旅の記録 金沢


先日まで夏休みをいただき、北陸の地へ旅に出ました。
目指すは石川と富山。行きたい場所の候補はたくさんありましたが、今回の目的は「人」に会いに行く事。
旅の目的は色々あれど、会いたい人がいるというのは良いなと思っていつも旅に出ています。
石川も富山もはじめて行きましたが、訪ねて行った友人とそして新たに出会った人のおかげで短い滞在でしたが
すごく好きな場所になり大満足の旅でした。その一部をBLOGで綴っていきたいと思います。
先ずは距離と時間ですが、盛岡から石川までは距離で約750キロ。
自宅を出発して休憩を挟みながらゆっくりとしたペースで車で走って約10時間・・・思ったより遠いですね。
東北自動車道を南下して福島県の郡山JKTまで行き乗換、磐越自動車道に乗り換えて新潟方面へひたすらに北上して
今度は新潟中央JKTで北陸自動車道へ乗り換え。最後は北陸自動車道をひたすらに西へ進んでいくと富山を抜けて
ようやく金沢に到着します。猛暑の影響もあって相当な体力を奪われました。
道中は福島では屈指のスキー場の1つ磐梯山を横切り、新潟付近では果てしなく一面に緑の田んぼが広がり
そこを抜けると日本海側に出て今度は真っ青な海が一面に。
途中知っている地名などが出てくると親近感が湧いたり、サービスエリアで美味しい物を買い込んだりしながら
長い時間ではありますが、旅の面白さと期待感を膨らませながらの道のりでもあります。


金沢にようやく着いて、丁度お昼のピークを過ぎたあたりの良い時間だったので先ず腹ごしらえ。
下調べをしておいたお店、老舗の人気洋食屋さん「 NEW 狸」さんへ。
カウンターに座って、クリームコロッケ定食と人気のヤキメシを注文。
料理を担当するのはベテランのシェフ恐らくはお父様(推測)で、盛り付けは若くて笑顔の素敵な息子さん(推測)
シェフの手際のよいフライパン捌きや、その脇でてきぱきと盛り付けをする担当の若い方の手の火傷や切り傷。
カウンター越しに勝手に頭の中で色んな背景を想像してしまい、食べる前から早くもぐっときています。
地元の方が次から次へとお店にやってきて、満面の笑みで食事をされている風景はとても心地良かったです。
味と雰囲気は言う事ありませんでした。。次は日替わりランチの「たぬき定食」も頼んでみたい。。
昔ながらの洋食屋さんは、盛岡でも食べられる場所が本当に限られてしまっているので、こうして美味しい洋食に
巡りあうことが出来て大満足の旅のスタートとなりました。


お腹も満たされて、次に向かった先は金沢を代表する場所の1つ現代美術を主に展示する「金沢21世紀美術館」
ガラス張りの建物のデザインや内装にも驚かされましたが、それ以上に感じた事は金沢市内の中心部に
このような斬新な建物が建てられている事に一番の衝撃を受けました。
美術館のイメージは街中でも少し離れた土地の広い場所に、箱型のどっしりとした重厚な建物のイメージがあったので
情緒ある街並みに対してのギャップがとても面白かったです。


前回の旅でも訪れた由利本荘にある「木のおもちゃ美術館」に行った時にも感じたことなのですが
小さなお子様から、お父さんお母さん、お爺ちゃんお祖母ちゃんまで、どの世代でも其々に楽しめる
「多世代間交流」が出来る場所が街のど真ん中にあるという事。
21世紀美術館は、自分達の様に外からの観光客や視察に来られる方も勿論多いと思うのですが
地元の方にとっても、生活しながらすぐ目に留まるところに不思議だったり面白いと感じられる作品に触れたり
見たりできる環境は年齢を重ねれば重ねる程にきっと良い影響や刺激を与えてくれるのではないかと感じました。
僕自身もつい最近まではアートに触れる機会というよりは興味があまり湧かなかったのですが、旅先で美術館に行ったり
様々な展示を見ているうちに段々と心に留まるようになってきました。
今まで無かった新しい感覚を手にすると、旅行や出張に行く楽しみが増えますし、感性が揺さぶられる事によって
また違った角度で物事を考えたり見たりする事が、自分自身の引き出しを増やすきっかけにもなると思っています。

