冬休み NEPALの旅③


ネパール滞在最終日。この日の朝食は日本人の方が経営をしている喫茶店「CHIKUSA」さんへ
タメル地区ではお店の開店は早く、大体7時頃からOPENしている所が多くあって、旅行者にとっては嬉しい限り。
お洒落なオープンテラスのカフェから、チェーンのコーヒーショップなどなど選択肢も様々あって
朝からはしごしたいくらいでした。その中でもCHIKUSAはどこか懐かしさを感じるお店の佇まいと看板。
お店に立っていたのはネパールの方で、古い建物だったのですがとても清潔にしているのが良く分かりました。
モーニングを頂き、セットで着けたミルクティーがとても美味しくて、あっという間に飲み干してしまいました。
我慢出来ずにマサラティー(チャイ)を追加。こちらも負けず劣らず美味しかったです。
地元の方が朝仕事に行く前に、ここに立ち寄りコーヒーを1杯頼んで店主と談笑をしている姿をみていて
朝のなんとも穏やかな時間や景色はどこも共通しているのだなと、幸せな気持ちになりました。
お会計をする際に店主さんと思われる方に話しかけると、ちょっと照れ臭そうにしながら流暢な日本語での返答が。
CHIKUSAさんに限らずですがネパールでは日本語を話せる方が結構いて、母国語であるネパール語・英語・日本語と
3か国語ないし数か国語を自由に話せるって素晴らしいですし、店主さんは日本が好きで日本に行くために毎日
3時間お店を閉めて日本語を勉強しているとのことで、自分達も昨年の海外買い付けや海外のお客様がいらしたりと
少しずつでも英語の勉強を!と思っていましたが、恥ずかしくなってしまいました。
同じ人間同士、単語を組み合わせたりジェスチャーやスマートフォンを使えばコミュニケーションは取れるのですが、
言葉を交わして相手の気持ちを汲んだり、自分の考えを伝えられるようになると旅はもっと楽しいものになるなぁと
痛感した朝でした。


早起きの甲斐あって時間に余裕があったのでリクシャー(リキシャとも言ってた)に乗って移動することに。
大きな三輪車に二人掛けの座席がついた人力車のような乗り物で、荷物を運ぶようのものもありました。
最初はゆっくりとした出だしだったのですが、途中からベルを鳴らしながら市街地を想像以上のスピードで疾走。
人・犬・車・バイクがぎゅうぎゅうになりながらすれ違い、所々大きな凹みがあるにも関わらず気にする素振りも
みせずに疾走。誰も乗せてないリクシャーをどんどん追い抜いていきます。風も感じますが、とても怖い・・・。
ネパールの今時期の朝の気温は5度くらいなので、風が冷たくて暖かい服装をしていて大正解でした。
2月は乾季なので、朝は5度くらいで日中は20度くらいまで気温は上がり過ごし易く、昼間はシャツ1枚十分なくらい。
目的地である「ダルバール広場」は旧王宮があった場所で街のヘソと呼ばれ、露天の野菜売りやお肉屋さん
雑貨屋さんなど、タメルとはまた違った賑わいをみせる旧市街。
歩いても20分くらいで行ける距離だったのですが、リクシャーに乗れば5分くらいであっという間に到着。
待ち合わせの時間があったのでダルバール広場はちょこっと見ただけにして、来た道を今度は徒歩で帰ります。
ここは観光客もいますが、地元のバザールと言った雰囲気がプンプンでもう少しゆっくり見て回りたかった・・・。
リクシャーに乗るのも、地元の方が乗るのと観光客とでは価格の設定が全然違うので交渉が必須。
自分達ではある程度交渉をして安く乗ったつもりでしたが、後から調べるとそれでも高い値段設定でした・・・
こんな事も含めて異国ならでは旅の面白さかなと僕自身は思っています。


戻る道端には、野菜やら果物やら様々な食べ物が売られていました。
神子田の朝市的な雰囲気があって色々と買いたくなってしまいますが、ここはネパール。我慢我慢。


3日目は自分達の買い付けたい商品を探すため、街の中の小さな路地や気になるお店を1つ1つ探索。
たまたま現地で見つけた日本人のガイドさんに、僕たちの力では辿り着けないであろう知らないお店や
現地ならではの情報を聞きながら、広範囲で様々な場所へと連れて行って頂きました。
高級なお店が立ち並ぶエリア、地元の薬局、各国の大使館など、歩きながら説明をしてもらう事によって
何処の国も街も同じように、ある程度の棲み分けが出来ているのだと確認。

