからなんだと思います。
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全体の雰囲気をきゅっと引き締めてくれる、ボタンダウン。
コーデユロイの生地がちょっと厚みがあって固くて、渋くて良い。
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絶妙且つ至る所に施された、タックやギャザーなど。そこかしこが可愛いくて堪らなくなります。
着丈も短いので、見た目は小さ目に見えますが、実際に袖を通して見るとわかる、
コンパクトなのに窮屈さの無い事がとっても不思議。
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胸下に添えられた、ゴムのリボンは前後どちらで結んでも良いのですが、個人的には後ろが好み。
背中を絞って裾がきゅっと上がるのが良いです。
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袖のふわりとしたゆるいパフスリーブと、袖口のデティールがとても好きです。
着てみると背の高さがあるので、より丈の短さを感じるのですが、それが逆に太いボトムやロングスカートとの相性が良く
またウエストの位置が高く見えて、嬉しい。それでいて単純に、小柄な方にも似合うブラウスだと思います。
前の釦を留めず、ワンピースの上からやインナーに長袖を合わせてジャケットの様に羽織るというのもひとつです。
流行とはまた違った、別の流れの中で優雅に愉快に漂うストーリーのある服。
純粋に着たいと思う方に着て頂けたら。と思います。
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ASEEDONCLOUD   Robber’s Long skirt

color      ブラウン 

price      33000+TAX 

SIZE      F SOLD
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重たくなり過ぎず緩やかな流れるシルエットのロングスカート。
ウールですが厚地過ぎず、すべすべと滑らかで足に触れるのが気持ち良い生地です。
ブラウン・ベージュ・パープル、微かにイエローで構成された、タータンチェック。
今回のコレクションテーマ [参縞衣] とあるように、縞=チェック もコレクションのキーになっています。
どこかクラシックな色調は、長い時間を経た時にまた新しさを感じられるような、古着を見つけた時と
似通った感覚で見てしまいます。今すぐはしっくりこなくても、着る事で少しずつ似合ってくる。
世代を問わずに、色んな解釈で様々な着方をしてもらえるのではないかと思います。
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ウエストに付いた紐は長さの調節も出来、肩に掛けてチューブトップのワンピースの様に着る事も出来ます。
ゴムなので、ウエストの位置も落としたりハイウエストにしたりと、体型や気分によっても着方が変えられます。
ちゃんとポケットも忘れずに。
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同じ物でも、懐かしく感じたり新鮮に感じたり。その人が生きてきた時代によって様々な感情が生まれます。
新しいも古いも、善と悪も、背中合わせ。そういった表裏一体の関係性を、洋服にのせて時代を越えて、
いつかどこかの誰かに届く様に。そんな想いを感じる今期のcollectionです。
実際に目で見て触れて、直感で着てみたいと思って頂けると嬉しいです。
rasiku  sasaki

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