IMG_2640
rasikuがオープンしたのは2012年1月29日
勝手に良い服の日と語呂合わせをして、店内に洋服が殆ど揃わないままに迎えたはじまりの日。
その日のことは天気や温度から、お客様の顔まで、今でもはっきりと鮮明に覚えています。
丸5年という月日が流れましたが、自分の中の一つの目標として盛岡という土地にある洋服屋として
しっかり根付くというか、認知されるように取り組んでいくと決めて日々を積み重ねてきました。

自分が思い描いていたオープンから5年経った店の姿と、現実としてある今とは当たり前かもしれませんが
良い意味でのギャップがあって、もっと達成感とか1つの節目を迎えた喜びがあるのかなと思っていたのですが、
案外あっさりと冷静に通り抜けた感覚があって、嬉しいのには間違いないものの、大きな充実感を感じたり・・・
という事はそこまで無かったのが、いざ5年経ってみての発見でした。
まだまだ至らないところだらけでもありますし、やってみたい事や取り組んでいきたい事が沢山あり過ぎて、
小さな節目ではあると感じたものの、通過点に過ぎないんだなと実感をしている所でもあります。
どんな事にせよ、10年やって一人前と認められるので、言ってみれば5年という月日はようやく半人前になった
ぐらいなんだと思っています。

独立すると決めてから5年お店を続けてみて半人前なりに感じた事は、短い期間で決着をつけるような
勝負の世界や、誰かと優劣を比べるようなものではなかったという事。
良い刺激を与えてくれる仲間はいますが、余所を意識して誰かの顔色を窺ってやる様な事はないのだと、
実際にお店を運営する中で、僕自身の感覚としてはその意識が強く明確になった様に思います。
それ以上に、課した課題や高い壁を自分自身でどう乗り越えていけるのか・・・という事や、
変わることもあれば変わらないことも両方あるのが当たり前で、すべては自分次第。
己自身との葛藤を繰り返し、バランスを取りながら折り合いを付けながら、ちょっとずつでも前に進んでいけるか
どうかが″続ける″という事に繋がってくるのだと思います。
スタートしたからには半永久的に続くゴールテープのないマラソンを走り続けるイメージ。マラソンはどうも苦手ですが。笑
調子の良い時もあれば勿論悪い時もあって当然で、その大なり小なりの波を創意工夫を凝らし、
出来れば面白がりながら、洋服に対する情熱と熱意で乗り越えてやっていく以外に無いと感じています。
答えはとてもシンプルで、だからこその奥深さと難しさがあります。辛い時もありますが、それ以上の喜びや、
醍醐味を心と体でしっかりと感じる事が出来るから、今まで続けてこれたのだなと思います。

次は10年を目標にと言いたい所ですが、先を見据えて行動するのがどうも苦手なようで、
いつも風に身を任せて、思い立ったらすぐ行動したい派で、そこが良くも悪くもあるのですが。
盛岡の四季折々の美しい景色を見たり、美味しい空気の中で深呼吸して、そんな環境の中で毎日を
過ごしていたら、結果、10年経っていた・・・くらいのスタンスで続けていられるのが理想かもしれません。
その頃には頭にちょっと白髪も混じって、少しでも色気が出ていたら良いな・・・なんて想像をしています。
盛岡にはお客様から10年、15年、20年とずっと愛され続けているお店があったり、色んな分野で淡々と
自らの道を突き進む、諸先輩方が沢山いらっしゃるので、そういった方とも肩を並べられるかは分からないですが、
自分達もひとつのピースとして少しでも街に人に、刺激だったり、色を添えられるような存在になれたらと思います。
これからも自分達らしく、東北の小さな地方都市″盛岡″の街並みに似合うような、洋服の品揃えと提案をし続けて
いきたいと思いますし、多少のブレはあったとしてもしっかりとした″軸″を持って、rasikuというひとつお店が、
来て下さる方にとって気持ちがふわっと豊かになる空間であり、必要とする人がふと思い出して足を運びたくなる。
そんな場所になっていければと思います。
6年目のrasikuも、どうぞよろしくお願い致します。

