夏の終わり 韓国の旅 Ⅱ

翌日は早起きをして、天候を確認。雨時々曇り。気温は28度くらいだったと思います。
湿度も控え目で、肌寒さまではいかないものの長袖が良さそうな気候。
この日は、先ず午前中は気になっていた「東廟フリーマーケット」を目指します。
前日からの旅の疲れも残りつつですが、何か面白いものを見つけられるのではないかという
ワクワクする気持ちと期待が上回り、一駅隣のその場所まで颯爽と歩いて向かいます。

この「東廟フリーマーケット」はちょっとしか調べていない前情報だけでも、
かなりコアな、独特な気配がしそうな気がしていました。そしていざその場所に行くと
フリーマーケットというよりも、更に深く掘り下げたディープ過ぎる世界観が広がっていました。
朝9時に到着したのですが、古いものが醸し出す特有のオーラが入り口近辺まで漂ってきます。
日本でいうところのガラクタ市と言えば分かりやすいでしょうか。
ここから何か持ち帰るモノを見つけるとなると、恐らく半日、いや2時間位でエネルギーが0になりそうな
プラスとマイナスが交差する多種多様のパワーと、それを売る人、買う人のエネルギーがみちみちと充満。
結論から言いますと、ここでエネルギーを使ってしまうと、今日一日が潰れてしまう可能性が高かったため
この場所では白目を向くようにして、モノを極力見ない作戦に変更。

見ない様にしても見てしまう性。カセットテープ、ラジオ、朝の挨拶、様々な音も入り混じります。
いきなりの先制パンチを食らってしまったので、早々に休憩タイムを取ることに。
辺りを探したのですが飲食店が見つからなかった為、その場に腰を掛けて手軽に食べられそうな
揚げパンのお店へ。朝からの揚げ物には十分に気を付けろ!!と自分に言い聞かせながらも、
糖分を欲していたため、あんこ入りの揚げパンをむしゃむしゃとあっという間に完食。
これが想像以上に美味しくてまさかのおかわり、次は米粉の揚げパン。これが当然ながら仇となりました。
この後、午前中はずっと胃がしっかりともたれた状態で過ごすことになりました。
インスタントコーヒーは、あちらこちらに見かけて、500ウォン(50円)でした。
紙コップにスティックタイプのコーヒー(粉・ミルク・砂糖の入ったもの)を入れ、お湯を注ぐシステム。
この素っ気なさが良い、そして甘くて美味い!!(笑)
紙コップが薄くてふにゃふにゃで不安定で、下手に持つと相当に熱くてジタバタしていると
もうひとつ紙コップを重ねなさい~とお店の方からのアドバイス。それも全て含めて◎
地元の方はこのコーヒーを片手に、朝から談笑しているのが良かったなぁ。
そして魅惑のコーヒースティックも、お土産に買ってくれば良かったと悔やんだのでした。

朝食で気を取り直して、もう少しこの場所を見て回ります。
入り口から骨董やら電化製品、釣具、銅像など多種多様なジャンルのものが並び、そこを抜けた先には
洋服ゾーンが待ち受けています。最近では若い方がチャレンジする場所にもなっているようで
90年代頃の古着がずらりと並んでいたりと、何かを探したい気持ちはもちつつも後半戦に向けて体力を温存。
韓国の野球チーム(胸にBEERS)と書いたユニフォームが気になりましたが、勇気が出ずに断念。
時間と体力に自信があれば、もう少し掘ってみたかったのですが、次回の宿題にしたいと思います。
いや~久し振りにディープな世界観を堪能してしまいました。。。

