3足の靴

5月11日(木)からスタートする、トートーニー靴の受注会。
トートーニーの革靴についてご紹介するにあたり、その前にまずは
僕自身と靴との関係性について、頭の中を整理して書いてみようと思います。



お店をはじめてから、これまでの間に、色々なブランドの靴をセレクトしてきましたし
自分自身は洋服と同等、もしくはそれ以上と言っても言い過ぎでは無いくらいに
靴のことが気になりますし、靴の魅力にずっと惑わされているなと自覚しています。
自宅の玄関にも、下駄箱から溢れるほど持っているのにと思いつつも、ふと目に留まったものや
昔買いそびれていたアイテムが、急に頭の中にぱっと浮かんでしまったりした日には、次の瞬間
あの手この手を使ってどうにか手に入れようとしている自分がいます。。。
若かりし頃は、スニーカーを中心に数えるのも諦めるほどの足数を所持していたこともあって
コレクターでは無いのですが、靴を見ているのが飽きないので純粋に好きなんだと思います。
最近になって、少しずつこれからの自分の生き方についても考えたり考えなかったりする中で
漸く持っている靴の中から、履く・履かないの分別をして、ギリギリ収納できる数まで減らしましたが
それでもきっとまた懲りずに、気になってはどうにかして買おうとする自分の姿まで想像出来るので
その時点で、もう僕はずっと一生こんな感じなんだろうな。
一生分を過ごせる靴はもうあるのに。


話は変わりますが、様々な靴を試してきた中で、結局のところ、自分にとって欠かすことの出来ない靴は
何になるのかを急に考えてみました。

□先ずはスニーカー編。
スニーカーと一言で言ってもジャンルが多岐に渡りますが、僕にとって欠かせないのはローテクスニーカー。
アッパーはキャンバス素材で、ヴァルカナイズド製法で作製されるスニーカーの、何とも垢抜けない佇まいと
醸し出す空気感は、カジュアルな服装から小奇麗な格好にもハズシとしての役割をしっかりと全うしてくれます。
不動のスタメンは、やっぱりコンバースのオールスター。その中でもカラー生成は無くてはならない存在。
ローカット・ハイカット2種類がありますが、履きやすさを重視するとやはりローカット。
出来ればアメリカ製と言いたいのですが、年齢を重ねるにつれてその辺の意識はかなり薄れてきていますし
現在は日本製で十分に満足出来る(価格・クオリティ)が出ているので、良いカラーリングを見つけてしまったり
もしくは出先で出くわしてしまった時には、有無を言わずに買い足していきたい。
どうしても消耗品的なニュアンスは拭えないので、常にストックを所持していたい。そんな気持ちにさせられます。
履き心地はクッション性に富んでいたり、踵が付いてきたりといった機能性がある訳ではないので
良いとは言えませんが(特に古いタイプは)機能を無視してでも履きたくなるロマンのようなものを感じます。
お洒落は多少の我慢は必要と昭和世代で叩きこまれたマインドを持ちつつ、地方へ行った際の古着屋さんの巡回や
ヤフーオークションでの、アメリカ製マイサイズのパトロールはいつでも楽しいなと思いながらも
下駄箱のキャパシティの限界や、価格の競り合いに疲れたり・・・いまだに振り回されている今日この頃です。

□続いてサンダル編。
サンダルというカテゴリーなのか、靴という大きなカテゴリーなのか、その辺は絶妙なグラデーションが
あるのではっきりとは言い切れませんが、文句なく満票でBIRKENSTOCKです。
数えきれないモデル(世界の都市の名前)これがまたお洒落ですよ。
カラーバリエーションが存在しますが、う~ん。散々色々なモデルとカラーを試してきましたが
結局のところ、やっぱりBOSTON カラーはTAUPE。
決めきれないくらいに悩んだのが、ZURICH カラーは同じくTAUPE 
悩みに悩みましたが同点(笑)甲乙がつけ難い。。。
履ける期間を考えるとやっぱりBOSTONの方が着用頻度が高めかもしれません。
ワイズはノーマル。底パイルのクッション性の高いソックスと組み合わせるのが好みな履き方。
素足履きよりは、ソックス履きで出来る限りフッドベッドが黒くならないで欲しいです。
更に細かい点を言うと、底のBIRKENSTOCKの文字が黄色のタイプ(古い年代)を探しつつ
いよいよArizonaのBLACK(一番シンプルなデザイン)を、何処かのタイミングで手に入れて
格好良く履けるのではないかと自分自身に期待を持ちつつ妄想を膨らませ中。。。です。