2017.2.4  立春 

物と向き合う

今日の盛岡は清々しい秋晴れだ。
中津川に鮭が溯上して、樹齢100年以上の銀杏の木が少しずつ冬支度を始めていて
ゆっくりと移り変わる景色を見ながら毎日を過ごしています。
img_9496
僕自身、お店をやっていて最近感じた事や心の変化を久しぶりに書いてみようと思います。
ここ何年かでSNSの進化がめざましく、情報をよりスムーズに誰でも簡単に見たりする事が出来るようになりました。
お店は勿論ですが、スマートフォンを手にした1人1人が発信者になって、今まで購入した物、見た景色、食べた物などを
タイムリーに共有をして、物を買ったり食べたり見たりするという行動に変化をもたらしてきているように思います。
その恩恵として、美味しいご飯屋さんであったり、素敵なアイテムがずらりと並ぶお店や空間にインターネットをある程度
使いこなせるようになれば、誰でもその場所や空間に気軽に行ける様になりました。
ちょっと前までは食べログなどの口コミ情報が一番信頼出来るというか(笑)そんな時代に生きていた私としては
道具の進化によって、より的確に食べたい物や欲しい物がスムーズに失敗なく手に入る時代になってきたのだろうと
勝手に推測をしています。電子機器にうとい僕にとっては、使いこなすまでは当然いかず、半ば諦めてしまっていて
よっぽど、ここに行きたいという信念と心の余裕が無ければその場所に到底たどり着く事は出来ません。
画面から流れてくる情報は目には入ってくるものの、殆ど頭に入らずにただただ流れている・・・そんな状況です。
僕自身が何か不自由しているかと言えばそんな事はないですし、流れてくる情報に気持ちや考え方が左右されてしまって
困ってしまうという事も経験していません。それよりも一番に大切にしているのは、目の前で起きている事を肌で感じ
素直に表現する、何となくな″感覚″や″直感″を信じて生きている方が毎日が楽しくワクワクして、充実感があるなと
最近はより一層感じるようになりました。毎日を繰り返しやっていく事で、今までとは違った角度で物事が考えられたり
いつもと同じ景色や当たり前だった事が違って見えてきたりと新鮮な気持ちでいられると思っています。
全て自分で決断している事なので、後になって何か後悔したり人のせいにはしませんし、
自然の流れにある程度身を任せているという表現がしっくり当てはまるのかもしれません。
img_9511
若い頃は血眼になって1つの事項を深く掘り下げていた時期もありましたが、雑誌媒体やインターネットの情報をあれこれと
調べ尽くした所で知った気になってしまっていたり、心の満足はそれで満たされているのか・・・という単純な疑問。
お客様の方が商品に対して知識が豊富であったり、メーカーの内部事情まで詳しかったり・・・と
多くの情報をキャッチしない自分にとっては何だかびっくりしたり驚く事の連続で、教えて頂く事の
方がむしろ多かったりで、結局何の為の誰の為の″情報″なのかをよくよく考えさせられる事もあります。
それは善し悪しがあるので何とも言えないと思っていますが・・・
何かを信じたり決断するのは、どんな時代でも自分自身の判断でしかないんだなと思ってしまうのです。
そんな事を考えると、深く掘り下げた情報に左右されていたり、見知らぬ人の情報を鵜呑みにしたりするのではなく
今、目の前に起きている現実と向き合う事をしてみても良いのではないかと思う様になりました。
それがきっとリアルだと思いますし、感性や感覚も今よりずっと磨かれていくのではと僕自身は思うのです。
img_9512
昔話をしても仕方ないのですが、僕が買い物にどっぷりと浸かっていた10代後半から20代前半の頃は
自分のアンテナに引っ掛かるというよりは、有名な人物であったりトレンドのアンテナに引っ掛かったものが良く見える
というのが殆どでした。皆が同じブランドの同じ物を追いかけていて、今考えるとそれは不思議な光景でもありました。
その得体のしれない″何か″はきっと″情報″や人が勝手に付けた″価値″で操られていたのだと、冷静に考えれば
分かるはずなのですが、それ以上に″熱″があったので周りを見れずに、ただただ「物」に踊らされていました。
お店に欲しいものが無くても、何かしら「買う」という行為がしたいがために無理に買い物をしていました。
今考えるとそれがトレーニングになったのかどうかは分からないですが、目の前にあるものを見てイメージして想像したり
する事が当り前になっていて、欲しいと思える物を直線的に手に入れるよりも、ちょっと寄り道したり、
普段は選ばないような物でも手にしてみてると意外と・・・という事が多々あって、実は横道にそれるくらいが
丁度良いかもという感覚が芽生える様にもなりました。
今のご時世を考えると、物がこれだけ溢れているので欲しい物だけを買うというのが当り前の事かもしれませんが
だからと言って自分のイメージ通りの物を手にしたからといってお洒落になれたり素敵になれるという事とはイコールで
結びつかないから面白いものです。自分で体験しているので良く分かるのですが、物は手にしてみて、自分なりの解釈と
落としどころを見つけていく事が大切で、次第にそれが板についてきてオリジナリティに結びついていくのだと思うのです。
物を買う事は出来たとしても、着熟したり乗りこなしたりするまでには物と過ごす″時間の経過″が必要です。
img_9516
何も考えずに1つ1つの商品を見て、物と真摯に向き合っているお客様をみると何だか嬉しくなってしまいます。
情報や知識をいくら沢山積み上げたからと言って豊かになるという事には繋がらないと思いますし、
頭の中が空っぽくらいの方が、物を見た時の感動だったり袖を通した感覚を肌で感じて頂ける気がします。
こんな文章を書いたからと言って何かが大きく変わるという事はないですし、否定をしたいという事でもありません。
僕は純粋にデザイナーが作りだした物を、感覚的に選んでお店にこれからも商品を並べて接客をして提案をしていきたい
ですし、ある程度の知識や情報が必要だとしても、それを直接的な売り文句にはしていきたくないと思っています。
選択するのはお客様であって、それを着たり手にしたいと思えるか・思えないか・・・この2つしかないと思うのです。
その決断が楽しくて、手にした時の家路に着くまでの帰路が楽しくて、帰宅してからの試着が楽しくて・・・
そんな単純な楽しさをこれからもっと沢山提供していければと思っています。
僕らも今日は時間を遅らせてお店を開けさせて頂きましたが、朝から物と向き合ってきました。
初めて手にしようとする物は何だか緊張しますし、心の中で大きな決断も必要になってきますが
物を目の前にして感じたり、悩んでいたり、選択をしている時間こそが、手にした後により心に響いてくるのだろうと
感じています・・・さて、何処に飾ろうかな・・・