お昼ご飯は僕らのリクエストでローカルの食堂へ連れて行って貰い、チャパティとカレーのセットを。
値段がびっくりするくらい安いのですが味は絶品。お客さんも絶えずに出入りしていました。
僕らが旅に来て幾つか食事をしたお店の事を話すと、地元の方からするとそこは普段から行く店というよりは
特別な日や家族の集まりがあった時に行くという。自分達の感覚はまだまだ当たり前ですが旅行者の目線で、
本当の意味でのローカルを知る事が出来ました。
ガイドブックなどに掲載されるお店は、それなりの佇まいや価格設定であり、地元の人が足を運ぶお店は
そういった類の雑誌などには載らないという事。言われてみて凄く納得出来る部分がありました。
この後は地元のスーパーに連れて行って貰い、家庭でポピュラーに使うスパイスやお勧めのお菓子類などを大量購入。
英語表記もないものばかりなので、知っているものは良いのですが、見たことのない食材はガイドさんに確認。
スーパー巡りは旅の醍醐味の1つで、日本でも知らない土地に行って地元の方が利用しているであろうスーパーに
行くと、その土地で取れる食材や風土が少し理解出来てとても楽しいです。


ガイドさんが最後に御茶を飲んでお別れしましょうと連れて行ってくれた場所は
狭い路地のほんの一角でやっているお店。きっと通っても気付かないくらいこじんまりしています。
ここも地元の方がこよなく愛する「チャ」を出しているお店。
「チャ」はインドで言うチャイと同じなのですが、味はミルクティー。
実は自分達の宿泊をしているホテルの真後ろにあるお店だったのですが絶対に分からないし辿り着かなかったであろう。
お店の佇まいから見ても、ここで美味しいミルクティーが出されているなんて・・・
混んでいる時間だから、空くまで待とうという事でお店の前で待っていたのですが次から次へとお客さんが代わる代わる
入っているのに正直驚きました。
3人掛けのベンチがようやく空いて、そこで頂いたミルクティーは素朴だけれども味わい深く何杯でもおかわりが
したくなるくらいの素晴らしいお茶でした。

買い付けもなんとか無事に終わり、ホテルへ戻り日本から持ってきた大きなバッグに詰めて帰国の準備を進めます。
深夜2時出発の便なので、アラームをいつも以上に多く設定をして寝過ぎないように注意しながらホテルで過ごし
実質3日間と短い日程の旅だったのですが、充実具合と受けた刺激と濃度はそれ以上に感じました。

ネパールという国はアジアの中では最貧国と位置にランク付けられていて、道路の舗装状況や停電の多さなど
短い滞在でもインフラの整備は、まだまだ改善の余地があり過ぎるくらい未発展に感じました。
2008年まで絶対王政が続きカースト制度が根深く残っていて、そういう階級社会の一旦も街を歩いていると
見たりもしましたし、2015年に起きたネパール地震からの復興も正直まだまだ先になりそうだなという印象でした。
ですが、そこで暮らしている方のパワーやエネルギーに触れて、純粋に元気を貰って帰ってきたような気がしています。
知らない場所へ行くのは、ある程度の勇気がいる事ですし、それに費やす時間もお金も勿論必要。
頭の中で想像をしたり、インターネットの情報を集めたり、雑誌や本を読んだりして知る事も重要ではあるのですが
直接現地に行って、その土地の空気を吸って地の物を食べ、その国の言葉を聞いて、五感をフルに刺激する。
良いと思える経験もそうでない経験も、全てを含めてプラスの財産になり、今までとは違った角度で物事の想像力が
膨らんできたり会話が出来たり、何より今いる場所の良さに気付けたりもするのではないかと思っています。
冬休みを終えて、毎日こうして沢山の方が足を運んでくださり、僕達が良いと思って買い付けてきた商品を
手に取って頂けてとても嬉しい気持ちでいます。春物も各ブランドから入荷していますので、併せてご覧頂ければ幸いです。

冬休み NEPALの旅②


2日目は宿泊をしているタメル地区からタクシーで移動し、カトマンドゥの南に位置するパタンを目指します。
パタンに行く途中の車から見える景色は、建築ラッシュで砂埃が凄くインフラが全く整備されていないのもあり
道路のあちらこちらに凹みがあり、そのせいもあって車が大きく左右に揺れてパタンに着く頃にはグロッキー状態に。
これも旅の洗礼と思いながらも、目に飛び込んでくる1つ1つの景色はネパールの方にとっては当たり前の景色であり
最初は衝撃を受けていたのですが、徐々に慣れてきて楽しさと新鮮さへと心境の変化を感じる不思議な体験でした。


