11月13日


trippen    EXIT

color      BLK-BK   

price      63000+tax 

SIZE      35   /   36   /   37   /   38   /   39


夜中うとうとしている頃に聞こえた、遠くから段々近づいてくる白鳥の声と、氷点下で目覚める朝。
ストーブを付けてから、もう一度布団にもぐりこむのも、冬のはじまり。
きりっと冷えたこの機会に、今季はこれだ!と迷いなくオーダーしたTRIPPENをご紹介致します。
秋冬はサイドゴアの″CHELSEA″やサイドZIPの″DEER″、ロングブーツの″TOWER″などセレクトしてきました。
雪が降る土地なのでブーツは必ず展開したいなと思い、先の季節を想いつつ伺った展示会で出逢ったのは、
新型としてリリースされた ″EXIT″ というモデルでした。
カジュアルでユニセックスな見た目のミドルカットブーツは、内側甲の部分とインソールにムートンが
使用されています。見た目がそれっぽくないところがとても良いなと思うのですが、足を入れた瞬間の
気持ち良さと温もりは、穿いてしまったらもう脱げなくなるのではという気持ちにすらなりそうです。。。
TRIPPENのモデルの中に幾つかある、「ついこればかり穿いてしまって困る」シリーズに確実に
仲間入りするだろうと思います。


靴本体の素材は植物タンニン鞣しのカーフレザー。履き始めから柔らかく足の馴染も早い革なので
足のお悩みがある方にも痛みがそこまで出なかったり、穿いて下さる事が多い素材です。
ワックスコーティングを施した後、タンブル加工といってよく揉んでシボを出すことで柔らかくなり
革の雰囲気がより艶やかで美しく、そして凛々しくなります。
中のムートンが初めはしっかり立っているので、通常のサイズで選んでも中がぎゅっと詰まっている
感覚になるのですが、穿いているうちに段々と毛が寝てくるのでその感覚も薄れると思います。
足の外側にループになった持ち手は履くときに掴んで足を入れると穿きやすく、それだけではなく
デザインとしての一面も持ち合わせています。
ループからラインは続き足の甲を通って、ゆるやかに内側へとカーブを描きます。
穿き口のデザインもそうですが、シンプルな中に曲線美が際立ち、足を揃えて正面から見た時や
横からの角度の足と靴の境目の魅せ方などは、TRIPPENの巧みなデザイン力ならではだと思います。

取り外し可能な、コルクのインソール。
ムートン仕様のこのインソールも、コルクが沈んでしまったり、欠けたりボロボロになったりした場合は
新しいものに交換可能です。(別途料金かかります。)

そして今回も、ソールに関しては別のソールだったのを″TRIPPEN SOLE″でオーダーしました。
この凸凹であっても滑る可能性が無くなる訳では無いのですが、やはり雪道・凍った道を歩くのに
少しでもグリップの効くソールであったほうが良いなと思うのと、他のソールと比べても重心が
しっかり真ん中にある感覚があり、歩く時の安定感が違うような気がするのです。
歩行をサポートするという事に於いても優れた機能を備えた靴だからこそ、私達がTRIPPENを
長く履き続けたいと思う理由でもありますし、歩く事が楽しくなるとその靴を履いて出掛ける事や
靴に合わせて洋服を選ぶ事まで楽しくなったりするのではないかなとも思うのです。


ふわふわの感触は足を入れただけで気分が幸せになりますね。
ミドルブーツはスカートやキュロットでタイツと合わせると、柔らかさにちょっとスパイスが効いて
甘くなり過ぎないのが良いです。履いてみると、思っていたよりボリュームも出ず見た目もすっきり。
パンツスタイルが多い方は、やや太めのボトムと合わせて裾を上から被せて履くと素敵です。
長靴ほどラフになりすぎず、ロングブーツほど畏まらず。日常使いで履いていただける形だと思います。


初めてのムートンブーツに不思議な高揚感を感じています。
外見が女性らしいよりは、ちょっとメンズライクなところもとても気に入っていて、
凍りつく様な寒さが訪れようと、この靴があれることでなんだか楽しく暖かい冬を迎えられそうです。
北国の冬の靴はぐっと選択肢が狭まり、また気候や道路状況の事を考えるとファッション性はどうしても
後回しになっていきます。そこをどうにか自分たちなりに洋服と靴を切り離さず、その季節や景色に沿った
気持ちの良い靴の提案が出来るかと考えた時に、実際に履いて過ごして選んだのがTRIPPENの靴でした。
脱ぎたくなくなってしまうかもしれないですが、ぜひ試しにいらしてくださいませ。

PageTOP