東廟フリーマーケットに後ろ髪を惹かれつつも次に向かった場所は、地下鉄を乗り継いで辿り着いた
「聖水」(ソンス)という場所。写真をほとんど撮っておらず、、、分かり難いのですが。
韓国のトレンドを感じるにはうってつけの場所。東京で言えば浅草と青山を足して2で割った雰囲気・・
と言えば分かりやすいでしょうか。逆に分かり辛いかもしれませんね。
恐らく元々は革製品を加工する職人さんがいたり、問屋だったり、あとは車の整備工場があったり
そういった下町的な気配が微かに残っている地域なのかなと感じました。
中心地からも少しだけ離れた場所になりますが、世界的に有名なブランドもこの場所にお店を構えています。
雰囲気の良いカフェ、洋服のセレクトショップ、洗練された雑貨屋さんなどもあったりして、歩ていている方も
若い方が中心だったように思います。下町感のある落ち着いた空気と、洗練されたブランドのお店が点在し
僕らが求めているような、掘り出し物を探すような雰囲気ではなかったです。
目的のお店が1軒あったのですが、まさかの臨時休業。これもタイミングなので、またの機会に。
それでも街を見て歩いて、自分なりに感じるものがあって、それだけで十分に楽しい。
降ったり止んだりの小雨の中を歩きすぎて(この段階で歩数が1万5千歩を超えていた)ヘロヘロになり
フレッシュなドリンクを補給しよう!と途中で寄ったカフェで出てきたサイズが大き過ぎてびっくり。。。
街中でも、この大きさのドリンクを持ち歩く姿を多く見かけたので、そういう飲み方が正解だったのだと思います。
冷たい飲み物をたくさん摂取すると割と直ぐにお腹が崩れてしまいがちなので、殆どを飲み終えることなく
バッグにしのばせ持ち帰り、ホテルで無事にいただきました(笑)
韓国は食事もそうですが、日本よりも全体的にボリューミーです。

一旦ホテルに戻って休憩してから、夜の部へと繰り出します。こんな夜更かしは久しぶりです。
夜の徘徊に備えて、エネルギーチャージという事で、今日の夜は屋台が多く立ち並ぶ”広蔵市場”へ。
恐らくは観光客をメインにしている市場だと思うのですが、とにかく人・人・人で活気が凄い。
アジアだけではなく色んな国の方がいて、ぎゅっと距離の近い屋台を囲んで飲んだり食べたりという
ある意味、日本ではどんどん希少になりつつ景色から自分の住む国のことを思ったり・・・。
屋台はたくさんありますが、料理のメニューの内容に大きな差はなく、山積みにされたキンパ(海苔巻き)
キムチ、トッポギ、チヂミ、見ているだけでも楽しさが溢れて、とにかく色々食べてみたくなります。
先ずは屋台ではなく家族経営っぽい餃子のお店に入って二種類の餃子をビールで流し込み、次のお店へ。
席が空いたのを見計らって、着席し麻薬キンパとチャプチェを注文。
何を食べても美味しいというと、ざっくりとした表現になってしまうのですが、何を食べても美味しい!!
キンパはどうしても食べたいと思っていたので、見た目も可愛らしく、味も抜群。
付属する酢とカラシのソースも良かった。お腹も十分過ぎるくらい満たされたところで、
広蔵市場の衣料品系のお店は夜は閉まっていたので、また明日に持ち越し、歩いて移動し昨日行った問屋街で
アンテナに引っ掛かる何かをじっくり探しに行きます。とても気になる品揃えのお店も発見!
この日、歩いた距離は自分でもびっくり15キロ!!そりゃ最後の方股関節に力が入らない訳だな。。。
足で稼ぐ。とはまさにこの事。最終回へ続く。

夏の終わり 韓国の旅 Ⅰ

8月末から短い期間だったのですが、コロナの検査や手続き等のややこしさが無くなったタイミングで
久し振りの海外へ行こうという話になり、日本から距離的に最も近い国、韓国へ行ってきました。
出発の地はお隣にある仙台空港。
韓国の仁川空港へは週3便フライトがあり、仙台12時50分発→仁川15時30分に到着。
フライト時間は2時間40分、岩手から九州へ行くのとほぼ変わらないという近さ。
福岡から韓国が見えるという話を良く耳にはしていたのですが、実際に足を運んだことで、より実感。
仙台から出ているのはアシアナ航空(韓国の大手航空会社)で、乗る方も、日本・韓国、其々に半分くらいずつ
ほぼほぼ満席だったと思います。手荷物を預けて、旅の気分が段々と盛り上がってきました。

