旅の記録 九州(熊本→宮崎→福岡)①


しばしのお休みをいただき、九州の旅へと出てまいりました。
自分達が今どうしても直接足を運んで、お話を聞いてみたかった方の元へ足を運んだ三日間。
今回の旅が実現したのも、きっかけは8月に開催した”SOWBOW”のイベントの際に二日間店頭に立ってくれた
SOWBOWの吉村さんと物作りで関わる方のことなど色々お話を聞き、実際に現場を見てみたいと伝えると、
では次は熊本で逢いましょうと約束したことで叶いました。
早い段階でスケジュールを合わせてくださったり、また僕たちが行きたい・見たいと思った場所の方に話を
通して下さったりと、完璧な下準備に行く前から空想で旅が楽しめたほど。本当に頭が下がります。

九州へは花巻空港から飛行機で福岡空港まで。時間にして2時間15分なので遠いようで案外近いのが九州。
そして毎回来るたびに思いますが、福岡空港から博多駅までのアクセスの良さは感動しますし、羨ましい。
JR博多駅から最初の目的地の熊本までは高速バスも走っているのですが、僕が鉄分少な目のてっちゃんの為
今回は我儘を通して九州新幹線に乗っていきました。博多から熊本までは約50分くらいで到着。早い!!
九州新幹線の800系・さくらは木を貴重とした和を感じさせる独特な内装で、手すりや座席にも地元の木材が
使用されていたり、シートのクッションは伝統的な織物だったりととても華やかで作り込まれた空間でした。
今までの新幹線のイメージとは全く違っていてとても贅沢な気分を味わいました。


熊本駅に降り立つと「くまモン」と「金栗四三」がお出迎え。熊本の地に着いたのを実感します。
花巻空港を14時頃出発して18時には熊本駅に到着していたので、4時間くらいの所要時間。
こう考えると岩手と九州、距離はあるのですが思っている以上に身近に感じられますね。


早速、待ち合わせをしていた吉村さんが迎えに来てくださり熊本市内の方へ。
振り返ると去年の3月に鹿児島から熊本、そして福岡へと縦断していたので、街の景色にも見覚えがあったり
次第にその時の事を思い出してきましたが、地元の方に色々なお話を聞きながら一緒に歩くと、街の見え方が
また全然違ってみえるのでこれは不思議なものです。知らずにウロウロするのもそれはそれで楽しいですが、
小ネタを聞きながら歩くのも楽しい。一度だけではなく二度、三度と足を運ぶ旅の楽しさを知りました。

先ずは小腹を満たす為に「ぎょうざ 扇里」さんでウェルカム餃子を頂きました(笑)
薄皮の小さな餃子でしたが、パリパリっとした皮と餡の量が絶妙で100個ぐらい食べれそうでしたが、
次が控えているとのことで、20分くらいでウェルカム餃子をさくっと平らげて次へ移動しました。


熊本の中心市街地にお店を構える「PEG」さん。
店主が一人で切り盛りする小さなお店で、席数もそこまで多くないのですがとても落ち着く空間。
料理は地元の食材を使った創作フレンチに合わせたナチュラルワインを出してくださるのですが、
その飲み易さと出てくるご飯との相性の良さにビックリしました・・・頼んだ盛り合わせが鮮やかなこと!
ボリュームもありますが重たくなくて、しばらく無言でパクパク食べてしまいました。
ドリンクメニューの中には紫波町で作られている美味しいブドウジュースとリンゴジュースがあって
それも何だか嬉しかったなぁ。
僕はワインには全く詳しくないので何を飲んだとかは分からないのですが、何を飲んでも食べても美味しくて、
気張り過ぎずに気持ち良く食事とおしゃべりが出来る空間で、あっという間に時間は過ぎてしまいました。