パタンはサンスクリット語で「ラリトプル」ネワール語で「イェラ」と呼ばれ、どちらも「美の都」の意。
かつてマッラ3王国があった時代に首都として栄えた古都パタンは、人口22万人程の大きすぎず小さすぎずの街で、
住民の8割が仏教徒という珍しい背景を持っています。
2度の大きな地震で被害を受けたにも関わらず、地元の方と海外の方が支援をして全てではないのですが
メインとなる建築物は復刻し、美しい姿を取り戻しつつあります。
いくつもの寺院が立ち並び、その繊細で職人技が際立つ建物の造りは圧巻。
ここで古くから暮らすネワール族は特に芸術に秀で、美に対する文化がしっかりと根付いている町では、
あちらこちらで彫刻や絵画など工芸品が見られました。
自分達が住んでいる盛岡に似た空気感を感じ、歩いているだけで心が落ち着く感覚がありました。


この日はパタン出身のガイドさんに同行してもらい、パタンの歴史やメインとなるダルバール広場にある
旧王宮の説明を受けながら一緒に歩きました。英語での説明だったので勿論全て理解出来たとは言えませんが
分からない単語も聞き返せば何度もゆっくりと意味を教えてくれて、次第に聞き取りもスムーズになってくるから
不思議です。ネパールの歴史と文化のほんの一端に触れる事が出来ました。
その中でも他とは比にならないくらいに場の空気が清々しかったのは旧王宮の内部。
王の力を示す場所や儀式も現在に至るまでしっかりと受け継がれていて、それ以外にも個人的に気になったのは
「水」を飲んだり浴びたりする場所と、あちらこちらに自然の木々が植えられていて自然の風が心地良く身体を
抜けていたのがとても印象的。チョークと言われる中庭を囲む建物の中は外とは全く違う気の流れがあり、
昔から特別な建物であり空間であったことを肌で感じられたのが素晴らしい体験になりました。


市街地を歩き回り、途中多くの女性やカップルが集まってお祈りしている中に混ざって参加してみたり
お祈りの仕方や意味など、ここでしか味わう事の出来ない事を堪能しました。
ここでは至る場所に様々な神様が祀られ、頻繁にお祭りもあり日常的に神様への祈りの時間を設けている。
それはすごく特別な景色の様にも感じましたが、ふと考えると自分達も近くの神社で月参りをしたり、
何かあればお礼を伝えにいったりもするので、一緒なんだろうなと感じる部分もありました。


お昼はネパールでは最もポピュラーな料理とも言える存在のダルバートを。
ダルバートはネパールでいう所の「定食」を意味し、野菜をメインにしたヘルシー且つスパイスを多く使った料理。
豆のスープ「ダル」、漬物「アツァール」、肉と野菜を煮込んだ「タルカリ」など、お皿に乗っているおかずを
お米と混ぜ合わせながら食べていき、最後に豆のスープ「ダル」や副菜など全ての具材を混ぜ合わせる事によって
口の中で複雑なハーモニーが奏でられます。
もう一品は何処か見たことのあるような、餃子の様な井出達をした料理「モモ」
チベットで食べられていた料理なのだそうですが、国境がチベットに面している国なのでネパールでもポピュラーです。
食べ方が「蒸し」「焼き」「揚げ」の3つから選択が出来、具材も「水牛」「鳥」「野菜」と3つの中から選びます。
真ん中に付いているピリ辛のソースに付けて頂きます。
ガイドさんにお勧めして頂いたお店だけあり、どちらもボリューム・味共に間違いありませんでした。


一通り寺院を見て、その後小さなお店を巡って仕入れ出来そうなものを探したりして時間はあっという間。
再びタメルへと戻るためにタクシードライバーへ連絡すると、今日はお祭りがあって人の列とぶつかって
降ろした場所に行けないというので、別の場所で待ち合わせをしました。
ガイドさんに聞くと今日は一年に一度、この日だけに行われる大事なビジネスの神様のお祭り。との事で
「商売繁盛」的なことかなと思い、自分達もこの短い時間の中で良い出会いがありますようにと心で願いつつ
フェスティバルならではの音楽と、色鮮やかな民族衣装に身を包んだ女性の長い長い行列とすれ違いながら
パタンの町を後にしました。
(この場所でも幾つか良い物を選んできましたので、ぜひ店頭で)


夜ご飯は地元の方にも観光客にも大人気のお店「THAKALI BHANCHHA」さんへ。
タカリはネパールの民族、タカリ族のこと、バンチャは台所という意味だそうで、
タカリ族はお料理が上手な民族として有名で、ご飯屋さんで「タカリ」と付くところは間違いないよ。と
翌日アテンドしてくださった方から教えていただきました。こちらも本当に美味しいお店でした!
ネパールビールで乾杯をして、お昼に続いて「ダルバート」と「モモ」、更に麺料理の「トゥクパ」を注文。
ネパールのビールは日本のビールを更に飲みやすくしたようなイメージでとても美味。
情報がいっぱい詰め込まれ過ぎた頭の中と身体の疲れを癒してくれるのは、やはり「食事」
地元の「食」をお腹いっぱい食べる事で、何もかもが充電されて、また頑張ろうという気が底から湧いてくる。
日本人に合う料理だと思いましたし、口の中で合わせて複雑な味わいを楽しむ。
明日はネパール滞在の最終日。良いものが仕入れ出来るように頑張ろう!!