□そして最後は革靴編。
革靴を本気で買い始めたのは20代後半だったので、遅咲きのスタートでした。
スニーカーと比べると履いてきた足数は少ないかもしれませんが、所謂の王道と呼ばれるブランドの革靴は
それとなく足を入れてきました。
特に岩手に拠点を変えてからですかね。革靴に対してのイメージが大きく変わったのは。
服装にも同様のことが言えるのですがファッションという概念を持ちつつも、生活と直結するものだと
いうことを切り離して考えていたのが、1つのグラデーションとして捉えられるようになってからは
無理をしてまで革靴を着用することがぐんと減ってきました。
さらに自宅を中津川沿いに引っ越しをして、車通勤から徒歩通勤になったのも大きかったです。
土とか草とか、虫もいる中津川沿いの遊歩道を日々歩いていると、次第に足元がキラリと光るような
重厚な革靴と自然が醸し出す空気感がめっきりと合わないと感じ、急に冷静になってしまったことも
自分の中の変化の、大きな要因になったのかもしれません。
今考えるとアパレルの常識でしょう。。。という空気にも完全に囚われていましたし
格好つけることにも、当然ながら一所懸命だったのも間違いありません。

□ここからが宣伝を兼ねた本題です!
革靴に違和感を感じつつも、何かきっと良い出逢いがあるだろうと思っていながら過ごしていると
出逢ってしまったのです。
一番最初に行われた”entwine”の時なので、今から8年前のことになります。
出展社さんの設営が何となく終わりかけた時に、お手伝いが一段落して、さらっと各ブースを見て
回っていたのですが、1社だけギリギリのタイミングまで設営が終わっていなかったのがトートーニーでした。
来るタイミングが遅くなったせいもあり、神田さんはぎりぎりまでディスプレイなどを入念にチェックしながら
その時は確か皮で作ったスリッパがアイコンになっていたと記憶しています。
革靴を作るというイメージを全く持っていなかったこともあって、どっしりとした佇まいの中に感じる柔らかさ。
内羽根式、ストレートチップ、コバの主張が強すぎずに、控え目な見た目ながらも靴としての存在感が
しっかりと示されていて、なんだこれは~っという軽い衝撃を受けたのを覚えています。

entwine期間中は何となく忙しくしていたこともあって、後日にアトリエにお伺いしますとお話をして
今のアトリエに移る前の雑居ビルの店舗で試着をさせて頂き、オーダーをした1足。
色々と語りたい部分はあるのですが、シンプルに言うと見た目を重視すると歩行するという機能的な面が
疎かになり、機能性を重視するとデザインが野暮ったく履きたいという気持ちになれない。
機能性とデザイン性の落としどころの難しさ。どちらも納得出来る革靴というのはそう滅多には出逢う事が
ないですし、更に言えば内羽根式のストレートチップ。難易度が更に上がります。
靴はサイズ選びが重要なことはいわずもがなですし、既製品で完全フィッティングを見つけるのは
余程のタイミングと気持ちがなければ、とも思ってしまいます。
神田さんのフィッティングは本当に丁寧で素晴らしいですし、人間工学に基づいて作製されている革靴は
想像以上に歩き易さと心地良さを実感して頂けるはずです。
価格はそれ相応なものになりますが、いざという時にあれこれと慌てる必要がなくなりますし
自分に適したサイズの革靴を1足所持していることの安心感は、他に代え難いものがあります。
という事で、最後の革靴はトートーニーの内羽根ストレートチップということになります。

□トートーニー 靴の受注会・COLOR ORDERING FOR WALLETS
 2019年9月に開催して以来、お久しぶりですのトートーニー。
 お財布のお取り扱いをさせていただいてましたが、今回は靴のオーダーをメインに
 お財布のカラーオーダー会も、同時に行います。
 期間は5/11(木)- 16(火)まで。
 11日(木)12日(金)13日(土)の3日間、デザイナーの神田さんが在店予定。
 14日(日)は未定ですので、神田さんの神フィッティングを感じたい方は上記の期間中の
 ご来店をお勧めします。
 今回は新作のシューズ、Slip onを中心に、定番のシューズも勿論ご用意がございます。

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