奄美大島


金井工芸さんを出た後は、車をゆっくりと走らせながら宿へと向かいました。
南の方までぐるっと島を回ろうかとも思ったのですが、今回はあまり予定を詰め込まずに、
のんびりと時間を贅沢に使って、あえて何もせず感じるままに過ごすのもいいなと思いそんな旅に。
目の前に広がる海を見ながら、何もせず考えずにいる時間は、それだけで十分だなと思えます。
日常から離れた景色や匂い、音。自分達の身体と心を解放させるには最高の環境でした。


何処に住んでいようとも、時間の概念は皆同じで岩手に住んでいようと東京に住んでいようと奄美大島に住んでいても
同じ時間が与えられていると思うのですが、不思議なもので時間は、その土地の空気や住んでいる方の生き方によって
大きく変わるのではないかと思いました。
自分達が生活する盛岡も、時間の流れはゆっくりで穏やかに感じるのですが、その良さとはまた違った時間の流れを感じて、
むしろ時間を忘れて何とも心地良い感覚を得る事が出来ました。
離島ですが、閉鎖的な雰囲気などは全くと言って程感じず、自分達が見たのは奄美のほんの一部かもしれませんが
接する方は皆、親切であたたかく、そして、ご飯がどのお店に入っても美味しくて量が多いのも印象的でした。
良心的な価格でお腹一杯食べさせたい。そんなおもてなしの心を感じる島料理は、盛岡にも通ずるものがあります。
その土地の食を楽しむのも、旅の醍醐味の一つ。大満足でした。


宿の目の前がプライベートビーチの様な状態なので、チェックインして直ぐに、泥藍染をした洋服を海水ですすぎました。
奄美大島の自然の恵みを浸み込ませて。
僕は1人、ヤドカリに興奮してしまい自分の気配を極力消してヤドカリ探しに夢中になっていました。
とても綺麗な澄んだ海の色。足裏を優しく擽るきめ細やかな砂浜。
スタッフの方が、浜を裸足で歩いたり寝そべるだけでも浄化されますよ。と仰っていたので、すぐに試してみます。
大の字になって、波の音をただ聞いているだけでも心地が良く飽きませんし、そこにいるだけで五感が震える様で
神聖で特別な場所だと感じました。奄美大島のこの時期は梅雨入りしていたのですが、今年は空梅雨だそうで、
3日間共に天気にも恵まれたのも有難かったなと思います。


今回の旅、人との「ご縁」にも恵まれたのが僕らにとって嬉しくもあり、逢いたい人にも逢うべき人にも逢う事が出来たのは
単なる偶然だったのかもしれませんが、もしすると巡り巡って必然であった様にも感じています。
奄美大島は「結の島」とも呼ばれているというのも後から知りました。
もしかするとそういう言い伝えが「人」と「人」とを結び付けてくれたのかもしれません。
少し前にFUJITOデザイナーの藤戸さんが遠ければ遠い場所に行く程、得られる物が大きいと仰られていたのを思い出しました。
岩手から見ると奄美大島は、とても遠い所のように感じるのですが、誰かに逢いに行くという理由さえつけてしまえば
距離や時間はぐっと縮まると思います。
素晴らしい景色や人の温かみを感じられる場所なので、僕等もまた足を運んで知らない事を吸収して
これからのrasikuに、何かしらのカタチで反映出来ればと思います。

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