4月4日


the last flower of the afternoon   紺青のsmock dress

color        indigo

price        32000+TAX

SIZE        F


3月初め、まだ雪が降ったり積もったり、冬のトンネルを抜けきらない頃に届いた何着かの洋服。
もう少し、あと少し暖かくなったら、美しい藍色の服が着たくてうずうずしてくる時が必ずやってくる。
その季節と気分がぴたっと合わさる頃を待ちわびて、大切に温めていた服をやっとここでご紹介。
今シーズンより新たに展開がはじまりました ″the last flower of the afternoon″
どこかで目には触れていたその服、雰囲気の良い生地と少し大胆でロマンティックなデザインで、
新しいけれど懐かしみも感じるとても美しい服だと、そんな印象を持っていました。
それはどこで見たのか忘れた頃に、一通の展示会の案内上が届きました。
あまり前情報を入れずに足を運んだ展示会で、初めてその記憶と一致したのと、会話をしていくうちに
判明した不思議なご縁。

″the last flower of the afternoon″は北海道を拠点に、お二人で全てのデザイン、パターン縫製まで
すべての製作を行っています。
毎シーズンリリースされるモデルは数型ありますが、ひとつのテイストやコンセプトに縛られる事無く、
『衣服に物語を。』をテーマに、その時々の想いや感情を表現した服を作っています。

2017S/S collection 「月映」


店頭には他にも様々ならんでいるのですが、自分達もまだ出逢ったばかりの服の事をどんなイメージで着ようか、
お客様にはどの様な言葉と着合わせで提案しようかを、楽しく悩ましく考えている今日この頃。少しずつゆっくりと
ご紹介していきますので、こちらをご覧の皆様にも知っていっていただけたらいいなと思っています。
先ずは、月に照らされた夜の海のような色鮮やかなインディゴ染めのガーゼ生地で仕立てたスモックドレスを。
前後どちらでも着用可能で、それぞれに表情があり語りかけてくるような一着です。
薄地でやわらかな素材にゆっくりと袖を通し、フロントに並ぶ紐を蝶々結びするか、はたまた垂らしておくかで
一瞬考えたり、きゅっと締まったカフスの釦にふと目を落とすとわぁ・・となって丁寧に留める。など。
自然とひとつひとつの動作に意識が集中している自分に気付かされます。
買ったばかりの服に初めて袖を通す瞬間の緊張と高揚感と、まだ自分との距離を感じつつ。

アンティークのスモックドレス、言わば汚れを防ぐ為の上っ張り、農民服を想わせるディテールに
可愛いさというよりも、着ているとより一層、ワークウェアとしての美しさを感じます。
スモッグ自体は洋服の上から更に着るものなのでゆったりとした肩の作りや袖の太さ、身頃の広さも、
結んでも結ばなくても良い紐も、当時それが当たり前であった機能的な服のイメージを再現しています。


この角度から見た、肩の部分の見映えと繊細な作り込みが素晴らしいと思います。

正面から見るとギャザーによって生まれる生地の膨らみや、シワ感がよりしっかりと伝わってきます。


ボリュームのある袖についたカフスはややキツ目の設定、そうすることでパフスリーブの様にふわっと膨らみが際立ちます。
それに加えての、このカフスボタン。
ぐっと雰囲気を一際盛り上げてくれるようなパーツ使いも見どころ。
星空の様な美しいボタンは、触れる度にうっとりするはずです。


光が当たると中がうっすらと透けるぐらい薄手の生地ですので、今時期はカットソーやタートルを合わせたり
少しインナーで温度調整が必要かもしれませんが、素肌に触れると気持ち良い素材がこれから先の季節に
重宝し、さらりとタンクトップやノースリーブワンピースとあわせて着ていただくと良いかと思います。


ブランドを強調する訳では無いですが、四隅を留めたタグのステッチがデザインの一部として
表現されています。


スタンドカラーと波の様に広がるギャザー。
こちらもどこか作業着的な佇まいで、スモックドレスとはまた違う甘さを漂わせつつ、きりっとした表情。
どこかで見た事がある様な、着始めは少し不思議な感覚を覚えます。
前後どちらも程良くクセがあって、きっとイメージ通りに着るまでには時間必要かもしれませんが、
だからこそ工夫して着る面白さがあり、自分の中にある新しい感覚や感性を呼び起こしてくれそうな
そんな雰囲気を感じてしまいます。


今回のコレクションではインディゴアイテムをメインに、春夏のちょっと畏まった席の装いとして着ていただける様な
滑らかで光沢のある生地を用いたブラウスや、ノースリーブワンピースなど・・・
また今までに無い風が吹く様な新鮮さもあり、ほんの少しずつ異なるテイストを組み合わせて、
お楽しみいただけるのではないかと思っています。
気になる方は、ぜひ店頭でじっくりとご覧くださいませ。

ー月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちていた。

それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけでもないが
 月に向ってそれは抛れず
 浪に向ってそれは抛れず
僕はそれを、袂に入れた。ー

月夜の浜辺より一部抜粋

月映え とは 月光に照らされて、一段と美しさがますこと。

brand HPより

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