古道具「日々」出張店の記録

先日4日間限定で開催した古道具のお店「日々」の出張店を終えてみて、はじめての取り組みや体験は
思考がぐらぐらと揺さぶられることが多いので、感じたことを書き残しておこうと思います。

rasikuの店内で使用している什器は、古い日本の家具やヨーロッパのアンティークの家具を中心に、
こんな什器がほしいなとイメージしていたものを、新たに作っていただき其々を混ぜ合わせながら並べています。
自分自身の感覚の中では古い物には古い物なりの良さがあり、新しい物には新しい物の良さがあって
どちらが良いというのはありません。古い物は年月が経って醸し出される雰囲気がある分、逆にそれが重たさにも
繋がってしまう事もあり、空間に対するバランスが重要だと思っています。
お店を始めた当初は什器の数も洋服も今程多くなく、出張に行った際や車で出掛けた時に少しずつ買い足しながら
5年くらいかけてようやくお店に必要な分が並べられる様になりました。

古い什器類をもっと気軽に相談をしながら、いつか盛岡でも選べる場所が出来たら良いなと思っていた所
道具屋さんの長沼さんご夫婦がコツコツと集めてきたものを別の場所で、古道具のお店としてオープンする。
という話を耳にして、とても嬉しく思ったものの中々店舗には伺うことが出来ず。
やっと今年になって見させてもらった日々で、ベルトを掛けるのに良いなと思った梯子を購入させてもらい
その場でトントンと話しが進んで、短い期間でしたがrasikuで古道具を販売をさせて頂くことになりました。
古道具に限らず洋服に関しても共通の事が言えるのですが、新品の洋服とヴィンテージやレギュラーと
言われる古着も全て同じ目線と価値観で物を見れるようになりたいと思っています。
他人の価値観や世の中の流れの中の価値観ではなく、自分自身の直感を信じて取り入れたり使ったりする事が
重要だと感じています。その中でも古い物に関しては新しい物と比べて同じものに出逢える確率が低くなりますし
日常の生活の中で着こなしたり使いこなしていくまでには、ある程度の失敗と経験値が必要ではないかと。
こうして古い物を空間に取り入れる事で、同じ商品を並べていてもいつも見ている景色とはまた違う空気が
流れている様に感じましたし、新しい感覚が芽生えたのは言うまでもありません。

自分だけの感性で刺激を得る事は、居場所を変えたりよっぽどの変化の中にいなければ限界がありますが
その人なりの目線で違う価値観を持っている方と一緒に空間を作り上げる事で、昨日まで見ていた景色が
がらりと変わることもあるんだなと改めて気づかされました。
話をしていると興味がある事、面白いと感じる事で交わる感覚があることが分かったり、長沼さんご夫妻は
県内外のイベント出店も多く経験していて、人の繋がりも広く、最近では海外へも足を運んでいたりするので
タイの話で盛り上がったり、とにかく仕事も含めて人生を楽しんでいる方だと思いました。
自分達も気になる場所へは実際に自分たちの足で歩いてその土地の空気や匂い、食べ物や人や景色に触れて
色々な価値観を直接肌で感じ、そこで得た経験を自分達でしか出来ない方法で表現が出来たら良いなと
ここ数年でより強く思えるようになりました。

今回の限定SHOPに関しても、古道具は機能性も勿論大切だと思いますが、それ以上に感覚的に惹かれる
部分も大きいでしょうし、その物が置かれる空間や置き方によって顔つきが変わる物もあると思います。
逆に洗練された空間に古い物を取り入れる事で空気を変えたりも出来るので、取り入れ方は無限の広がり
があるようにも感じます。
少しでも自分なりのイメージや想像力が湧いてくる、そんな機会になっていたらと思います。
実際に古道具が好きという方が、嬉しそうに物と向き合っている姿を見れたことや、日々さんを知ってて
中々タイミング合わず行けなかったという方が、この機会に古道具に触れて下さったり。
そういう場面が幾つかあったのが何よりも嬉しかったです。
僕らも4日間向き合った結果・・・下の写真の一番大きな什器を置いていっていただくことに。
元からあったようにお店の空間にぴったりはまっていて、洋服を置いた時により良い表情をしてくれたので
古い物はこれだからやめられないです(笑)
こうして近くで古道具や古家具が見れる事が何よりも嬉しいですし、メンテナンスの相談も気軽に乗って頂けるのも
安心して選べる理由になると思っています。

次回は日程はまだ決まっていませんが、テーマを決めてやるのも面白いねという話になっていますので
少し時間を空けて、古道具を展開する機会を作りたいと思います。
またワクワクするような楽しい事をお届けできるよう、自分達も日々を面白がっていきたいと思います。

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