あと一杯だけ飲んで帰ろうと、2軒目に案内されたのは小さなビルの3階にお店を構える「NINI」さん。
ここはご夫婦でお店を切り盛りされているダイニングバーで、営業時間が深夜の3時までという事もあり2軒目3軒目に
お酒でも甘いものを食べに行くのも間違いありません。
空間作りが素晴らしくて何時間でもおしゃべりしていたいと思える場所でした。注文をしたスィーツもどれも絶品。
次回熊本に行く際にはどちらも予約してでもお伺いしたいお店になりました。
時計をみるともう深夜の2時・・・旅に行く事でアドレナリンが出ていたせいもあり、全く疲れ知らずでこの時間まで
楽しく食事をしておしゃべりに夢中になってしまいました。
素敵なお店に出逢えた事は今後の旅にも繋がりますし、「PEG」さん「NINI」さん共に店主さんの笑顔や働いている姿が
格好良く素敵だったなぁ。
食べ物の話しか書いていませんが、旅ははじまったばかりです。
②へつづく・・・

INFO


今週26日(火曜日)から29日(金曜日)まで、出張の為お店を臨時休業とさせていただきます。
お取引のあるメーカーさんのアテンドで、訪ねてみたかった染色や織物の工房を巡ってきます。
連休が続いてしまい、お客様にもご迷惑をお掛け致しますが見てきた物や事をお店で活かせるよう
たっぷり吸収してきたいと思っていますので、何卒ご理解の程、よろしくお願い致します。

以下今週の営業日程になります。
25日(月曜日)通常営業 10時30分~19時まで
26日(火曜日)臨時休業
27日(水曜日)定休日
28日(木曜日)臨時休業
29日(金曜日)臨時休業
30日(土曜日)通常営業 10時30分~19時まで

INFO


今週26日(火曜日)から29日(金曜日)まで、出張の為お店を臨時休業とさせていただきます。
お取引のあるメーカーさんのアテンドで、訪ねてみたかった染色や織物の工房を巡ってきます。
連休が続いてしまい、お客様にもご迷惑をお掛け致しますが見てきた物や事をお店で活かせるよう
たっぷり吸収してきたいと思っていますので、何卒ご理解の程、よろしくお願い致します。

以下今週の営業日程になります。
25日(月曜日)通常営業 10時30分~19時まで
26日(火曜日)臨時休業
27日(水曜日)定休日
28日(木曜日)臨時休業
29日(金曜日)臨時休業
30日(土曜日)通常営業 10時30分~19時まで

11月24日


FUJITO    JUNGLE FATIGUE JACKET

color     NAVY

price     46000+tax

SIZE     1    /    2    /    3


昨日の帰り道もいつもより暖かいなと感じましたが、朝から雨が降り続いています。
夜が空ける前に布団にもぐり込みながら屋根にあたる雨の音を聞いているのが好きで、眠りは深くなり
今日はこのままずっとこの場所に居続けたいと思ったのはきっと僕だけではないはず・・・
雨の音を聞きながら過ごす朝も良いものです。

FUJITOが毎シーズン素材を変えながらリリースしている定番ジャケット”JUNGLE FATIGUE JACKET”
アメリカ軍が1960年代後半にベトナム戦争時に支給していた名品と呼ぶに相応しいジャケット。
その完成度の高さから現代のファッションシーンにデザインソースとして良く用いられる事が多々あり
各ブランドがオリジナルをオマージュしながら独自性を加えつつリリースを繰り返しています。
僕自身もオリジナルを愛用しているのですが、春と秋の季節の変り目に何も気にせず着れるライトな素材感と
ゆったりとしたサイズが好みで手放すことの出来ない1枚になっています。
今回セレクトした理由として素材がコットンではなく上質なウールメルトンで仕立てている点。
オリジナルの見え方と大きく異なっていて品の良さが加えられ「JUNGLE FATIGUE」の新しい一面を感じられた事と
打ち込みの良いメルトン生地を使用しているので、余程寒い日でなければ十分に真冬でも対応出来るのが
良いなと思い選びました。


フロントに叩きつけられた4つの立体的なポケットがデザインとして印象付けられます。
上の2つにはハの字に付けられていて、下の2つのポケットは横から手が入られれる様にハンドウォーマーポケットが
プラスされていて機能美を完備したFUJITOならではの作りの良さを実感して頂けると思います。
フラップをめくるとスナップボタンでマチのあるポケットの開け閉めを。
肩はセットインスリーブですが可動域が広がる様なパターンで作製しているので窮屈さや動き難さは一切なく
袖裏にはキュプラの生地が張られているのでインナーとの相性を考えずに袖を通すことが出来ます。
冬のコートやジャケットを着る際に袖通りの良さはとても重要だと思うので、細部にまで気の利いた作りの良さと
実用面のどちらの要素も実感して頂けるはずです。