MEGANE ROCK

IMG_7041
突然の一通の手紙がrasikuに届きました。
その手紙にはデザイナーのモノ作りに対する熱意と人との「縁」を大切にする気持ちが綴られていました。
手紙が届いてから数日後、盛岡で直接お逢いする時間を作って頂き鯖江から盛岡に足を運んで下さった
″MEGANE ROCK″のデザイナー雨田さん。
年齢が一緒という事もあって、見てきたものや触れてきた事の共通点が多く色々とお話をさせて頂きました。
10年程前にある職人さんの眼鏡を見た時にピンとくるものがあり、これが全て人の手仕事で出来ているという事に
感銘を受けたそうで、弟子入りを懇願し10年前に地元の鹿児島を離れ福井県鯖江市に移住。
眼鏡作りの職人として一歩を踏み出し、眼鏡の生産に関わる全てのセクションで働いた経験を活かし3年前に自身のブランド
″MEGANE ROCK″を立ち上げました。職人になった雨田さんは鯖江市にある小さな工房でデザインから生産
営業に至るまで全てを一人でやられています。盛岡に着て頂いた際に商品を持ってきて頂いたのですが
その中の1つに僕自身が気になったデザインの眼鏡があり試着をししていたのですが、あっという間に電車の時間が迫り
「欲しい」と思ったものの結局決めきれずに、今度は僕が鯖江にある工房にお邪魔するという話をして
雨田さんとはその場を別れました。
IMG_6943
※屋根の上のビニールシートは雨漏り対策だそうです。(笑)
IMG_6935

IMG_6933

IMG_6940
後日、初めて足を運んだ北陸の地、福井県鯖江市。
名古屋から特急電車″しらさぎ″に揺られて2時間。目的地の鯖江駅に近づくにつれて何層にも深みを帯びる
緑の景色は見ていて飽きがこなかったですし、盛岡にも負けず劣らずの自然が豊かな土地だということと
福井県の人口の規模や街の大きさ等という部分においても、とても親しみを持てる場所でした。
目的の鯖江に到着すると大小様々な工場と工房が点在していて、国内で生産をされている眼鏡のおよそ95%を
この地でシェアしています。元々、眼鏡作りが盛んな土地は大阪だったようですが、2時間余りで行ける距離と勤勉な
人柄がモノ作りに反映して徐々に鯖江に工房が移ってくるようになり、現在では眼鏡=鯖江というまでに浸透しています。
僕自身は視力がすこぶる良くて今まで眼鏡を必要とする事は殆どなかったのですが、もっと年齢を重ねて顔に雰囲気が
滲み出るようになったら眼鏡が似合うのかな、そうなれたらかけてみたいな、と頭の片隅に思っていました。
IMG_6949