綺麗な川が流れている街は、もうそれだけで無条件で好きになってしまうのは僕だけではないはず・・・
ちょうど鮎釣りを楽しんでいる方がいて、ただ眺めているだけで幸せな気持ちになります。
僕らのお店がある内丸周辺も裏手に中津川が流れていて、水が綺麗で穏やかな流れで、今時期は鮎が気持ち
良さそうに泳いでいる姿を上の橋付近から見るのが日課だったりします・・・
地元の方にとっては日常で当たり前の景色に映るかもしれないのですが、街中に川が流れているのは
空気の流れが良く感じますし、とても贅沢で特別な事ではないかと思ってしまいます。

今回の旅で行きたかったお店にもお伺いする事が出来ました。
古い一軒家を最低限のリノベーションで、建物の空気感を壊さずに活かした内装で
無機質な空間に器・布物・洋服が整然と並べられていて、静かに自分自身と向き合う場所に感じました。
席数は多くはないのですが喫茶スペースも確保されていて、丁度良い時間帯だったので一息つきました。
ここで注文したアイスコーヒーは「器」の持っている力と、それに負けないくらい「コーヒー」も美味しくて
心も身体も十分すぎるくらい充電が出来ました。
何か特別な体験をしたり感じる事は、旅に出たりしてその場所へ行かない限り味わう事が出来ないので
足を運ぶ事の大切さを再認識する出来事になりました。残念ながら欲しいと思った器は買えず、
次回またこの場所へ来る理由としてとって置こうと思いました。


夜ご飯は、僕が以前に勤めていた会社の頃の同僚家族と合流して久しぶりの食事会。
地元の回転寿司屋さんだったのですが、日本海が近いだけあってネタがどれも新鮮でした
今回の金沢に行こうと思ったきっかけにもなってくれた友人夫婦は、転勤でこの街で暮らしているのですが
いつの間にか二児の父と母になっていて、その姿を見れただけでもなんだか感慨深かったし純粋に嬉しかった。
昔は酷く怒ったり、暴れたり、若気の至り・・・と言えば良いのか、そんな自分だったのにも関わらず
10年以上時間が経過しても慕ってくれているのは、言葉に出来ないくらい嬉しかったりするものです。
次に逢う時はもっと電車の名前と路線、更にマニアックな情報を詰めて行こうと思いました(笑)
肝心な食事の方も人生初の「のどぐろ」は本当に美味しかった・・・
あっという間に口の中から居なくなってしまいました。北陸の海の幸も素晴らしいですね。


帰りがけに2次会と評して、金沢おでんを。
ここのお店も素晴らしい雰囲気で、地元の方に愛されている事が良く伝わってきました。
旅の醍醐味は何と言っても「食」だと思うので、美味しい物に巡り合えると、幸せな気持ちになります。
さっぱりとした味ですが出汁がしっかりと利いていて、何個でも食べられそうなおでんでした。
暑い時期に食べる熱いおでんもビールがより一層美味しく感じるのでまた良しです!!


翌朝は散歩がてら川沿いを歩いて、21世紀美術館の隣に位置する兼六園をぐるりと1周しました。
先鋭的で近代的な建物の横に、江戸時代に作られた城跡が並んでいるのが金沢の奥深さかもしれません。
歩いているだけで気持ちの良い場所でした。ここも水がポイントになっていて、この場所から城下に
水を供給していた歴史があって、市内のあちらこちらに流れる用水路は兼六園から流れていると知り
街づくりの面白さにも触れられる場所になりました。


最後はひがし茶屋街へ。
昔ながらの建物がしっかりと残されている通りで、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。
ただ、あまりの気温の高さに歩いていて意識が朦朧としてきてしまったので、ここはさらりと見るだけにして
次の目的地「富山」へ向かいました。
初めての金沢は街並みと建物が古いまま残されていて、城下町らしい凛とした空気感がとても良かったです。
建物や道路が現在に至るまで残されている理由として、戦争の際にも街が空襲の被害を受けずにいられた事が
幸いしているそうです。道幅も狭く、車の運転は慣れていないとちょっと難しそう。
城に攻めて来られないように複雑に道が入り組んでいて一方通行が多く、急に専用レーンが出てきたりで
目的地まで行くまでに苦労しました。が。それも街の特色だなぁと良い思い出となりました。
高速道路を使ってお隣の富山県へ移動します。続きはまた次回のBLOGで綴りたいと思います。

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