2時間半ぐらいのフライトだとあっという間に着いてしまうなと思っていた矢先に、まさかの機内食が。。。
流石にこの時間では食事は出ないよねと思って、仙台空港でしっかりと食べてしまっていたのですが
けれども匂いにつられたのと、機内食も旅のはじまりを盛り上げるイベントだと思って完食(笑)
奥はチャーハンに鳥の唐揚げがのっていて温かい。間に錦糸卵が敷いてあったのでチバブだ!と
気づきました。付属のコチュジャンを付けて食べるともうしっかり韓国ごはんの出来上がりです。
手前はパンと南瓜のサラダにお水。炭水化物×炭水化物で着陸前でもうお腹いっぱい。。

機内食を食べていると、あっという間に仁川空港へ到着。
現地は曇り時々雨。気温は30度ない位で日本よりも涼しい印象。
初めて降り立った空港ですが、仁川空港がとにかく大きい。
世界の何処へでも繋がることの出来るハブ空港の役割を担っていて、そうなると食事やサービスも充実。
色々と見て回りたかったのですが、無駄に多く持ってきてしまう手荷物の重さで徘徊は断念。
仁川空港から今回の目的地でもあるソウル市内へ向かいます。
ソウルまでの交通手段は高速バス・電車(各駅と特急)その他にタクシーなどがありますが、
今回は特急A’REXに乗って市内へ向かうことにしました。

地下7Fのホームに降りると、あれっ。。。日本の何処かでお逢いしたことのある景色というか風景。
関西空港から大阪市内へ向かう途中とそっくり。関西空港からラピート号に乗ったことを思い出しました。
仁川からソウルまでは特急に揺られること45分。
全て指定席になっているので、安心して座って移動が出来ます。
窓から飛び込んでくる景色に脳みそがパンクしそうになりながらも、ずっと奥の方には摩天楼のように
高層ビル群が建っているのが見え、川を渡り、少しずつ街が近づいてくるのが分かりました。

ソウルに到着すると、そこから地下鉄に乗り換え滞在先になるホテルへ向かいます。
完全なる都会。そして日本語と英語が通用すると思っていたのですが、想像していたよりも全然通じ難く
表記もハングルが主体で、まったくもって何が何だか分からない状態。
それだけでも十分に異国に着たことを感じる出来事ですし、これからどんな面白いものに出逢えるのか
食事は美味しいのか、期待と妄想ばかりが大きく膨らみます。

ホテルに無事にチェックイン。一息ついて、夜の食事と買い付けの下見を兼ねて出掛けることに。
向かったのは東大門(トンデムン)と呼ばれる、巨大ファッションビルと隣り合わせで問屋街が連なる地域。
眠らない街としても有名で、問屋街は22時からオープンするという特殊な場所。
夜になっても若者と観光客で賑わっていて、ひたすらに目に飛び込んでくる景色、言葉、情報1つ1つに
頭をフル回転させつつ必死になりながら、とりあえず夜の食事場所を探します。