冬休み NEPALの旅①


先週は少し遅い冬休みを頂き、2月4日から8日まで短い期間でしたが、ずっと気になっていた場所へ旅立ちました。
今回の旅の行先は「ネパール」その首都である「カトマンズ」を目指します。
rasikuでお店をオープンして2年目からお取り扱いをさせて頂いている「JUJUDHAU」の洋服や、2019年の秋冬に
初めて展開した「OLU」のカシミヤストールなど、素朴で温かみを感じるものがネパールという土地で作製されていて
その土地の空気を自分の肌で実際に感じてみたいというのが一番の目的。

ネパールと聞いて、場所であったりピンとくる方はそう多くはないと思うのですが、ヒマラヤ山脈が象徴するように
8000メートル級の山を8座有する国で、地理的な位置関係で言えば中国のチベット・インドの国境に接しているの事により
其々の国の文化が入り込んでいるのも、奥深さと面白さに繋がっているのかもしれません。
2015年のネパール地震で、首都のカトマンズを中心に大きな打撃を受けてしまい、レンガ積みの耐久性の無い建物は倒壊。
現在もその復興の真っただ中で、あちらこちらで倒れたままの建物を目にしました。
アジアの中では最貧国と位置付けられている国ですが、ただ単純な目に映る光景を見ればそう思う部分はあるのですが
現地に行く事で、インターネットで目にする情報以外の部分が必ずあるだろうという想いで現地に向かいました。

自宅を出発し一路仙台空港へ、仙台空港から関西空港へ行き国際便に乗り換え。
関西空港から直行便(ネパール航空)で、唯一の国際空港がある「トリプヴァン国際空港」へ。
ちなみに直行便は週2便出ていて、火曜日と土曜日に出発しています。
行きのフライト時間は約8時間。(ちなみに帰りは地球の自転の影響で6時間)
お昼過ぎに関西空港を出発し現地に夜の7時頃に到着(時差は3時間)
当たり前ですが、この飛行機には日本人は殆ど乗らないので周りの方はネパールの方ばかり。
この時点で、異国へ行く空気感が漂っていて気持ちがワクワクしてきます。
日本ではあまる馴染みの少ない特有のスパイスの香りがほのかにする機内も国際便ならでは。

ネパール航空では、カトマンズに着くまでに機内食が2回提供されました。
1回目はカレー(お肉と魚か選べました)にパン、デザートまで付いてかなりボリュームがあり、
2回目はおやつ!?みたいな感覚で温かいパイ包みの何かとガトーショコラと飲み物でした。
機内はスクリーンが一つ一つ座席についていて、映画も干渉可能(字幕は英語のみですが・・・)
持参した本を読んだり、映画を観ながら過ごしていました。


トリブヴァン空港に無事に到着して、先ずはVISAを取得し一通りの事務処理を済ませてネパールへ入国。
夜になっていたので、何もせずに初日はタクシーに乗りこんで直接ホテルへ行き就寝。
翌日はホテルの朝食を頂き、カトマンズ市内を高い位置から一望。古い建物が立ち並ぶ街だという事を認識。
身支度を済ませて市内を散策します。


あちらこちらにリードで繋がれていない放し飼いの犬がいて、気持ち良さそうに寝ています。
街を軽く一周歩いてから、今日一日のスケジュールを立てます。
1日目は買い付けをメインにするのではなく、寺院などを中心に巡る予定を立て出発。


1つ目に向かった先は、ヒマラヤ最古の仏教寺院とされているスワヤンブナート。
街の中心部から2キロくらいの場所に位置していて、通称「モンキーテンプル」と呼ばれる寺院。
寺院の中に野生の猿がおよそ3000匹もいて、あちらこちらで猿の喧嘩や小猿が気持ち良さそうに
寝そべっている姿を見る事が出来ます。
この寺院は小高い丘に作られているのでカトマンズを一望する事が可能。
とても良い天気だったのですが、車の排気ガスと建設ラッシュにより粉塵や土埃によって街全体にスモークが
掛かったように見えます。カトマンズの空気汚染は深刻で、世界の中でもワースト1位とされる指数が出ていて
様々な要素がある中、古い車が出す排気ガスは人体に多大な影響を及ぼすと指摘されています。
僕が高校生くらいの時に経験した(光化学スモッグ)を思い出しました。
発展途上国ならではだと思うのですが、ここ30年で急速に人口が膨らみ発達したカトマンズの街の景色を
自分の目で見ることが出来ました。


