1月21日


maku     PANGOLIN 

color      ストライプ

price      42000+tax 

SIZE      M (Special Length) SOLD


昨年10月末のこと。とても心待ちにしていたCALICOとmakuの展示会を見に鎌倉へと足を運びました。
この日、盛岡はとても冷えて朝の最低気温は2℃。鎌倉駅に着いて、歩いて海の近くの会場へと向かう途中
日差しはぐんぐんと強くなり恐らく20℃は軽く越えているだろうなという感覚。
朝は必要だった巻物と羽織は早々に脱いで、商店街から住宅地に入ったところで携帯のMAPが示す目的地は
もう目の前のはずが、それらしき場所が見当たらない・・・
ぐるぐる迷いアポイントの時間も迫っているし、あまりウロウロすると怪しまれるのではと思うと余計に汗が出る。
なんとか辿り着いた展示会場は、それはそれは雰囲気の良い古民家で、その中にCALICOとmakuの色鮮やかで美しい服が
小気味よく並び、入った瞬間にすーっと暑さがひいていったのを覚えています。

その場でオーダーしたものは、今季の春夏のお洋服になるのでご紹介はもう少し先になりそうですが
たまたま一番最初に目に留まったCALICOの代表 小林さんと、スタッフの方が着用していらした
makuの2019秋冬コレクションの服も惚れ惚れするほど素晴らしいものだったので、選びました。
素材はウールとコットン半々で織られた生地で、今からでも良いですし肌寒い春先まで着続けられます。
厚みはないのですが、薄手で軽くてしっとりしたあたたかみを感じられる生地です。


首元もフロントの釦も少しズレた位置にあり、アシンメトリーなデザインが光るゆったりとしたドレス。
makuの2019秋冬コレクションは、be hereと銘うった世界の絶滅危惧種がテーマになっているということで、
このドレスには”PANGOLIN”(日本ではセンザンコウと呼ばれる哺乳類)という名が付いています。
首裏の内側には、小さな怪獣のような動物の刺繍があって、それがはじめは何か分からなかったのですが
PANGOLINを調べてみて繋がりました。
シンプルながらも独創性を感じるデザインと、隅々には手仕事の技を惜しみなく注ぎ込んだmakuの一着。
細かく打ち込みのされた大きな釦や、密やかに配されたプリーツやギャザー。
そんな服に心が弾まない訳もなく、着る度に何か自分の中に発見があるかもしれません。


墨黒に薄っすらとブルーの天気雨のような繊細なストライプが、カジュアルさを適度に抑えます。
袖幅は程よくすっきりとしていて、肩幅や身幅には余裕を持たせすとんと落ちるので縦のラインが綺麗です。
裾にはサイドにスリットが入るので、足元の動きを楽にもしますし、ボトムの合わせも幅が出せます。
ワイドなパンツやキュロット、ギャザースカートの裾を重ねる様にして穿くのも良いでしょう。
今時期から着たいという方は、ニットやウールのパンツやタイツを合わせて靴はブーツ。などもお勧めです。


個人的に一番惹かれた後ろのデザイン。
セーラーカラーやコートのアンブレラヨークのようにも見えますが、きっとこのデザインのモチーフは
“PANGOLIN”の全身を覆っている松ぼっくりに似た角質の鱗なのではないかなと想像しています。
襟の形状はヒラヒラっと可愛い印象ですが、実際のPANGOLINの鱗は縁がとても鋭いみたいです。
そんなギャップを思うととてもユーモラスなデザイン。

左側の脇裏付近に小さく刻まれたブランドロゴ。
昨年より展開しているmakuとCALICOの服。
両ブランドは共に「インドの手仕事布の世界をつくる活動である」という思想のもと、インドの伝統的な
織りや縫い、染めの技法を磨くことで伝統を絶やさずに、職人の方々の暮らしを持続させることを念頭に
モノづくりを行っています。
まだまだ私達もそういった生産現場について知り学びたいと思っている段階ではあるのですが、先ずは
それぞれのブランドから届けられる素晴らしい服を、自分なりの捉え方で着て楽しんだり、感じたりしながら
お客様へ提案出来たらといいなと思っています。

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