9月29日


SOWBOW     HIGH WAIST PANTS

color         INK BLACK

price         35000+tax 

SIZE          1    /    2    /    3


橋の上から中津川を覗く人の姿を見かけるようになり、盛岡の秋の風物詩の1つでもある溯上する鮭の
動向が急に気になり始めました。
秋ならではの光景を嬉しく思うと共に冬の訪れが近づいていると感じる景色でもあります。
昨日は店内の商品を秋冬物を中心に入れ替える作業を1日延々と繰り返していました。
温かなウール素材のモノが並ぶと、ぐっと冬の気配が漂うので不意にしんみりしてしまいそうになりますが
気持ちの良い気候はもう少し続くはずなので短い秋を楽しんでいきたいなと思います。
昨シーズンから展開をしている九州の物作りに特化させたブランド″SOWBOW”
マニアックな生地使いや複雑なパターン、染めの技術など、型数こそまだ多くはありませんが、だからこそ作るもの
一つ一つとの関わり方の密度が濃く、それが製品にしっかりと現れているなと、展示会で商品を見る度に
面白さや熱を感じさせてくれるブランドです。
新作でリリースされた″HIGH WAIST PANTS″は、福岡の展示会で見た際に一目惚れしました。
迫力のある佇まいと緻密に計算されたパターンと素材とが相まって、久しぶりにというと語弊があるかもしれませんが、
それくらい素晴らしい仕上がりのパンツに出逢う事が出来ました。


素材には福岡の伝統的な織り物の″久留米絣″を贅沢に使用。
じっくりと時間を掛けて織り上がられる生地は、程よく空気を纏っていて、それでいて張りとコシがあるので
触れた先から良さを実感出来る素材だと思います。素材が良いというのは、見た目の雰囲気にも明らかに違いが
出ると感じていて、ある程度時間をかけて穿き続けた後の生地の変化も含めて楽しみの多いパンツです。
シルエットに関しては、商品名にある通りハイウエスト気味に穿くとお尻周りとワタリはゆったりとしていて
膝から裾にかけて綺麗なテーパードシルエットになります。細身のパンツとは違う良さを感じて頂けるはずです。
腰などで落として穿いてしまうと、折角のシルエットの良さが半減されてしまうのでベルトなどで対応しながら
ウエストでしっかりと穿く事をお勧めします。
年齢を重ねるにつれて、お尻周りが窮屈なシルエットのパンツを段々と選ばなくなってきています。
長時間穿いているとストレスに感じてしまうのと、今の気分に合う服とのバランスがアンマッチになってきている
というのも理由かもしれません。そういった事も含めて選んだSOWBOWのパンツは、ゆとりを持たせる部分と
裾にかけての絶妙なラインが際どくなり過ぎず、かといってルーズにもならない、良い塩梅で作られているので
気楽な気持ちで穿く事が出来ます。


パンツの丈はやや短くすっきりで合わせて穿くのがお勧めです。
きつくテーパードしているので、裾にたるみや重さがない方がパンツ本来の良さを実感していただけます。
自分に合うウエストサイズも重要ですが、パンツ選びに関しては裾の長さや合わせ方も個性が出る部分だと思います。
洋服をただ着るよりも、細かいけれどちょっとした部分で良さは格段に広がりますし、当然逆も言えます。
裾の処理1つでも全く違う見え方にもなりますので、自分はどんなシルエットで穿きたいかをイメージして
パンツの裾を気にしてみていただけたら嬉しいです。


フロントは3つダーツを入れる事で、生地の膨らみを抑えて縦方向へのシルエットを作りだします。
2つのダーツは良く見かけますが、3つダーツを入れたパンツは僕自身も初めて目にしました。
フロントの仕様はZIP UPタイプで″WALDES”の爪ロック式のシルバーのジップを採用。
古着やヴィンテージウェアに精通するデザイナーらしく、控えめに洋服好きのポイントをしっかりと捉えています。


股下には可動域を大きく広げる為のディティール、ガゼットクロッチの様な仕様にしています。
目に見えにくい細部にまで作り込まれたパンツは、素材・パターン・デザインとが見事にマッチしたパンツに
仕上がっていると思います。生地が撚れたりボロボロになったとしても、古着で見かけるヨーロッパのワークパンツの様に
リペアしながらでも穿きつづけて欲しいくらいの雰囲気を持った″SOWBOW”ならではの1本に感じます。
サイズ1は女性の方にお勧めのサイズ感なので、是非お試し頂ければと思います。
モノとしての完成度の高さに納得して頂けるはずです。

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