冬休み NEPALの旅①


先週は少し遅い冬休みを頂き、2月4日から8日まで短い期間でしたが、ずっと気になっていた場所へ旅立ちました。
今回の旅の行先は「ネパール」その首都である「カトマンズ」を目指します。
rasikuでお店をオープンして2年目からお取り扱いをさせて頂いている「JUJUDHAU」の洋服や、2019年の秋冬に
初めて展開した「OLU」のカシミヤストールなど、素朴で温かみを感じるものがネパールという土地で作製されていて
その土地の空気を自分の肌で実際に感じてみたいというのが一番の目的。

ネパールと聞いて、場所であったりピンとくる方はそう多くはないと思うのですが、ヒマラヤ山脈が象徴するように
8000メートル級の山を8座有する国で、地理的な位置関係で言えば中国のチベット・インドの国境に接しているの事により
其々の国の文化が入り込んでいるのも、奥深さと面白さに繋がっているのかもしれません。
2015年のネパール地震で、首都のカトマンズを中心に大きな打撃を受けてしまい、レンガ積みの耐久性の無い建物は倒壊。
現在もその復興の真っただ中で、あちらこちらで倒れたままの建物を目にしました。
アジアの中では最貧国と位置付けられている国ですが、ただ単純な目に映る光景を見ればそう思う部分はあるのですが
現地に行く事で、インターネットで目にする情報以外の部分が必ずあるだろうという想いで現地に向かいました。

自宅を出発し一路仙台空港へ、仙台空港から関西空港へ行き国際便に乗り換え。
関西空港から直行便(ネパール航空)で、唯一の国際空港がある「トリプヴァン国際空港」へ。
ちなみに直行便は週2便出ていて、火曜日と土曜日に出発しています。
行きのフライト時間は約8時間。(ちなみに帰りは地球の自転の影響で6時間)
お昼過ぎに関西空港を出発し現地に夜の7時頃に到着(時差は3時間)
当たり前ですが、この飛行機には日本人は殆ど乗らないので周りの方はネパールの方ばかり。
この時点で、異国へ行く空気感が漂っていて気持ちがワクワクしてきます。
日本ではあまる馴染みの少ない特有のスパイスの香りがほのかにする機内も国際便ならでは。

ネパール航空では、カトマンズに着くまでに機内食が2回提供されました。
1回目はカレー(お肉と魚か選べました)にパン、デザートまで付いてかなりボリュームがあり、
2回目はおやつ!?みたいな感覚で温かいパイ包みの何かとガトーショコラと飲み物でした。
機内はスクリーンが一つ一つ座席についていて、映画も干渉可能(字幕は英語のみですが・・・)
持参した本を読んだり、映画を観ながら過ごしていました。


トリブヴァン空港に無事に到着して、先ずはVISAを取得し一通りの事務処理を済ませてネパールへ入国。
夜になっていたので、何もせずに初日はタクシーに乗りこんで直接ホテルへ行き就寝。
翌日はホテルの朝食を頂き、カトマンズ市内を高い位置から一望。古い建物が立ち並ぶ街だという事を認識。
身支度を済ませて市内を散策します。


あちらこちらにリードで繋がれていない放し飼いの犬がいて、気持ち良さそうに寝ています。
街を軽く一周歩いてから、今日一日のスケジュールを立てます。
1日目は買い付けをメインにするのではなく、寺院などを中心に巡る予定を立て出発。


1つ目に向かった先は、ヒマラヤ最古の仏教寺院とされているスワヤンブナート。
街の中心部から2キロくらいの場所に位置していて、通称「モンキーテンプル」と呼ばれる寺院。
寺院の中に野生の猿がおよそ3000匹もいて、あちらこちらで猿の喧嘩や小猿が気持ち良さそうに
寝そべっている姿を見る事が出来ます。
この寺院は小高い丘に作られているのでカトマンズを一望する事が可能。
とても良い天気だったのですが、車の排気ガスと建設ラッシュにより粉塵や土埃によって街全体にスモークが
掛かったように見えます。カトマンズの空気汚染は深刻で、世界の中でもワースト1位とされる指数が出ていて
様々な要素がある中、古い車が出す排気ガスは人体に多大な影響を及ぼすと指摘されています。
僕が高校生くらいの時に経験した(光化学スモッグ)を思い出しました。
発展途上国ならではだと思うのですが、ここ30年で急速に人口が膨らみ発達したカトマンズの街の景色を
自分の目で見ることが出来ました。


次に向かった場所は「パシュパティナート」と呼ばれる、ガンジス川の支流にあるネパールでは最大のヒンドゥー教の寺院。
インド・亜細亜大陸にある4台シヴァ寺院の1つでもあります。
ネパールは元々世界で唯一のヒンドゥー教を国教としていた背景があるのですが、2000年代に世俗国家に転換。
現在は主にヒンドゥー教か仏教を信仰していますが、多民族国家であることや地理的条件による影響もあって
様々な宗教や信仰が絡み合い、調和を保っています。
「人間よりも神々が多い国」といわれるのも、数日間の滞在でも感じられたほど。


パシュパティナートの本堂にはヒンドゥー教徒のみしか入る事は出来ませんが、ぐるっとその周りを歩くと
人間の生死は何度も生まれ変わってくるとされる「輪廻転生」を、対岸から見る事が出来ます。
川岸では日本で言う火葬場と沐浴場があり、この場で毎日火葬が行われ目の前に流れる「バグマティ川」へ遺灰を流す。
現地に行かなければ見る事の出来ない「死」対する考え方や感覚を感じ、異国へ来たからこそ目の前に広がる景色に
圧倒されてしまい、ここに立っているだけで自分自身の気持ちと感性が大きく揺さぶられました。
ネパールへ行く前に下調べで画像などでも見ていたのですが、パソコンの画面から飛び込んでくるだけの情報は
頭の中には刷り込まれるのですが、実際に足を運んでこの場所の空気感を感じるのは全くの別物。
遺体が焼かれて出る煙の匂い・川の緩やかな流れと灰色に濁った水の色・お経のような音。
修行をするサドゥー。物乞いをする人。のんびりと休憩したり遊んだりしている人。牛。犬。猿。
その場所に立っているこそ五感がフルに刺激されて今まで感じた事のない素晴らしい体験になりました。
ネパールの旅はまだまだ続きます。

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