2月2日


HATSKI   Stitch Loose Tapered Trousers

color     Katuragi-Black

price     19000+TAX

SIZE       1    /    2    /    3 SOLD

店に来て、先ずすることは窓を全開にして空気の入れ替えと掃除をするのが日々の日課。
冬の間は1日を通して店内に太陽光が入ってこなかったりするのですが、今日はほんの数分でしたが日差しが
ラックの商品にあたっているのを確認。太陽の角度が少しずつ変わり始めている事を実感しました。
ほんの一瞬でも光の暖かさを感じると、微かに緊張が和らぐような感覚になるのは何だか不思議だなと。
毎日同じことを繰り返していると小さな気づきがあちらこちらに落ちていて、そんな事を思う日々がとても楽しい。

僕の記憶の中では恐らくは初めて提案する素材だと思うのですが、HATSKIからリリースされた新作パンツをご紹介。
HATSKIはブランドを立ち上げた当初から15.6OZの厚地のデニムを中心にした物作りを続けています。
ここ数シーズンでデニム以外の素材にも挑戦をしていて、その中で展示会で目に留まったのは「葛城」という
綾織りの生地。組織で言うと経3本・緯2本を組み合わせていて、デニムに近い印象を持ちます。
しっかりとした厚みに加えてコシがあり、穿き始めからでも気持ち良く身体に馴染んでくれると思います。
先日のholkのパンツもそうでしたが、カラーはブラックをセレクト。
特別に意識して選んでいた訳ではないのですが、僕自身が今まで黒のボトムを全くと言って良いほどに
穿いてこなかったこともあり、その反動か黒・・・穿いてみたいなとは微かに願望としてあったのは確か。
案外合わせ易いということにも気付いて、いつの間に各ブランドから出たブラックが集まっていました。
意外と定番でありそうな色ですが、そうでもなく今回はたまたま黒が充実していると思っていただけると良いかと。
Stitch Loose Tapered Trousersは色としては「真っ黒」というイメージですが、ある程度穿き込んでアタリと
ほんのりと全体が色落ちがしてきた頃がより格好良くなると想像をしています。


フロントはボタン+フックの留め具にZIPで開閉する仕様。
タック入りなので、しっかりとウエストの位置でベルトで固定をして穿くとより綺麗なシルエットが出てくると思います。
コインポケットを現代の仕様に置き換えてスマートフォンが入る大きさにアップデート。
HATSKIらしい柔軟な思考が随所に落とし込まれている印象です。


バックポケットは丸みを帯びたパッチポケットが2つ。
サイドに太番手の糸でハンドステッチ風のアクセントを入れていて、表情のある仕上がりに。
迫力を感じる葛城の生地に曲線的で立体的なシルエットが組み合わさる事で、今までにない新鮮なパンツに映りました。
ワタリから裾にかけて、きつくテーパードをかけて全体の納まりをすっきりと見せているので
“ブラック”の色目の重さを感じさせない作りになっていると思います。


ウエストの細さに対して、ワタリからお尻回りにかけてはかなりゆったりと設定。
葛城のコシのある生地感も相まってか穿き心地に関しては窮屈な印象は一切なく、適度なルーズさを持ち合わせながも
綺麗なシルエットを構築しています。裾の収まりも良いので革靴でもスニーカーでもどちらでも相性は良いと思います。
個人的な印象として、ブラックのパンツをあまり穿いた事がない方に最初の1本としてお勧めです。
まだ気温が低いのでラフにスウェットを合わせましたが、春先はぱりっとしたブロードの白やブルーのシャツに黒の革靴が
大人っぽい組み合わせとして良いかなと想像をしています。


HATSKIのデニムはrasikuでもシルエット違いで3型展開をしていて手に取って下さる方が増えていて嬉しい限りです。
デニムの完成度の高さ・シルエットの豊富さ・価格設定とバランスの良さが際立つのですが、それと同時進行でデニム以外の
新しい素材の開発にも力を入れています。展示会に行く度に発見があり、ブランド立ち上げから商品を見させて頂いていて
rasikuでの展開もまだ数年ですが、発想力と実際の物作りにも思い切りがあってとても刺激を受けています。
僕自身も週の半分以上はHATSKIのパンツを愛用しているので店頭に来てくださる方は良く目にしていると思いますが、
出逢った事のない感覚を手に入れられるのが嬉しく柔軟な発想をもって洋服を楽しもうという気持ちにさせられます。
似合う似合わないという事も大切ですが、フラットな目線で洋服を純粋に楽しむという事を実感して頂けるのではないかと。
ブラックのパンツを是非ワードローブに取り入れてみては如何でしょうか。

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