浜松から

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3月16日
僕の友人が遠路遥々、静岡県浜松市から遊びに来てくれた。
彼と出逢ったのは僕が20歳の頃だから、もうかれこれ12年間、頻繁にではないけど連絡を取り合っている。
僕にとってはとても貴重な、旧くからの仲間。

僕が大学時代、横浜の洋服屋で働いている時に一緒のバイト仲間だった彼は、とにかくお洒落だった。
その当時流行っていたLEVI’S REDのデニムに、赤いブーツを履いていた彼の服装を見たときの衝撃は
今でも鮮明に覚えている。
(この話を直接したら、彼は恥ずかしがっていましたが・・・)

彼とは、とにかく一緒にありとあらゆる古着屋を巡った。
朝から晩まで歩き回り、それこそ、飯食う暇も惜しんではくたくたになるまで古着を見て回った。

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それからお互い、同じ大手アパレル会社に就職し店長という立場になった。
彼は静岡に転勤し、僕は仙台に転勤となった。
会うのは年に2回ある東京での店長会議
会議が終わると、一目散に2人でセレクトショップ&古着屋巡り・・・昔とやっている事が変わっていない・・・
ただそれがとにかく楽しみで、会議に行っていた。
どうやったらお洒落で格好良く見えるか・・・それしか考えていなかった2人だった

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そんな事を繰り返しながら、月日が流れ・・・
僕が28歳、彼が27歳の時
いつものように仕事を終え、自転車で家路を急いでいると携帯電話が鳴った。
浜松の彼からだった。
たわいのない話をしていると突然・・・彼が言った
「僕仕事辞めます・・・!」
何だかその瞬間、僕の中でもピンと張りつめていた糸が切れた気がした。
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彼から一通り辞めるに至った経緯やこれからについて話を聞くと、新しく挑戦したい事が見つかったと。
その話を聞いた瞬間、何かが吹っ切れた僕は、その3日後に会社を辞める決意をした。
彼にその事を伝えると、じゃあ次に逢うのはどちらかが「夢」を実現させた時にしようと
新たな道を進むべく、そんな「約束」を交わした気がする。
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そして2013年3月16日 ついにその日が訪れた。
5年以上逢っていなかったので、なんだか最初は少し照れ臭かったのと
本当に来たのかと・・・半分夢のようで、けど嬉しくて、実は涙が出そうだった。

今、彼は洋服とは全く関係の無い仕事に就き、相変わらず志高く目標へと歩いている。
しばらくこういった店では服も購入していないと言っていたが
店内に入ると、店の隅々まで当時と変わらずに洋服を見る彼はとても楽しそうで、
あれこれと試着し、うーん・・・と吟味する姿は、出逢った頃と全く変わっていない。
そんな様子を見ていると、昔2人で行った店や、買ったモノなどの記憶も蘇ってきてとてつもなく懐かしくなった。

『HPやBLOGを見れば、ある程度の事はなんとなく分かった気分になりますが
でも実際に足を運ぶのとは、お店の空気感や商品の見え方が全然違いますね。』
『何だか違う世界に入り込んだ様な・・・』そんな彼の言葉は何より嬉しかった。
目指して店に行く。ということの意義を僕自身ここで表現したかったから。

その夜は、嬉しさのあまりついつい熱く語ってしまい、もっと彼の話を聞くべきだったと
半分後悔もしつつ・・・自分が店を始めるまでにやってきたこと、店を始めてからの事
盛岡と言う街の事、ファッションのこと、これからのこと・・・色々と話した。
彼が、どう思ったかは分からないけれども、彼ならきっと僕の拙い言葉でも
何か感じ取ってくれるだろうという確信があったので色々語ってしまいました。
彼が今回来てくれた意味も、まだ今はゴールではなくて、この先に目指す場所やカタチがある
という事を知っていたので、自分の姿が何か小さなきっかけにでもなって欲しいという想いもこめて。。

ただ、今回の再会のおかげで、自分にも洋服を通じてまだまだやれる事、やりたい事も沢山ある、
そんな気持ちにさせてくれた彼には、感謝の想いと次は自分が逢いに行く!という
口実が出来たので、浜松に行って美味しいうなぎをご馳走になりたいと思います。笑
M君、待っていてください!!
そして、また懲りずに東北に遊びに来て下さい!!

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