冬休み NEPALの旅③


ネパール滞在最終日。この日の朝食は日本人の方が経営をしている喫茶店「CHIKUSA」さんへ
タメル地区ではお店の開店は早く、大体7時頃からOPENしている所が多くあって、旅行者にとっては嬉しい限り。
お洒落なオープンテラスのカフェから、チェーンのコーヒーショップなどなど選択肢も様々あって
朝からはしごしたいくらいでした。その中でもCHIKUSAはどこか懐かしさを感じるお店の佇まいと看板。
お店に立っていたのはネパールの方で、古い建物だったのですがとても清潔にしているのが良く分かりました。
モーニングを頂き、セットで着けたミルクティーがとても美味しくて、あっという間に飲み干してしまいました。
我慢出来ずにマサラティー(チャイ)を追加。こちらも負けず劣らず美味しかったです。
地元の方が朝仕事に行く前に、ここに立ち寄りコーヒーを1杯頼んで店主と談笑をしている姿をみていて
朝のなんとも穏やかな時間や景色はどこも共通しているのだなと、幸せな気持ちになりました。
お会計をする際に店主さんと思われる方に話しかけると、ちょっと照れ臭そうにしながら流暢な日本語での返答が。
CHIKUSAさんに限らずですがネパールでは日本語を話せる方が結構いて、母国語であるネパール語・英語・日本語と
3か国語ないし数か国語を自由に話せるって素晴らしいですし、店主さんは日本が好きで日本に行くために毎日
3時間お店を閉めて日本語を勉強しているとのことで、自分達も昨年の海外買い付けや海外のお客様がいらしたりと
少しずつでも英語の勉強を!と思っていましたが、恥ずかしくなってしまいました。
同じ人間同士、単語を組み合わせたりジェスチャーやスマートフォンを使えばコミュニケーションは取れるのですが、
言葉を交わして相手の気持ちを汲んだり、自分の考えを伝えられるようになると旅はもっと楽しいものになるなぁと
痛感した朝でした。


早起きの甲斐あって時間に余裕があったのでリクシャー(リキシャとも言ってた)に乗って移動することに。
大きな三輪車に二人掛けの座席がついた人力車のような乗り物で、荷物を運ぶようのものもありました。
最初はゆっくりとした出だしだったのですが、途中からベルを鳴らしながら市街地を想像以上のスピードで疾走。
人・犬・車・バイクがぎゅうぎゅうになりながらすれ違い、所々大きな凹みがあるにも関わらず気にする素振りも
みせずに疾走。誰も乗せてないリクシャーをどんどん追い抜いていきます。風も感じますが、とても怖い・・・。
ネパールの今時期の朝の気温は5度くらいなので、風が冷たくて暖かい服装をしていて大正解でした。
2月は乾季なので、朝は5度くらいで日中は20度くらいまで気温は上がり過ごし易く、昼間はシャツ1枚十分なくらい。
目的地である「ダルバール広場」は旧王宮があった場所で街のヘソと呼ばれ、露天の野菜売りやお肉屋さん
雑貨屋さんなど、タメルとはまた違った賑わいをみせる旧市街。
歩いても20分くらいで行ける距離だったのですが、リクシャーに乗れば5分くらいであっという間に到着。
待ち合わせの時間があったのでダルバール広場はちょこっと見ただけにして、来た道を今度は徒歩で帰ります。
ここは観光客もいますが、地元のバザールと言った雰囲気がプンプンでもう少しゆっくり見て回りたかった・・・。
リクシャーに乗るのも、地元の方が乗るのと観光客とでは価格の設定が全然違うので交渉が必須。
自分達ではある程度交渉をして安く乗ったつもりでしたが、後から調べるとそれでも高い値段設定でした・・・
こんな事も含めて異国ならでは旅の面白さかなと僕自身は思っています。


戻る道端には、野菜やら果物やら様々な食べ物が売られていました。
神子田の朝市的な雰囲気があって色々と買いたくなってしまいますが、ここはネパール。我慢我慢。


3日目は自分達の買い付けたい商品を探すため、街の中の小さな路地や気になるお店を1つ1つ探索。
たまたま現地で見つけた日本人のガイドさんに、僕たちの力では辿り着けないであろう知らないお店や
現地ならではの情報を聞きながら、広範囲で様々な場所へと連れて行って頂きました。
高級なお店が立ち並ぶエリア、地元の薬局、各国の大使館など、歩きながら説明をしてもらう事によって
何処の国も街も同じように、ある程度の棲み分けが出来ているのだと確認。