オリジナルに対してのアプローチ方法は各ブランドによって解釈や捉え方があるので其々だと思うのですが
FUJITOはエレガントな一面をプラスして表現をしています。背中に切り返しを入れて少しだけ身頃を絞るデザインにし
前から見た時の印象と後ろから見た際のギャップを付けている事が分かります。
ワークウェアやミリタリー物の土っぽさを程よく和らげる効果があり、カジュアルな中に崩し過ぎないバランス感が
このジャケットにはあるように思います。着始めは生地が硬いので着られているような雰囲気に映るかもしれませんが
時間をかけてメルトンが馴染んだ頃にはヴィンテージに負けずとも劣らない存在に変わっているはずです。


裏地はコットンのスレーキを張り合わせていて、前述でも書きました袖はキュプラの総裏仕立て。
表と裏どちらを見ても綺麗な仕上がりで、FUJITOの洋服を取り扱いを始めてから一貫して貫かれている部分でもあります。
袖を通したくなる洋服というのは細部にちょっとした拘りが感じられるものが殆どで、着心地の良さがあることで
着古しても尚着続けて、最後の最後まで着尽くすくらい堪能出来るのではないでしょうか。


洋服に精通されてる方ではあれば、何となくでも一度は目にした事があるデザインではないでしょうか。
偶然の産物なのかもしれませんが、古き良きものをリプロダクトしたりオマージュしながら其々に色を出していくのは
簡単そうに見えてとても難しい事だと思います。僕自身はあまりにデザインをいじり過ぎずに、ほんの少しエッセンスを
プラスするくらいの匙加減が好きで、オリジナル以上にジャングルファティーグの良さを引き出せるかどうかが選ぶ際の
基準になります。メルトンという冬に対応出来る素材感で綺麗な印象になるのがとても良いとなと思っています。
ヴィンテージや古着が好きな方もそうでない方にも、袖を通して頂きたいジャケットです。

11月23日


holk     HAND KNIT SWEATER

color     BLACK

price     50000+tax

SIZE     1    /    3  SOLD


11月は他の月に比べても一段と早く過ぎ去り、気付けばあと1週間となりました。
何となくぼんやりと年末、そして来年のことなどを考えてみるものの、改めて先の事を決めたりするのが
どうも苦手な性格で、結局は1日1日の積み重ねでしかないと自分に言い聞かせながら過ごしています・・・。

個人的にとても楽しみにしていたニットとパンツが届きました。
holkの展示会に行った際に、一際存在感を放っていたセーター。
毎シーズン1型のみニッターさんにお願いをしてハンドニットをリリースしているのですが、
今シーズンはざっくりとしたローゲージの糸をログウッドで染色(ブラック)して編み立てています。
自分達も以前にハンドニットで作製されたベストを購入しましたが、一生ものという言い方はあまり過ぎではないですが
余程体型が変わらない限り着続けていたいと思える1枚に出逢えたと思っています。
見た目はとても重厚感があるのですが、袖を通してみるとハンドセーターならではのきつ過ぎない心地の良いテンションと
風合いは素晴らしく、プロダクトとしての冷たさとクラフトの暖かさのどちらの要素も併せ持っているように感じます。
洋服というカテゴリーであるのは間違いないのですが、ジャンルを問わずにモノを同じ目線で並べて見た際に良い意味で
価値観を揺さぶられる逸品だと確信しています。


デザインはシンプルなラグランスリーブのクルーネック。
首元は少しゆったりとした設定で、インナーはシャツではなくクルーネックのカットソーが納まりが良くベスト。
シルエットは全体的にゆったりとしたバランス感で作られているので、ジャストサイズではなく身頃に余裕を持った
着方がお勧め。手編みのセーターならではの身体を包み込むような程良いテンションを感じて頂きたいです。
袖口・裾のテンションもきつくないので、セーター全体が綺麗に落ちるような感覚があると思います。


