今年の冬は本当に寒過ぎました・・・。灯油ストーブの空になると鳴る音に何度 ToT こんな顔になったか。
6回目の冬を過ごしましたが、ここまで気持ちがついていかなかったのは初めてかもしれません。
暖かな場所に想いを馳せたり、南から届く物に触れて見たりしつつ、いよいよ心身ともにそっちへ行きたい!
という気持ちになってきて、3月の前半に冬休みを兼ねて高校生の修学旅行以来となる、鹿児島⇒熊本⇒福岡の
九州を縦断する旅へと出発する事にしたのです。
旅に出る理由は様々あるのですが、主には逢いたいと思う人がいる事、自分の目で見てみたい場所がある事
そして客観的に自分達を見つめ直す時間として、年に数回は意識的に少し離れた場所を選んで旅に出る様にしています。
最初に降り立った場所は九州本土の南に位置する、桜島や西郷隆盛ゆかりの地として知られる″鹿児島県″
現在は大河ドラマの作品「西郷どん」の舞台でもあり賑わう中、歴史と文化を今に残しながらも程よい都会さと
のんびり田舎らしい部分のどちらもしっかりと残っているという印象を受けました。
空港の出口の扉を出た時に感じる南の地域ならではの「モァ~」とする湿気。目に飛び込んでくる南国らしい木の数々。
もうこれだけで、暖かな地域に来たんだと実感出来て自然と心が解放されてしまいます。
直ぐにレンタカーを借りて今日の目的地をセット。知らない道路を走るのもリフレッシュになりますし目に映る
景色にも興味津々。目的地に行くまでに道の駅に立ち寄り、その土地の食べ物を買い込んで行くのも旅の醍醐味。
鹿児島空港から高速を飛ばして一般道を走る事約2時間。その場所は突如として現れました。
国道から一本細い道に入って、ゆっくりと車を走らせていると見るからに雰囲気の良い倉庫のような建物。
ご兄弟で本業である造園業を営みながら、大きな倉庫を少しずつ改装しつつ、独自の目線でセレクトした品々が
気持ち良く並ぶショップと、同じ建物内にカフェを併設したお店″ARAHEAM″
勿論本業でもある植物などは倉庫の中と外に沢山並び、今まで見た事のないお店の顔がそこにはありました。


以前何かの雑誌でARAHEAMを知ってから、外観と店内の様子を写した数枚の写真をじっと見ながらどんな場所だろう、
いつかこの場所へ訪ねてみたいと思っていたところ、たまたまこのお店を運営する1人、タクジロウさんに出逢う
ことができました。盛岡で行われている合同展示会 entwineに昨年出展されたタクジロウさん。
屈託のない笑顔と人を自然と幸せにするオーラを纏った薩摩隼人です。このご縁があって鹿児島行きを決めました。
想像の世界から、実際にその場に足を運んでみると、人間が本来持っている目・耳・鼻・口・肌・・・
五感をフルに働かせて、その場の空気を純粋に楽しもうとする自分がいました。
置いてある商品1つ1つの魅せ方、丁寧に淹れて貰ったコーヒーと美味しいおやつ。
居なかったらどうするの!っと笑顔で迎えてれて、話してくれるタクジロウさん。
こういった事は、その場所に足を運ばない限り手に入れられない体験だという事を改めて実感しましたし
まさか鹿児島まで遊びに来てTATAMIZEのWORK CAPの接客のお手伝いをするとも想像しませんでした(笑)
色々なお話をして、鹿児島市内の美味しいお店やお薦めのお店を教えて頂いて、ARAHEAMを後にします。
滞在時間は短かったけれども、外観に内装、並んでいる商品の事、こうしたいという自分達の意志や意図が
はっきりと感じる素晴らしいお店でした。また必ず行きます。


ARAHEAMから車を30分くらい走らせて、鹿児島市内行きのフェリーが発着する垂水港へ。
驚く程スムーズに、車に乗ったまま乗船。フェリーに乗っただけでも旅気分が味わえます。
日が暮れてしまい、フェリーから桜島を見る事は出来ませんでした。


お目当ての1つ。船内で食べる″おやつ″と呼ばれる、うどん。
恐らく味は普通なはずなんですが、船内で食べるだけでうま味が3割増しです(笑)
お腹がすいていたのと旅のテンションで張り切ってトッピング+大盛りにしたのでこれ一杯で800円と
案外高額になったのはここだけの話・・・。鹿児島市内まで40分の船旅を満喫しました。
次は明るい昼間に桜島を見ながらうどん食べたいな。。


翌日は鹿児島市内をゆっくりと歩きながら見て回る事にしました。
温暖な気候と程良く都会的な街並み、路面電車が走るのも見逃せません。軽いてっちゃんとしては嬉しい限り。
そして何よりも桜島に守られているような感覚のする素晴らしい街でした。
真田丸から見始めたにわか大河ファンの自分もいるので、この景色を見てしまうと思わず・・・
気張れ!!チェストーー!!と叫びたくなるくらい(笑)旅先で出逢った現地の方何人かから、色々な角度から見る
桜島がまた良いんです。と聞いたので、その楽しみ方はまた次回にとっておこうと思いました。
歩いているとふと目がシバシバすると思って、あれ旅の運転の疲れかなと思っていたのですが、正解は火山灰。
周りを見渡しても特に何もざわざわせず。鹿児島ではこれが日常。
今回降ってきた火山灰は桜島ではなく、お隣の新燃岳が噴火したものが風に乗って鹿児島市内に降りたようです。
これくらいはふつうの事で、灰が多い時は車の運転がままならないくらい真っ黒になってしまうそうです。
その土地に行けば、その土地ならではの色々な学びがあって、出逢う景色と、そこに人が居て。
目で見て肌で触れて感じて、自分の中に実体として積もっていく感覚がやはり旅の醍醐味だなと思います。


鹿児島の縄文時代から現代までの歴史を実際に使われた道具や模型などを展示し伝えていく施設「黎明館」
元々は江戸時代に築かれた「鶴丸城」の跡地に建てられており、西南戦争時の鉄砲の生々しい弾痕が残された
城壁など、他ではあまり見る事の出来ない歴史の面影を感じる事が出来ます。
気になって仕方なかった西郷隆盛と大久保利通の歩みの違いについて館内にいる案内人の女性スタッフの方に尋ねたり、
気付けば3時間も滞在し、大満足の時間を過ごす事が出来ました。
時間があれば何時間でも滞在できると思う位、膨大で詳細な情報が盛り沢山の施設。歴史って面白いですね。
今日があるのは、現代にまで脈々と引き継がれてきた伝統や風土、文化などが少しずつ経済に発展をして、
街の色を作りだしていると思うと、何だか感慨深いものがありました。
鹿児島には多くの作り手の方が多くいらっしゃるのも、今に始まった事ではなく、その土地ならではの地形や自然の
利点を活かした物作りをする先輩方の姿を、近くでみてきているからではないでしょうか。


僕らが住んでいる盛岡にも言える事ですが、おもてなし文化がある県だと感じました。
場所も本州最南端に位置するからかもしれませんが、お腹いっぱい美味しい物を食べさせたいという気持ちや人柄が
入るお店から伝わってきて、そういった部分も旅行する上では魅力に繋がるのだと感じました。
2日間滞在した鹿児島を後にして、次の目的地熊本を目指します。また行こう鹿児島!!

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