街をぐるぐると歩いていると先ず目に飛び込んできたのは屋台。
僕は旅先では、餃子の王将(岩手にはお店が無いため)と屋台を見かけると必ず寄るという習性があります。
夜ご飯まで我慢出来ず、先ずは屋台にピットイン。
食べたいものがあり過ぎるのですが、ぐっと我慢。
ホットドッグにギザギザポテトがくっついた、1本でお腹いっぱいになりそうなスナック1つと
オムク(韓国のおでん)を1本注文。割りばしに突き刺さったオムク(おでん)がとにかく絶品。
白身魚をすりつぶしたものを板状にして、それを串でさしているのですが、出汁がしっかりと沁みて
心と身体に溶けるように、あっという間にたいらげてしまいました。
オムクは1本1000ウォン(100円)フランクフルト的なものは1本3500ウォン(350円)
韓国のお金はウォンという単位で、日本円に0を1つ足しただけなのでとても分かりやすい。
ですが、現在絶賛円安の影響をもろに受ける状況で両替のレートが最悪との事。
ウォンの方が価値が高く日本円1000円両替すると850円~900円になってしまう計算。
日本を離れてみて痛感する出来事が、ここにありました。
それでも屋台の食事はお財布にも身体にも優しく、お金をかけずとも旅は十分に楽しむことが出来ます。

軽い軽食を済ませて、散歩しながら本気の食事所を探します。
胃に負担をかけないようにと選んだのは、タッカンマリ(鶏の水炊き)が有名な”東大門明洞タッカンマリ”
中は人でいっぱい。少し並んで待ちましたが、並んででも食べて良かったと思う食事の1つになりました。
広い店内を手際よくホールを取り仕切るスタッフと、食材を運ぶスタッフの阿吽の呼吸。
そして上手な日本語で、食べ方をしっかりとレクチャー。
もう良いかなと鍋に触れようとした瞬間、まだ早い!というやり取りを何度かして・・・(笑)
鳥が一羽入っているので、時間が経つにつれて骨などからしっかりと出汁が出てきて、
鳥も柔らか。待った甲斐がありました。
ニンニク、辛味とタレを混ぜて付けダレを作り、生のニラとキムチなど付け合わせと一緒に頂きます。
お鍋には鳥とじゃがいものスライスと、おまけのトッ(お餅)を入れてくれました。
最後に麺を入れて締めたかったのですが、先ほど屋台で食べた2品が意外にもお腹を満たしてしまい
タッカンマリとビールのみでご馳走様となりました。
味もお店の雰囲気もスタッフの方の接客も抜群で、次回もまた来たいと思う場所でした。

お腹がいっぱい過ぎるのと、初日なので気合を入れ過ぎずという事で問屋街をさらりと視察し
近くに併設しているショッピングビルもぐるぐるっと巡って、オレンジ色の派手なショーツを
購入しちゃうのも旅ならでは〜。旅をすると、こういう刺激があるのが本当に堪らない。
朝の10時30分~翌朝の4:30までの営業時間に驚愕しつつ、隣のビルも夜の11時までと
眠らないと言われる街と呼ばれる所以を理解しながら、私は寝ないと駄目な人間なので
終電前にホテルに戻り、初日を終えました。あぁ~お腹いっぱい。

夏休みシリーズ 3 後編

鰻を食べ終えて、ぶらっと街を歩いた後は、次の目的地へ。
ご一緒してくださっている方に事前に、お勧めの場所を巡りたいと伝えていたのですが
パワースポット的な場所へご案内しますと。向かった場所は「柳津虚空蔵尊」
入り口には大きな鳥居があり、車で通り抜けた瞬間から間違いなく気が変わりそうな雰囲気。
車を降りた瞬間に、パワースポットというのが分かる木々の大きさ。
境内への道も、巨木に囲まれていて木陰だからというだけじゃなく、周辺一体の空気がすーっと
鎮まるのが感じられました。ケヤキや杉並木はそれぞれ樹齢400年と500年。
大銀杏は樹齢300年を越えていたので、神秘的な場所であるのは間違いありません。
境内を一周してお参りをしましたが、その途中途中に巡った、”黄土山の黄金水”や”月見の井戸”
”一夜の松”その他などなどは、後から調べるとこの場所に言い伝えられる七不思議だそう。
木のパワーなどに圧倒されつつ、場所にというか、なんとも言えない不思議な感覚を覚えたのは
案外間違いではなかったのかもしれません。
そのまま吸い込まれる様に、敷地内にあるカフェで一息つくことにしました。