お昼ご飯は僕らのリクエストでローカルの食堂へ連れて行って貰い、チャパティとカレーのセットを。
値段がびっくりするくらい安いのですが味は絶品。お客さんも絶えずに出入りしていました。
僕らが旅に来て幾つか食事をしたお店の事を話すと、地元の方からするとそこは普段から行く店というよりは
特別な日や家族の集まりがあった時に行くという。自分達の感覚はまだまだ当たり前ですが旅行者の目線で、
本当の意味でのローカルを知る事が出来ました。
ガイドブックなどに掲載されるお店は、それなりの佇まいや価格設定であり、地元の人が足を運ぶお店は
そういった類の雑誌などには載らないという事。言われてみて凄く納得出来る部分がありました。
この後は地元のスーパーに連れて行って貰い、家庭でポピュラーに使うスパイスやお勧めのお菓子類などを大量購入。
英語表記もないものばかりなので、知っているものは良いのですが、見たことのない食材はガイドさんに確認。
スーパー巡りは旅の醍醐味の1つで、日本でも知らない土地に行って地元の方が利用しているであろうスーパーに
行くと、その土地で取れる食材や風土が少し理解出来てとても楽しいです。


ガイドさんが最後に御茶を飲んでお別れしましょうと連れて行ってくれた場所は
狭い路地のほんの一角でやっているお店。きっと通っても気付かないくらいこじんまりしています。
ここも地元の方がこよなく愛する「チャ」を出しているお店。
「チャ」はインドで言うチャイと同じなのですが、味はミルクティー。
実は自分達の宿泊をしているホテルの真後ろにあるお店だったのですが絶対に分からないし辿り着かなかったであろう。
お店の佇まいから見ても、ここで美味しいミルクティーが出されているなんて・・・
混んでいる時間だから、空くまで待とうという事でお店の前で待っていたのですが次から次へとお客さんが代わる代わる
入っているのに正直驚きました。
3人掛けのベンチがようやく空いて、そこで頂いたミルクティーは素朴だけれども味わい深く何杯でもおかわりが
したくなるくらいの素晴らしいお茶でした。

買い付けもなんとか無事に終わり、ホテルへ戻り日本から持ってきた大きなバッグに詰めて帰国の準備を進めます。
深夜2時出発の便なので、アラームをいつも以上に多く設定をして寝過ぎないように注意しながらホテルで過ごし
実質3日間と短い日程の旅だったのですが、充実具合と受けた刺激と濃度はそれ以上に感じました。

ネパールという国はアジアの中では最貧国と位置にランク付けられていて、道路の舗装状況や停電の多さなど
短い滞在でもインフラの整備は、まだまだ改善の余地があり過ぎるくらい未発展に感じました。
2008年まで絶対王政が続きカースト制度が根深く残っていて、そういう階級社会の一旦も街を歩いていると
見たりもしましたし、2015年に起きたネパール地震からの復興も正直まだまだ先になりそうだなという印象でした。
ですが、そこで暮らしている方のパワーやエネルギーに触れて、純粋に元気を貰って帰ってきたような気がしています。
知らない場所へ行くのは、ある程度の勇気がいる事ですし、それに費やす時間もお金も勿論必要。
頭の中で想像をしたり、インターネットの情報を集めたり、雑誌や本を読んだりして知る事も重要ではあるのですが
直接現地に行って、その土地の空気を吸って地の物を食べ、その国の言葉を聞いて、五感をフルに刺激する。
良いと思える経験もそうでない経験も、全てを含めてプラスの財産になり、今までとは違った角度で物事の想像力が
膨らんできたり会話が出来たり、何より今いる場所の良さに気付けたりもするのではないかと思っています。
冬休みを終えて、毎日こうして沢山の方が足を運んでくださり、僕達が良いと思って買い付けてきた商品を
手に取って頂けてとても嬉しい気持ちでいます。春物も各ブランドから入荷していますので、併せてご覧頂ければ幸いです。

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