3月30日


trippen    YEN

color     BLACK(VST)

price     47000+tax

SIZE     39    /    40    /    41


“trippen”の立ち上がりから最初の1足目に作製されたのが紐のないコロンとしたスリッポン型の「YEN」
rasikuでもメンズ・レディースどちらも定番という位置づけで展開してきたモデルの1つ。
今までお店で提案してきたのは、ボックスカーフという表面がつるりとした牛革でしたが
今回オーダーしたものは、表面に細かなシボのある”VST”と呼ばれるソフトな肌触りのものを選びました。
フィッティングがより柔らかく、履き始めからでも足に直ぐに馴染むような感覚のあるレザーで
質感に関しても光沢が少なく、しっとりとしたマットな印象を受けます。
スリッポンタイプなので脱ぎ履きがし易く、長時間歩いても疲れにくいのがtrippenの靴の特徴の1つで
人間工学に基づき、土踏まずをサポートし歩行を助ける目的で作られたインソールやオリジナルのソールなど
靴を履きながら健康にも繋がるアプローチをするのはドイツのメーカーならではだと思っています。
ファッションシーンにも違和感なくすっと溶け込む見た目の格好良さと、少し癖のあるフォルムは
歩いて街を散歩するのが楽しくなる存在になってくれるはず。
新年度を迎える季節の変り目に、新しい革靴を履き最初の1歩を踏み出す。験担ぎではないですが、
真新しい靴は気持ち良さと少しの気恥ずかしさがあって何だかんだ言って良いものです。


足を入れた時には履き口が窮屈に感じる事もありますが、内側に付いたゴムが伸びるとぐっと中に入っていきます。
紐など足を固定するものが一切ないので、フィッティングは余裕を持たせ過ぎないジャストサイズがお勧め。
コバが大きく突き出したデザインも特徴的なディティール。ステッチダウン製法を用いてアッパーとソールを
2本のウェルトで固定をする事で、水などが入り難くなり機能性がプラスされる仕様です。
登山靴を作る際にも良く見られる製法の1つで、見た目の迫力が増してボリュームのある仕上がりに。
革靴なのでザーザーぶりの雨の日にはお勧めしませんが、アッパーに防水スプレーをふって貰えたら多少の
雨や水くらいでしたら問題なく履いて頂けます。気を使い過ぎずに日常使い出来るのがtrippenの良さだと思っています。


内側は総ライニングで、足全体をぎゅっと包み込むようなフィッティング。
靴全体にシワなどが入ったらより雰囲気が増してきますし、普段着るようなカジュアルな装いにマッチします。
ソールは凹凸のあるtrippen soleの組み合わせで、丸みを帯びたフォルムに強いソールのギャップが好みです。
オールソール交換が可能で、rasikuでメンテナンスの為にお預かりする靴で最も頻度が高いのが「YEN」です。
お客様を見ていても良く履かれている印象があり、紐を結ばずに履ける楽さと服装を選ばない汎用性の高さから
ついついすっと足を入れてしまう革靴になっているのではないでしょうか。
グリップ力が高く、雪の積もった冬道でも通用するので、足元の選択肢が難しい東北の地でも1年を通して活躍します。


コバのボリュームに負けないくらい、裾の太いパンツとの合わせが抜群に感じます。
僕自身は軍パンに合わせて履くことが殆どで、強さのある直線的なシルエットのパンツに対して曲線的な
革の柔らかさを感じるtrippenが、コーディネートを程よく中和してくれる印象があります。
ドレスやオールコンフォートシューズと呼ばれているような革靴とは、良い意味で全く違うジャンルの靴になりますので
日常着に合わせる革靴のバリエーションを増やすという意味でもとてもお勧めです。


久し振りにセレクトをしたメンズサイズのtrippen。やはり何度見ても完成された素晴らしい革靴です。
デザイン性のある革靴は、履く人の個性を少し引き出してくれるような存在になるのではないかと思っています。
街歩きが心地良くなる季節です。自分が歩きたいと思える靴を履いて、心地の良い空気を吸って穏やかで健康的な
時間を過ごしてみては如何でしょうか。
そんな時間が今は叶わない方には、静かに過ごす時のちょっとした気晴らしにBLOGをお楽しみいただけたらなと
思い、コツコツお店に並ぶモノの事を綴っていますのでお暇な時にでも覗いて貰えたら。

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