このカフェが、驚きと落ち着きと色々とすごかったです。。。
先ずは水がとても美味しい。先ほど巡ってきた黄金水という湧き水だそうですが
飲んだ瞬間に、美味しいとわかるくらいまろやかで舌も喉も気持ち良いと感じるお水。
注文した七不思議珈琲(!)も久しぶりに味わう美味しさで、感動。
僕が勝手にずっと唱えている「水理論」を体現した素晴らしいお店でした。
その時はまだこの場所のことを何も知らずに過ごしていたので、きっと七不思議=水の美味しさと関係が
絶対にあるだろうなと推測しつつ(やっぱりあった)、店内も思ったよりも広々とした古い建物で
天井高で、縁側と大きな窓が開放感があり抜群の居心地でした。
折角だからと思い注文したかずおさんのシフォンケーキも絶品。
因みにかずおさん以外にも、はるかさん、ちえこさんと作り手が3名メニューに掲載されていて
この日はかずおさんのみの提供でした。スタッフの方にかずおさんシフォンケーキの特徴を聞くと、
やや”かため”です。と。(笑)確かにみっちり固めの大きなシフォンケーキでした。
1人は冷やし壺入りしること紅茶。もう1人は仙台麩パフェおみくじ付きとコーヒー。
3人ともに鰻を食べたばかりなのも忘れて、ぺろりと完食してしまいました。
涼まったところで、次の目的地へ移動します。

土地勘が全く無かったので、少し遠まりして帰りましょう。という言葉にお任せするまま車を走らせます。
山並みを越えたと思うと、目の前には海。初めて訪れる南三陸町。
東日本大震災で多大な被害を受けた場所ですが、現在の街並みは一新していました。
以前がどんな街だったのか、想像することしかできませんが、なかなか岩手にいても
沿岸の方まで来る機会が多くはなかったので、連れてきてもらえて良かったです。
商店街をイメージしたお店が軒を連ねている三三商店街は、映像では見たことのあった場所。
お腹いっぱいなのと、クーラーボックスを忘れてしまったのが致命的でしたね。。。
週末になると駐車場に入りきれないくらいの人が集まってくるとの事でした。

隈研吾さんが設計した建物は復興のシンボルとして、凛とした空気のミュージアムが併設。
展望台から辺りを見渡してみると、穏やかで凪の海が一面に広がっていました。
逆に言うと目の前が海という事もきちんと理解する必要がありますし、如何にして自然と共存しながら
お互いを活かしていくのかを考える場所になりました。

宮城県三陸町を後にして、今回のぶらり鰻ツアーの最終目的地のお勧めの温泉へ。
岩手県奥州市にある「国見平温泉」佇まいが最高。
来ている方々の車も、軽トラックが何台かあって農作業の後などに入りに来ている様な
地元の方がこの場所を愛しているのが、入浴する前からひしひしと伝わってきました。
内風呂・外風呂・小さいサウナ、僕が理想とするシンプルな温泉。
お湯は由利本荘と同じくオイル系の匂いがあって、じんわりと身体が温まりそうな泉質で
ここで汗も余分なものもすべて綺麗に流して、鰻ツアーはこれにて完結。
県南地域から宮城県にかけては、足を運んだことのない地域でしたので見るものが全て新鮮。
産直も岩手のような宮城のような、混在しているところが面白かったですし
知らない場所に行けば、自分自身の価値観がどんどん更新されていくのがとても嬉しい。
僕の鰻欲を満たすためにと、遠足にご一緒してくれたAさん。ドライブも含め楽しい時間でした!
まだまだ夏は長いので、目的を1つ決めて遊びに出掛けていきたいと思います。