セットインスリーブではなくラグランスリーブを採用しているので動きが制限されずに着る事が出来ます。
ローゲージのセーターなので保温性も高くあれこれと重ね着をするよりも、風をシャットアウト出来るざっくりとしたコート
(オイルドジャケットやトレンチコート等)を羽織ると、見た目のバランスも含めてしっくりとくるのではないでしょうか。
個人的にはハイテクな素材よりも、クラシックなアイテムとの相性が良いなと想像してしまいます・・・


手編みのセーターというだけでプラスαの価値が生まれるのは必然かもしれませんが、デザイン・色・価格などを
含めて、手仕事という要素に意味を強く持ち過ぎず、日常着として違和感なくマッチする事が大切だと思っています。
holkの物作りの姿勢がしっかりと落とし込まれているように感じましたし、プレーンな表情がかえってとても新鮮で
普段穿き込んで色落ちしたジーンズやクタクタになったスニーカーなどに合わせたりしたいなと想像したり。
デザイナー自身があえて毛玉が出来やすい糸をわざと選んでいるので、経年変化も含めて自分なりの解釈で付き合っていって
欲しいという想いも込められています。

holk     kang fu pants

color     navy

price     28000+tax

SIZE     1    /    2 SOLD


コーディネートで合わせていたパンツもholkが毎シーズン素材を変えながら定番でリリースしている”kang fu pants”
というモデル。ウエストがイージー仕様でリラックスした着心地のパンツで、程よく太さがあって膝から裾にかけて
緩やかにテーパードしたラインの綺麗さは秀逸です。
秋冬の素材なので目の詰まった軽くて暖かなウール100%。尾州地区で古くから稼働をし続けている織機で織られる生地は
肌触りと保温性が高いのに加えて、表面に艶のある表情も他ではあまり見る事が出来ないと思います。
生地は厚みがあるというよりは中肉くらいですが、岩手のような気温の低い地域でも十分に通用する素材だと思います。


ウエストは総ゴムで内側にアジャスターが付いているので、体型に関わらずある程度幅広く対応が可能。
ポケットは左右に1つずつとバックポケットに2つで合計4つ。
パッチポケットが付くのでカジュアルな印象になりますが、素材の雰囲気やシルエットなどをみると
イージーパンツとは思えない程、しっかりと計算され作り込まれた印象を受けます。
個人的にイージーパンツで気になるディティールが内股・外側の縫製を両方ともに巻き縫いにする点。
脇割りの始末も嫌いではないのですが、ラフな雰囲気を打ち消す役割を果たしてくれるので
特にイージー系のパンツに一手間掛かる縫製を実現している事もholkならではの物作りだと感じています。


お尻回りからワタリ幅は余裕を持たせているので窮屈に感じる部分が皆無で、長時間穿いていてもストレスを
感じさせない作りになっています。昔からウールのパンツにキャンバスのスニーカーを合わせるのが感覚的に
ずっと好きで、暖かな素材感にチープなキャンバスのバランスが好みだったりします。
イージーパンツなのであまりに丈をだらしない長さにしてしまうとシルエットが崩れてしまうので勿体ないですし
冬場は足首を出すと寒く感じてしまうので、足首がギリギリ隠れるくらいの長さにすると良いのではないでしょうか。


サイズは1と2の2サイズでの展開。
ちなみに僕(身長178CM 体重64キロ)が穿いているサイズが2になります。
程好くゆったりと穿けて、ルーズになり過ぎずに丁度良いバランスに見えると思います。
holk自体はユニセックスで展開していますので、男性・女性に関係なく自分のイメージするサイズ感で選んで頂きたいです。
ラフに穿けるにも関わらず、きちんとしたシルエットを作り出せるパンツはそう多く出逢う事はありません。
スタイルを選ばずに普段使いから旅行などにも重宝する冬に欠かすことの出来ない1本になると思いますので
暖かく柔らかな素材に包まれる感覚を手にして頂ければ嬉しいです。
どちらの製品もとてもクオリティが高く、洋服の奥深さや素材に身を任せるような感覚を手に出来ると確信しています。

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