IMG_6951

IMG_6957

IMG_6959
工房にお邪魔すると扇風機が一台でクーラーなどの設備は一切なく、この日の気温は32度。
この少しくらい不便な環境(雨漏りする屋根など)が自分にとっては良いんだと雨田さん。
というのも、気温や湿度によって微妙な力加減が必要とされる眼鏡作りは、手先の感覚と経験による
微調整を繰り返しながら完成させるそうです。夏場この環境ではより神経を集中をさせる事になるけれど
それが良いんです。その分、生産量はぐっと落ちるんですけど(笑)・・と話す姿がとても印象的でした。
見た事のない什器があちらこちらに並んでいて、メガネは左右のレンズがあるので同じ機械を2台ずつ必要で
様々な工程がある中でも、眼鏡作りで一番重要視する作業は研磨する事だと仰っていました。
″MEGANE ROCK″で使用しているフレームはセルロイドと言われる天然の樹脂を化学反応させた素材で、
特徴として強さがあるのでノーシン製法(耳のかける部分に金具を入れない)での作製が可能。
磨けば磨く程に艶が増して、美しい経年変化は工芸品の様な趣になる。
どこか眼鏡を客観的に捉えていてプロダクトとしての冷たさとハンドメイドならではの温かさと繊細さを併せ持っていて
僕自身も初めて見た時に″モノ″としての美しさに惹かれてしまいました。
僕らの様な洋服屋で提案する以上、ファッションという側面も持ち合わせていますが、それとは少し違った目線で
見る眼鏡というのも、とても面白いなと思いました。
IMG_6969

IMG_6948

IMG_6971
壁の所々に貼られているDMだったりインスピレーションが面白く、雨田ワールド全開と言った感じでしょうか(笑)
その中の1つに柳宗理の言葉で「本当のデザインは流行と戦うところにある」とはっきりと雨田さんの字で
書かれた眼鏡の箱が目に飛び込んできました。しかも二つ。笑
″MEGANE ROCK″の眼鏡を見た時の僕自身の第一印象が、媚びていないというか売り易さであったり
誰にでも似合うというような当たり障りのないデザインではなく、ただ自分の良いと思える物だけを純粋に
作っている気がしていました。眼鏡というアイテムに対して全くアンテナを張っていなかった僕の心にもすっと響いてきて
身に付けてみたいと思わせる何かがありました。。鯖江まで足を運んだのも作り手の雨田さんの人柄や眼鏡その物を
より知りたいという想いと、その土地の空気や雰囲気を自分自身の肌で感じたいというのが理由でした。
IMG_6975

IMG_6974

IMG_6978

IMG_6979
その後、実際の作業工程を見せて頂きましたがセルロイドを使った眼鏡は磨きに始まり磨きに終わる・・・
というくらい研磨する工程がとにかく多くあり、その磨きの技術で仕上がりの善し悪しが決まると言われていました。
効率を求めればセルロイドを使用するよりもアセテートと言われる素材を使う方が、より簡単に効率良く製品が出来るそうですが
仕上がりの美しさ、掛け心地、経年の変化などはセルロイドでしか味わう事の出来ない良さがあるから手間を惜しまずに
更に磨きの技術向上させて、掛けた時もそうですが、外して眼鏡を地面に置いた時の存在感やモノとしての価値にも
拘り続けていきたいと仰っていました。
IMG_6982

IMG_6992

IMG_6990

IMG_6995

IMG_7000
現在は1か月で約70本の眼鏡を生産していて、それ以外にも新しいデザインにも取りかかっているそうです。
雨田さんの中ではあくまでも眼鏡職人であって、デザイナーと言われると少しニュアンスが異なり、直ぐに幾つもデザインが
思い浮かぶ訳ではないとのこと。作業をしていると急にデザイン案が降りてきて図面を引いて・・・
やり直しての繰り返しで、作る方の行程が遅れる事もしばしばあるそうです。
自分の出来る範囲で納得のいく物だけを世に送り出すという姿勢はとても共感出来ますし、じっくりゆっくりと
時間をかけて出来上がったものは時代の流れや流行とは無縁であるようにも感じました。
IMG_7006