次に向かった場所は「パシュパティナート」と呼ばれる、ガンジス川の支流にあるネパールでは最大のヒンドゥー教の寺院。
インド・亜細亜大陸にある4台シヴァ寺院の1つでもあります。
ネパールは元々世界で唯一のヒンドゥー教を国教としていた背景があるのですが、2000年代に世俗国家に転換。
現在は主にヒンドゥー教か仏教を信仰していますが、多民族国家であることや地理的条件による影響もあって
様々な宗教や信仰が絡み合い、調和を保っています。
「人間よりも神々が多い国」といわれるのも、数日間の滞在でも感じられたほど。


パシュパティナートの本堂にはヒンドゥー教徒のみしか入る事は出来ませんが、ぐるっとその周りを歩くと
人間の生死は何度も生まれ変わってくるとされる「輪廻転生」を、対岸から見る事が出来ます。
川岸では日本で言う火葬場と沐浴場があり、この場で毎日火葬が行われ目の前に流れる「バグマティ川」へ遺灰を流す。
現地に行かなければ見る事の出来ない「死」対する考え方や感覚を感じ、異国へ来たからこそ目の前に広がる景色に
圧倒されてしまい、ここに立っているだけで自分自身の気持ちと感性が大きく揺さぶられました。
ネパールへ行く前に下調べで画像などでも見ていたのですが、パソコンの画面から飛び込んでくるだけの情報は
頭の中には刷り込まれるのですが、実際に足を運んでこの場所の空気感を感じるのは全くの別物。
遺体が焼かれて出る煙の匂い・川の緩やかな流れと灰色に濁った水の色・お経のような音。
修行をするサドゥー。物乞いをする人。のんびりと休憩したり遊んだりしている人。牛。犬。猿。
その場所に立っているこそ五感がフルに刺激されて今まで感じた事のない素晴らしい体験になりました。
ネパールの旅はまだまだ続きます。

旅の記録 九州(熊本→宮崎→福岡)③


九州の旅もあっという間に3日目に突入しました。
今日は福岡県八女市に工場を構える「下川織物」さんと「宮田織物」さんの2つの工場を見学しに行きます。
1軒目の下川織物さんは1948年に創業し現在3代目の社長に受け継がれて70年以上もの間「久留米絣」の
生地を生産し続けています。オリジナルの商品も展開しつつ、現在は国内に限らず海外にも積極的に久留米絣の
技術や伝統、素晴らしさを伝える活動を地道にし続けています。
下川織物さんの生地を使用したSOWBOWの服を、自分達も店頭で販売していることもあって、生地生産の現場を
実際に見るのは初めてのことだったので、非常に嬉しくもあり感動してしまいました。


久留米絣を説明するのはとても難しいのですが、パターンを作製してそれに合わせて色を出す部分と残す部分とを
決めてから糸を結んで染色をしていきます。解いて染色がされていない部分が柄になる箇所で、平織の機械で
織り上げる事によって様々な柄が生地に現れるようにな仕組みになっています。
奄美大島に行った際に見学した大島紬にも似た感覚があって、元々は着物を作製する際に作られていた背景があります。
染めた糸を干して、解いて、機会に1本1本通して織り上げると想像すると、とても緻密で手間暇の掛かる作業と言うことが
干されている糸を見るだけでも十分過ぎるくらいに伝わってきました。


工場の中に入ると「カシャン、カシャン」という古い織機の子気味の良い音が鳴り続けています。
古い織機を使う事でゆっくりとじっくりと織られる為に1本1本の糸に負荷が掛かり難く、低速で非効率的ではありますが
出来上がった生地に沢山の空気を含んでいるので、強くてふっくらとした生地に仕上がります。
様々な柄が織りあがるのを見ているだけでも楽しめますし、生地の生産現場をこうして目の当たりにすると
ここから更に人の手が幾つも加えられて洋服になりお店に並んでいるんだと思うと改めて凄い事だと感じました。
洋服を扱う以上は商業的な部分も大切ですし、売れなければ続けていくのが難しいのは分かっているつもりだったのですが
改めて深く掘り下げた現場を見る事によって、自分達の存在意義であったり価値観を見直す良いきっかけになりました。
3代目のお父さん(2代目)がシャトルの微調整をやっている姿は格好良かったなぁ。
年齢に関係なく健やかに働き続けられる事は、自分達も含めて見習うべき姿だと思ってしまいました。