夏休みシリーズ 3

夏休みシリーズと題して、この夏の思い出を綴っていきたいと思っています。
昨日の定休日は、以前よりお客様と話をしていて、僕の願いを叶えてもらうツアー。
「鰻」を食べに岩手県のお隣、宮城県登米市に向かいました。
盛岡から高速道路と一般道を乗り継いで、大よそ2時間30分の距離でしょうか。
岩手県と宮城県の県境に位置する登米市は人口7万7千人。
江戸時代に北上川を使って船で、岩手⇔宮城を物資を運ぶ際の要所として栄えた街。
何故、この場所で「鰻」が食べられるかも、後になって理解したのですが、
初めて訪れる街は、歴史や文化を想像しながら歩くのがとても楽しい。
外観が素敵な洋館の建物が多く現存し、明治時代の面影がしっかりと残る街並み。
物流の変化(船から鉄道)によって、要所としての役割は無くなりましたが
古い建物が崩されずに残り続けていると、その当時の面影を何となく感じる事が出来ますし
街並みを見ながら歩くだけでも楽しめるというのが、現在でも大きく街のプラス要素となり
魅力に繋がっていることは間違いないと思います。

旧登米高等尋常小学校は街のシンボル的な存在。(現教育資料館)
現在は新しい校舎がさらに奥の敷地に立っていますが、建築物としての佇まいは圧巻。
バルコニーのような正面玄関や、吹き抜けになった廊下など風が気持ち良く抜けそうで
古さを感じさせない、美しい建築物であることは間違いありません。

登米と言えば、2021年にNHK連続テレビ小説「おかねりモネ」で舞台になったロケ地でもあります。
当然のことながら、物産館の全壁面から中にまで余すことなくポスターで打ち出しておりました。
僕はモネ途中で脱落してしまったので、語ることは出来ないのですが・・・浅野忠信さんの演技が
抜群だったことは覚えております。りょうちんも良かったですね。

ご一緒してくださったAさんが建築分野に詳しいこともあって、色々と説明を受けながらの街案内。
建築家、隈研吾さんが移築に携わった建物もあったりして、新旧が交差するような感覚。
気温が高すぎて、さらっと見てしまいましたが涼しい季節にまたゆっくり回りたいと思います。

さらに歩いていると、「ここ、道路に対して建物が斜めに建っているの分かりますか?」と
急にブラタモリ感のAさん。確かに建物の正面が斜めになっています。
武者隠しの街並みは、弓などの攻撃から身を隠せる場所が幾つも存在します。
横道が多いのもその名残だそう。戦国時代ならではの空気を今でも感じることが出来ます。
レトロな看板も多かったので、建物を見るだけでも一日過ごせそうな街並みでした。

今回のメインイベントとして期待が高まる「鰻」
見えてきた看板で、間違いないことを確信。
この土手を越えたところには北上川。
立地も含めて完璧ではありませんか!!

運が良い日に食べられる「天然物」
この日はなんと、食べれる絶好のチャンス。
水槽には天然鰻が気持ち良さそうに泳いでいました。

僕が頼んだのは天然物ではなく、養殖物のタイプ。
妻が天然物を頼んだので、食べ比べしたいと思ってしまい、養殖物のうな重を。
美味しい。そして妻の天然物と食べ比べ。
う~ん。正直、目隠しされたらどっちがどっちか分かる自信がなかったです(笑)
天然物の方が、身の弾力が微かに強いかな。。。と思いましたが、素晴らしい体験になりました。

食事を終えて、横を流れる北上川を散策。
盛岡を流れる北上川の顔とは随分と違って、川幅がとても広く流れが凪。
ご一緒してくださった方から説明を受けて納得。
北上川は一関辺りから地形の落差が殆どなくなり、川幅は広がるものの流れは穏やかに。
登米もまさにそれで綺麗な水ではあるものの、鰻が好みそうな濁りのある水質で流れが緩やか
きっと餌になる食べ物も豊富にありそうな雰囲気が漂っていました。
今でこそ高級食材として扱われるようになった鰻ですが、つい最近までは庶民にとっての
夏のスタミナ源として食べられていたことを思うと、きっとこの場所も船で物資を運びながら
行き来する商人などの憩いの場として栄えていたのだろうと思ってしまいました。
後半へ続く。