IMG_7010

IMG_7022

IMG_7026

IMG_7029

IMG_7030

IMG_7250
鯖江には一泊し、その日の夜ご飯は工房から目と鼻の先にある地元の人しか来ないような焼肉屋さんに
連れて行って頂き、驚く程に美味しいホルモンを堪能しました。
翌日のお昼は福井県の名物である″おろし蕎麦″を食べて、旅の醍醐味を十分に満喫した1泊2日でした。
そして忘れてはいけない一番の目的であった″MEGANE ROCK″の丸眼鏡″KOALA”というモデルを直接購入し、
初めての北陸、そして鯖江。そして初めて触れた眼鏡の世界に思いを巡らせ6時間半かけて無事帰路につきました。
同世代の方が真摯にモノ作りをしている姿勢に刺激を受けましたし、表面的な言葉だけではなくその裏側にある
想いや背景なども一緒にお伝えできればと思っております。
そんな訳で、MEGANE ROCK 店頭に並んでいます。
少しずつですが僕も眼鏡・・・掛け慣れてきました。自分と眼鏡が徐々に近づいていく感じが、とても好みです。

夏休み

IMG_5757

IMG_5759

IMG_5760

IMG_5762
8月1日から5日まで一足早い夏休みを頂いておりました。
毎年この時期はお休みにして、自分達が行きたい場所や見たい所、逢いたいと思う人の元へと足を運ぶのですが
今回は思いがけない人との出逢いから、約5年ぶりに里帰りも兼ねて開通したばかりの北海道新幹線に乗って
札幌・旭川に向かう事にしました。新函館北斗まで新幹線が開通した事もあって以前よりはだいぶ行きやすい
印象を受けましたが、それでもまだまだ近くて遠い場所である事には変わりはなかった気がします。
海を1つまたぐだけで、目の前に広がる景色にはじまりその土地の空気や文化がこんなにも違うことが
何だか不思議な感じもしましたし、久しぶりに感じる広大な土地そのものから与えられる沢山の刺激に、
感性が震える、とても有意義な4日間となりました。
岩手や東北も御飯がすごく美味しいと思っていますが、やはりここは北海道。素材自体のクオリティが高く
毎回の食事が本当に美味しくて幸せで、ご飯が最高だとそれだけでも訪れて良かったと思えますね。
IMG_5849

IMG_5844

IMG_5883

IMG_5887

IMG_5912
住んでいた時から変わった事のひとつ。街中の中心を路面電車が走る様になっていました。
乗り降りしやすくなったのか、利用されている方も沢山いました。
路面電車は風情を感じる景色で、盛岡にもいつか線路が引かれないかと密かに思ってはいるのですが・・・。
大通公園は札幌の中心街にあって緑が豊かで整備がしっかりとされています。冬には札幌雪祭りやスノーボードの
トヨタビックエアの予選が行われる事でも有名です。今時期は丁度ビアガーデンの季節で、夏の短い北海道ならではの光景。
各ビールメーカーさんのブースにはすでに沢山の人で賑わっていました。この感じも懐かしい。
昼間の明るいうちから、そして何よりも外で飲むビールはきっと格別ですね!!
僕は残念ながら車の運転があったので烏龍茶で我慢しました(笑)妻は水のようにビールを飲み干していました・・・
IMG_5768

IMG_5774

IMG_5801

IMG_5805

IMG_5810
独立する前にお世話になったお店に先ずは足を運びました。
時代の変化に対応をしながらもしっかりとした「軸」をもってぶれずにやっている姿は、いつみても眩しくて
格好良く映りますし、世界を見ている人の言葉ひとつひとつとっても、重みと説得力が違います。
店内に入ると懐かしさと、厳しく怒られていたなぁという事を鮮明に思い出しました・・・(汗)
僕自身がこうして独立をして″rasiku″という店を立ち上げ今も続けられている事は、出逢った人の「縁」にとても
恵まれていたからこそで、今の自分に出来る事はその縁に感謝しながら、自分なりの方法と伝え方で
丁寧にこの場所をつくり上げていく事。
その為に、今出来る事を着実に丁寧に1つ1つ積み上げる事が何よりも大切だと感じましたし、自分が縁あって
選んだ盛岡と言う場所でしっかりと地に足をつけて洋服を提案し続けようと改めて思う良い機会となりました。
働いていた頃もそうでしたがセレクトしているものが欲しいモノばかりで・・・もう笑うしかありません。。。
全ての系列店に行きましたが、クラクラしました。
お店に足を運ぶ際には、それなりの勇気と覚悟を持って行かれる事をお勧めします(笑)
IMG_5916