下川織物さんは久留米絣という伝統工芸織物を代々作り続ける職人として、良いものを作る事だけに止まらず
出来る限りオープンマインドで情報を発信し、絣を通して海を越えた交流が生まれる物作りに名前をつけて
“Glocal(Global+local) txtile communication”をしたいと仰っていました。
それが結果として職人の減少に歯止めを掛け技術の継承になり、地場産業ならではの高品質で他にはない
生地を世界各国のアーティストや起業家の方に提供し続ける事に繋がると考えられていて、工場見学や
SNSなどの情報発信も積極的に取り組んでいて、お話ししていてとてもパワフルで前向きな考え方や姿勢は
小さなお店を続ける自分達にとっても、一つのビジネスモデルとして色んなことを考える時間となりました。
お仕事とはまた別の野望についてもお聞きしたり。ぜひその目標も叶いますように!!
ふと目に留まった下川織物3個条・・・こちらは2代目の言葉とのこと。許可を頂き写真に納めました。
生地のストックも圧巻で、好きな柄や色の良い生地が沢山ありました・・・ぼんやりとですがこの先
何か出来たら良いなと勝手に妄想を膨らませながら下川織物さんを後にしました。

続いて訪れたのは創業が1913年と一世紀を優にを超えた「宮田織物」さん。
会社の規模としては先ほどの「下川織物」さんより大きな織物屋さんで、半纏・作務衣・仁平などを中心に
全て自社工場で生地の作製から縫製まで出来るシステムで、オリジナルの製品を開発し卸・販売をしています。

丁度半纏の綿入れ作業中でした。
二人で息を合わせてひっくり返して均一に中綿を入れていく作業は、簡単そうに見えて人の手をかえさなければ
出来ない工程の1つ。職人技と言って良いほどに素早く綺麗に綿が入っていく光景と楽しそうにやっている姿は
見ていて何だか微笑ましかったです。


宮田織物さんは幅広の生地を織る事が出来る織機を所有しており、その中でも高速に織り上げられる織機と
ゆっくりと時間をかけて織り上げる織機を使い分けながら久留米絣に良く見られるような伝統的な柄物から
斬新且つ今の時代にマッチする生地まで柔軟に対応をしながらオリジナリティを追求しているように感じました。
ここでは営業の平野さんに織機1つ1つの特徴やアパレル業界の秘話まで幅広くお話をお伺いする事が出来ました。
自分の知らない事ばかりで、生地についてより詳しく知るきっかけになったのは言うまでもありません。
何となく知っている様で説明していた事などが、実際にこうして目の前で見れた事で今後の接客にも活かせる事が
沢山あって「百聞は一見に如かず」ではないですが、自分自身にとって素晴らしい体験になりました。
特色の違う織物工場を2カ所見たので、あまりの情報量の多さに頭の中がもうパンパンでした・・・(笑)
吉村さんからまだ見せたい所があるとの事で・・・少し休んでから次の場所へと移動をします。


車で15分くらい走らせて同じく八女市にある「うなぎの寝床」さんに向かいました。
九州の筑後地区のアンテナショップとして同市に2店舗を構える衣・食・住のセレクトショップ。
僕らのような個人の小さなお店よりも規模もスケールも大きいですし、だからこそ出来る事があると感じました。
接客をしているのを聞いていると外国人の観光客の方や福岡を中心とした九州の方が訪れていました。
元々は個人商店が幾つも点在した地域に、少しでも活気を戻そうとする動きや光景は産業構造においても大切ですし
大きな力と小さな力のどちらが欠けても街の面白さには繋がらないので、自分達も本当に小さな力だけになってしまうかも
しれませんが、その一旦を少しだけ担っている事を実感しました。


更にもう1つお見せしたい場所がありますと・・・吉村さんのガイドはみっちりと最後まで九州を堪能させてくれます。
同じ福岡県でも今度は北九州方面にある豊前市にお店を構える「1113」さん。
車に乗り込んでカーナビをセットするとなんとここから130キロ以上も離れた場所・・・高速道路をひたすらに北上し
更に東へ進路を変えて進んで2時間15分に到着するとの事。
土地勘が全くなかったので、もう少し近場にあると予想していたのですが・・・
以前に一度メーカーさんがいらした際に福岡に良いお店があるとは聞いていて、そこが1113さんだったのですが
もうこのチャンスを逃したら、なかなかもう行く機会はないと思っていたので15時過ぎに八女市を出発。
到着したのは17時15分過ぎくらいだったと思います。太陽も随分と傾き始めてきた頃にようやく到着。
福岡県豊前市(ぶぜんと読みます)は人口2万6千人の小さな市で、自宅の倉庫を改装して飲食のスペースと
洋服と雑貨を扱うセレクトショップがありました。
空間の使い方がとても上手で、天井が高く、自宅の畑で栽培している捕れたて野菜から洋服まで幅広いラインナップですが
1つ1つの什器の置き方やディスプレイまで独自の審美眼とセンスで居心地の良い空間でした。
其々に違う場所で、その土地に見合ったやり方でお店を運営されている方を見ると、様々な可能性が広がりますし
新しい生き方を考えたりするきっかけにもなります。また自分の中での新しい価値観に触れるお店に出逢えました。
お店を出る頃には辺りはもう真っ暗に。旅の最終目的地の福岡市内へ向かいます。