夏休みナイター

先日のプロ野球観戦と、間髪入れずな練習に引き続き、この度も「北銀ボールパーク」を
19-21時の2時間お借りして、愉快な仲間達とナイター照明を点灯させて、今季初の練習試合をしました。
今の時期は夏の高校野球予選を2試合行った後、夜には球場を一般利用も出来るという素晴らしいシステム。
全面人工芝にしたことで、芝の荒れ具合などを気にせずに使うことが出来るようになりました。
グランド整備に関してもトラクターをかけて土の管理をせずに済むという点で、新球場は一般市民にも
沢山利用して欲しいという雰囲気が感じられるようになったのは、とても有難いことですし
県営球場とは大きく変わった点だと思います。
日中の熱気がまだ冷めない黄昏時、試合の時刻が近くなるにつれてメンバーが続々と入場してきました。

僕が率いるチームは人数不足で助っ人をお借りして、対戦相手は初年度からお世話になりっぱなしの
岩手大学職員さんが率いる古豪「ワゲェスターズさん」。
キャプテンのFさんは、野球熱が高すぎて近寄ると火傷するくらいの熱血キャプテン。
朝野球連盟に加盟し、県大会出場を目標に毎シーズン、熱い夏を過ごしているチーム。
一方の連合チームは完全に若返りに失敗するものの、練習が大好きで毎週コツコツ練習を重ねている
往年のプレイヤーのみが揃う前向きさと、渋さを兼ね備えたチーム。
それだと試合にならないという事で(笑)、岩手大学の学生さん(現役生)をレンタルで3名
お借りして、ギリギリ勝負が出来るかどうかというバランスに整えて頂きました。

僕がこちらのチームの監督なので、助っ人の方にポジションを確認しスタメンを熟考します。
私は結構な戦略家として名をはせているので、遊びでも本気で勝ちにいくタイプ。
すると。。。主力として期待していた選手が、キャッチボール中にまさかの肉離れで離脱・・・
3番打者・投手として2イニング期待していた方がこの時点で負傷退場となりました(笑)
これは朝野球界では「あるある事項」。特に夏場になると想像している以上に汗が出ていているのと
やや緊張感のある中で日頃の疲れも溜まったタイミングで「ぴりっ」案件。
無理をせず大事を取って頂き、直ぐに替えの選手に声をかけて、20年ぶりに野球をやるという方に
急遽お願いをして我がチームのスタメンは固まりました。

初回から相手チームの猛攻を止められず、そしてこちらも野球あるあるとして有名な
「代わった選手のところに打球が飛ぶ」
負傷交代した方の代わりに出て頂いた選手(20年ぶり)が守るライト方向へ先頭打者がフライを。。。
頭では分かっていても身体(特に足が)動かずに、いきなりの落球。こんなことも全て含みの野球あるある。
試合は一方的な展開で、試合慣れしているチームとそうでないチームの差が大きく出てしまう展開に。
終わってみれば結果は7-0の完敗。
野球を観ていて思うのは、先日のプロ野球観戦した際にも、今盛んに行われている高校野球の予選も
そしておじさん達が集まる草野球も、野球というスポーツの本質はどれも同じ。
取れるアウトをシンプルに積み重ねることの重要性を改めて感じる試合となりました。

素晴らしい球場でこれだけの大人が仕事を終えて集まり、みんなでボールを追うのは特別な時間。
2時間はあっという間に過ぎてしまい、あぁでもないこうでもないと反省をしつつ
家に帰って飲むビールはきっと格別だと思いました。
ご家族で小さなお子さんを連れてきてくださった方も、夏休みの思い出になってくれれば嬉しいなと思いつつ
残り1カ月弱となった朝練も明日また朝5時からスタート。
青春はまだまだ続きます。

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