IMG_5918

IMG_5851

IMG_5856
札幌に滞在した2日間は自分達の気になっていたお店や人に逢う事が出来、写真や人から聞いただけでは伝わらない
空気であったり空間を肌で感じる事が出来ました。これから自分達がどういう姿になりたいのか、どんな生き方を
したいのかをイメージする事が出来た気がしましたし、大切にしていきたい事もぼんやりしていたのがより明確に
見えてきたように感じています。様々なお店を見たり、店主さんにお話を聞いたする事によって、道しるべが
ちょっとずつ示されていく感覚が、この旅ではより多く感じる事が出来ました。
IMG_5865

IMG_5866

IMG_5953

IMG_5957

IMG_5965
街から近い距離に自然な風景や景色があって豊かな環境である事は北海道と岩手どちらにも共通している部分で
その中で暮らす人に対して、自分達の出来る事とやっていきたい事をバランス良く取り入れていく事によって
心と物質的な両面を満足して頂けるように取り組んでいきたいと改めて思いました。
IMG_5970
◇旅の想い出。10年後の自分に似合うように◇
まささん。大切に履かせて頂きます!!

4

1月29日(勝手に、良い服の日と決めた日)rasikuをオープンして4年が経ちます。
月日の流れが経つのは早かったのか遅かったのかは、自分では何とも言えないでいるのですが
31歳で独立をして気付けば35歳。そう思うと、あ、4年経ったんだなという事は実感できます。
オープンした時は4年後の姿なんて想像がついていなくて、でもいざ4年経つと考え方であったり
人との繋がりだったり自分の中で変化している事があって、それがとても面白く感じています。
今こうして毎日を過ごしお店を開けていられるという事は、洋服を生み出すメーカーの方達と、
そして僕らが選んだ洋服を良いと思って購入して下さるお客様、沢山の方々の支えがあってこその事で、
こうして今日も夫婦二人で何ら変わらずお店に立っていられる事を心から感謝いたします。
4年前のオープンの日は、小学校入学式当日の様な・・・″ソワソワ″と″ワクワク″した気持ちが入り混じって
でもどこか集中しているというか気持ちが澄んでいて、今なら何でも出来る!そのぐらいの
エネルギーが溢れていた事。そんなことを鮮明に思い出します。
もっと気温が低くて、雲が空一面に架った冬らしい日だったなと・・・
景色や匂いを思い浮かべながら、今日もいつも通り店の看板を外に出しました。
IMG_5352
僕がこうして洋服屋をやる事になったルーツというかきっかけは何だったかな・・・と、ふと思う事があり
出張のタイミングでもう一度自分の目と肌で感じていた洋服との時間を振り返ろうと思ってその場所に行ってきました。
僕は20歳になるまでは神奈川県の鎌倉に自宅がありました。自分が記憶している中ではっきりと意識して
洋服を本当に好きになったと思うのは中学生の頃でした。
小学生の頃は行動できる範囲が決まっていた事もあり、それが中学生になると自転車や電車などを利用して
冒険出来る場所が圧倒的に広がったのが、洋服にのめり込んでいった理由の1つなのかもしれません。
もしこれが地元にある限られたお店だけに行っていたら、きっとこんな風になっていなかったと思うし
ある意味であの頃から貴重な体験をしていたのかもしれません。
その当時は中学生なので洋服を満足に買えるだけのお金ももっているはずがなく、たまに貰える親からの
お小遣いや遠足の前は遠足用にと洋服を買わせてくれるので、隣町の藤沢市まで自転車で約30分~40分くらい
かけて行き、古着屋さんを1軒1軒端から端まで見るというのが楽しみでもありました。
それでは飽き足らずお正月などでお年玉などを貰うと、それを握りしめてその藤沢から小田急線に乗って
下北沢まで古着を買いに行く中学生になっていました。
なぜ下北かというと良質な古着が安価で買う事が出来たのと、また当時学校で格好良い(イケテル!?)人達は
下北沢までわざわざ行って洋服を買っていた・・・という単純明快な理由から。
電車に揺られ1時間弱で目的の下北沢に到着します。駅を降りて商店街を抜けてまっしぐらに目的の古着屋に
向かって歩き始めます。お財布の中には中学生には大金となる1万円札が1枚と帰りの交通費の小銭が少し。
お昼代なんていうのは端から考えていなかった(笑)