福岡と言えば屋台!!という事で、何度か訪れた事のある土地だったにも関わらず屋台での食事は行った事がなく
折角なので屋台で夜ご飯にしましょうと言われて訪れたのが天ぷらのお店「玄海」
8席で満員になるのですが、行った時には既に満席で外で待つこと20分。
席に座ると綺麗に下処理をされたお肉や海老、野菜がカウンターに並べられています。
お任せ(8品)を頼んで僕らはビールで乾杯。ご夫婦二人で切り盛りされていて目の前で天ぷらを1つ1つ丁寧に揚げて
お皿に入れてくれます。どれもこれも絶品。言葉を失いました・・・白いご飯を追加して3人で黙々と食べ続けました。
あまりの美味しさにお腹もいっぱいだったのですが追加で海老とシイタケを頼んで心も身体も大満足。
最後の最後まで、また行こうと思えるお店に出逢う事が出来ました。

こうして3泊4日の九州の旅は僕らにとってかけがえのない出逢いと時間になりました。
事前に下調べをして3日間ぎっちりとガイドをして下さった吉村さんには感謝の気持ちしかありません。
そうでもしなければ、今回のように素晴らしいと思えるお店や人に出逢う事は出来ませんでしたし
知らない土地に行って肌で感じる文化や風土・方言などに触れることは五感をフルに刺激してくれます。
良い意味で毎日当たり前に過ぎ去っていく現実を少しだけ忘れる時間にもなります。
そういった時間は、また自分の暮らす土地について思いを寄せたり、考えるきっかけを与えてくれますし
自分の居場所や、足を運んで下さる方により心地良い場を作るための創造力を広げてくれます。
北東北に住んでいると馴染みがそう多くはない九州。距離では遠いと思ってしまうかもしれませんが
運よく花巻空港から福岡空港まで直行便が出ているので想像よりもアクセスがし易く、着いてしまえば人も気候も
暖かい土地ですので、興味を持ってくださる方が一人でも居て足を運ぶきっかけになってくれたら良いなと思っています。
実際に僕らが行く前の週に一人で熊本を満喫した強者も居ますしね・・・・(笑)
洋服という1つのツールを通して、人と人とが行き来しあったり共感出来たり、そんなお店になっていけたら良いなと
改めて思う旅になりました。僕らの言葉で感じたことやお勧めの場所などをお伝えする事は出来ますので
そんな事も小さなお店があり続ける意味ではないかなと思っています。これからも僕らの旅は続いていきます。

旅の記録 九州(熊本→宮崎→福岡)②


熊本市内に宿をとりました。少しだけ早起きして、ぶらりと散歩。
泊まったホテルのすぐ近くを川が流れていました。どんよりとした曇り空でしたが、なんとか持ちそうな気配。
数時間前に分かれた様な気もする、吉村さんと8時半に待ち合わせ。
本日の予定は今回の旅の大きな目的でもある、伺ってみたいとずっと思っていた場所へと向かいます。
その場所は熊本から車で更に南下し高速道路を使って約2時間15分の場所にある宮﨑県の都城市。
どんな場所なのか想像を膨らませつつ、その前に大事な腹ごしらえ。


「べんとうのヒライ」は熊本県を中心に、朝早くから手作りのお弁当やお惣菜を提供しているチェーン店。
店内でおうどんと、熊本県民のソールフード「ちくわの中心にポテサラを入れて揚げた天ぷら」を頂きました。
見た目にもかなりのボリューム。テンションが高かった為か、朝から揚げ物を食べる事は殆どないのですが
まさかのちくわおかわり・・・!ですが朝から高カロリーの油を摂取しすぎて、その後の2時間のドライブは
いつ何が起きてもおかしくない状況に陥ってしまいました・・・(笑)
平然を装っていましたが、旅による気持ちの高ぶりによる暴飲と暴食には気を付けなければと改めて思うのでした。


僕自身が一目惚れをして購入したTEMBEAのバゲットトートとSOWBOWの代名詞とも言えるイタリアンカラーのシャツ。
どちらにも共通している点が、今回お伺いをさせて頂いた”AULICO”さんが製品を染めている事でした。
TEMBEAのINDIGOのBAGUETTE TOTEは、千駄ヶ谷の本店に足を運んだ際にたまたま見つけて購入したのですが、
不定期に入る商品なので今思うと偶然の様で必然だったのかもしれません。
SOWBOWのシャツは太宰府天満宮で行われていたTHOUGHTという合同展示会で見つけ声をかけたのがきっかけ。
2つの製品は今の自分のワードローブには欠かすことの出来ない存在ですし、藍染や草木染などの所謂”天然染め”や
自分達が体験した染色のイメージとは少し違った感覚というか凛とした佇まいだと感じたことを覚えています。