IMG_5355
目的の古着屋は商店街を抜けてすぐの場所に、簡易的なテントを張ってその中に古着がこれでもかというくらい
ラックやテーブルにパンパンに掛かっていてどうにもこうにも掘り出さない限り、欲しいモノが見つけられない環境でした。
それが当たり前でしたし、その中から良いものを見つけるのが楽しみであり醍醐味でもあった気がします。
古着の匂いと冷たい外の匂いに混じって、雑多に置かれた灯油ストーブの音とほんのりと暖かな風。
その空気が何とも言えず好きでした。
当時はリーバイス501が人気で、如何に色落ちの良い1本を見つけられるかに必死。
中学生なので勿論ヴィンテージと言われるモノは買える訳もなく、何百本とあるリーバイス501の中から
先ずは自分のサイズに合うモノを探し出して、そこから極力色落ちとコンディションの良いものを吟味する。その繰り返し。
そして最後にこれだっと胸を打つ1本を買う!!という作業をリーバイスに限らずに1つ1つの洋服に対して
永遠のループで繰り返していました。その間に他のお店を見たりしているので、とにかく下北沢にいる時は
ずっと洋服に触れている状態でした。
お昼ご飯も何かしらは食べていたはずですが、そういう記憶は全く残っていないのに自分でも驚きます(笑)
朝から夕方まで一日中そんな事をやってるものだから日が暮れる頃には、体力の塊の様な中学生でも
さずがにヘトヘト。ただパンパンのラックにテーブルに山積みされた洋服の山の中からアンテナに引っ掛かる1枚を探す。
これを何度も何度も繰り返していると、いつしか自分の中でも好きなものを見つけられるようになっていて
審美眼?というのか見る目が勝手に鍛えられていった・・・のかもしれません。
帰りの小田急線は直通が少なくて町田で乗換をしなければならない事が多くあり、寝過ぎて乗り過ごす事だけを
注意しながら藤沢までの道のりを帰っていたような気がします。
そこで購入した新しい(古着ですが)洋服を、部活がない休みの日に着れるのが嬉しくて嬉しくて
何かの発表会!?の様な感じで自転車を漕ぎ、友人が集まる公園に繰り出していました。
IMG_5359
何年振り・・・久しく足を運んでいなかった下北沢の駅を降りた瞬間に当時の事が鮮明に思い出されました。
再開発が進んでいる状況でしたが、それでもまだ良い意味で雑多な商店街もありそこを抜けたあたりに
僕の好きだったビニールテントの古着屋さんがあって、勿論今はもう無くなっていて違うお店になっていましたが
懐かしさは感じる事が出来ました。今も尚、当時よりは大分少ない気がしますが、それでも数多く古着屋さんが
存在している下北沢。時代は変われど、その土地に永く根付いた文化というのは受け継がれるものだという事を
改めて実感してきました。これから5年目そしてその先に向けての、確認作業が出来た気がしています。
洋服に対する想いも考え方や着方に関しても、20年前も今も根本的には変わっていないですが、
ただ以前と比べれば、凝り固まった薀蓄中心の固定概念が薄まり、ある程度柔軟に受け入れて
何でも着てみようと着こなしの幅も広がった様な気がしています。
そういった自分の中の変わらない部分と変わっていく部分を、rasikuと言う場所で
古着も新品も分け隔てる事無く、今の時代だからこその僕らの感性や気分を洋服の着方や、
提案する洋服を通じて伝えられたら良いなと思っています。
これからrasikuが目指すべき姿は、ここにある事が当たり前になって、ドキドキもするけど何だか落ち着く。
特別だけど特別じゃない、いつも着ている白いシャツやボーダーのTシャツ、デニムやチノ、キャンバスのバッグにスニーカー。
日常の風景に溶け込む洋服や、気分が上がる心地良い服。自然と笑顔がこぼれるモノやコト。
ここにくれば何か素敵な出逢いがあって、じっくり吟味して選べる。
僕らの作る店はそんな場所でありたいと思っております。
毎日眺めている中津川の穏やかな流れのように、これからもゆっくりと洋服に向き合っていければと
思っていますので5年目のrasikuもどうぞよろしくお願い致します。

PageTOP