AULICOの平原さんはご自身で染色や製品の洗いの作業をしながら、AULICOの店舗も運営されています。
TEMBEAをお店で扱うようになりAULICOさんのことを知り、何年か前に一度少しだけお話した事はあったのですが、
それから時間も経っていたので、改めてご挨拶をと思ったら、前にお客様のバッグを染め直しして頂いたことを
覚えていてくださいました!
どうぞどうぞと迎えてくださった平原さんに緊張は和らいだものの、店舗を見渡せば興奮は最高潮に。。。
都城へ向かう道中に吉村さんからもお話は聞いていたのですが、自分の想像を遥かに超えた場所と空間の作り方に
最初はあっけにとられてしまい言葉が出てきませんでした。
こんなにも痺れるお店に対面するのは、今までも数える程しかなかったと思います。
久しぶりにここは足を運んで実際に目で見て肌で感じない限りは、どんなに言葉で伝えても説明し足りないのと
見聞きするより絶対に行った方が興奮するので機会があれば足を運んで頂きたいと思います。なので写真も最小限で。
今までの経験では図り知ることの出来ない大胆さと繊細さを併せ持った特別な場所でした。
お店は何処でやるかも重要な事ですが、そこで何をするかが最も大切な事で、自分が好きで表現したい事を真摯に
本気で伝えようとする姿勢が人の心を動かすのだということを改めて教えてもらいました。


一緒にご飯でも行きましょう。とお誘いを頂いて毎週水曜日だけオープンしているというカレー屋さんへ。
市民センター?のような建物の前に突如現れたテントのお店がそのカレー屋さんとのことで再び度肝を抜かれる。
本格的なネパールカレーでお野菜とスパイスのみで作られたカレーは本当に美味しかった・・・
おかわりで辛いスパイス!?で漬けた何かをトッピングして頂き、それはまた違った味わいで素晴らしかったです。
雨の日は営業していないとの事でしたので、本当にラッキーが重なったランチになりました。


お昼を食べた後に市立図書館内にあるコーヒーまでご馳走になり、事務所兼工房を案内してくださいました。
お店からは恐らく車で10分もしない閑静な住宅街に工房はありました。
ぽつんと佇んだ青色のイスがとてもチャーミング。
工房の中で平原さんが施している染色方法や、洗いの工程に関しての違いなどを目の前で1つ1つ確認をしながら
時折実戦をして違いを比べてみたり。僕らのレベルでは分かるか分からないか位の繊細な違いの説明を受けながら
あっという間に時間は流れていきました。自分が今まで聞いてきた内容や想像をしていた事とはもしかすると捉え方が
違っていたのかもしれない・・・というお話が沢山ありました。こうして実際にお逢いして直接お話を聞く機会を
頂けたことにより、100%を説明するのは難しいですが自分の言葉で製品に対する意図や想いは今よりも深く客観的に
お伝え出来るのではないかと・・・
何が正解で何が間違いでという事ではなく、平原さんのやっている染色という作業はモノを作る上で小さな点で
しかないという事。素材の持っている力をより引き出すための創意工夫として、気持ち良く使って頂ける状態に
することを念頭に日々取り組んだ結果、商業的で効率を重視する考え方とは全く切り離されたやり方と方法に
いきついたという事を知れただたけでも、この場所に足を運んだ甲斐があったと言えると思いました。


最後は西都城駅周辺を散歩でもしましょうと声を掛けて貰い、街の情報を聞きながら4人でたわいもない話をしながら
川沿いをゆっくりと歩きました。小さな古い銭湯が近くにあったり、古い町並みがしっかりと残っていて
特に何もしていないのですが、そこに居るだけで心地良く感じられて好きな街と場所の1つになっていました。
次回は電車を乗り継いでお伺いしてみたいなと思いました。


夕方頃になり平原さんに別れを告げて都城市を後にして、今日の夜ご飯を食べに一路熊本へ。
熊本県の南部に位置する人吉温泉の近くにある鰻専門店「うえむら」
実は昔からうなぎがあまり得意な方でなかったのですが、吉村さんが絶対に美味しいからとお勧めして頂いたお店の1つ。
お腹が減っていたのも確かですが、今までの鰻のイメージがひっくり返るくらい美味しいうな重を食べる事が出来ました。
こんなに美味しい食事に辿り着くことができるのも旅ならでは。
心も身体も満足し熊本市内へ戻ります。
旅はまだ続きます。

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