6月16日


CALICO   ジャムダニヴィンテージラージャスターンギャザーワンピース

color     ホワイト

price     70000+TAX

SIZE     F SOLD


昨日は陽射しがたっぷり降り注ぎ、風は吹くもののとても暑く、梅雨の晴れ間な一日でしたね。
そして昨夜?明け方?の雨・・・屋根に穴が空きそう!とおもうほど雨音が激しくて目が覚めました。
そんな中一人は寝ぼけていたようで、雷光が自分に落ちたと思ったそうです。。。
何にせよ、この気候の変動に弱く頭がぼーっとしてしまいがち。湿度と暑さと涼しさetcに上手く身体を
馴染ませながら深呼吸して過ごしたいなと思います。

本日はCALICOより。
息を飲むような生地の繊細な美しさに、これはもういくしかないと意を決して選んだ一着。
ヴィンテージのジャムダニ柄の生地を、CALICOが定番で作り続けている大陸の伝統的な装いをイメージした
カシュクールのギャザーワンピースにのせたスペシャルアイテムです。
同じ柄・同じ生地は無いので、ある分のみで製作されるため、サイズも広げずに1サイズのみでの展開。
ふわりと柔らかくて纏えば飛べるのではないかと思うように軽くて。
そして何よりも、光があたると透ける生地の上に薄っすらと白く浮き出る細やかなジャムダニ柄のひとつひとつが、
全身で輝きを放つようで、またフロントギャザーのドレープとも相まって、それはそれは素敵なのでした。


ジャムダニというのはベンガル地方に伝わる縫取織の技術と、その織りを用いた布の事を言います。
うっすらとした素材の布に、繊細で印象的な織りの模様が透けて見えるのが特徴で、自分自身もCALICOの
展示会で初めてジャムダニの生地を見た際には、どのようにして人がこの柄を織り上げるのかが、
瞬時には想像ができなくて、なんとも言葉が出ませんでした。
また自分達が今まで見たり着たりしてきた服の中では、インパクトも雰囲気も強かったのでお店に並べた際に
どんなバランスに映るかななども少し考えたのですが、実際に展開してみると前回ご紹介したアジュラックのドレスも同様に
不思議とこの空間に馴染む感覚があり、足を止めて見て下さる方も多いことに嬉しくなりました。

というのも現在CALICOで展開するジャムダニは、サリーを作る職人に洋服生地として縫製に耐えうる
厚手のものをオリジナルで作ってもらっているとのことで、より現代の日常着として取り入れ易くし、
また生地にあしらう柄についても、ベンガルの伝統に沿ったものを現代的なモチーフとして再現した
デザインを中心にアレンジを重ねることによって、今の感覚で着られるような仕上がりとなっています。
今回はCALICOのオリジナルのジャムダニを用いたギャザーワンピースと、このヴィンテージファブリックを
使用した2型が揃っていますので、店頭で見て着比べてみていただくのも楽しいかと思います。

特に裾をぐるりと囲む織り文様は、着ごたえも見応えもあると思います。
薄い白地に白の織り柄というところも、シンプルで色合わせなどもあまり考えなくていいですし
Tシャツ・ちょっと太めのデニムなどにさらっと着たら素敵だなと想像しています。
本当にこんなに気持ちが高鳴るというか、嬉しくなるような服を毎日見れられるのは特権だなと心から。


カシュクールタイプのワンピースなので、前で重ね合わせて内側と外側で結ぶ紐がついています。
結ぶだけで少しだけふんわりと甘さが薫るように変化しますが、あえてこの雰囲気を纏ってみるのも。
その分足元をサンダルにしてみたり、ボトムにイージーでさらっとしたパンツを穿いてみたり、
インナーにタンクトップやキャミソールで爽やかな色を挿したりすることで印象は幾らでも変わります。
紐は真ん中で結んでも良いですし、結ばずに開けっ放しで着ても◎
垂らした紐の先の三角な部分など、服が好きな方・布が好きな方にぜひインドの手仕事布の世界が
めいっぱい広がるワンピースを堪能していただけたら嬉しいなと思います。


この軽やかで何とも美しいうっすらとしたジャムダニの布を、サリーのように羽織る事ができたら。
そんな思いから考案されたラージャスターンワンピース。
身幅や袖幅もけっして細くなく、重ね着も出来る仕様となっていますが、この薄地の生地ならではの
着心地は、ぐんぐんと暑くなるこの時期こそ素肌で体感して頂くのがベストではないかと思うので
ノースリーブもしくは半袖のTシャツと、組み合わせてうっとりお楽しみください。
とは言えロンTや薄いタートル、はたまたシャツ合わせで夏だけではなく秋口まで楽しみたいですけども。
ぜひ実物を店頭でお試しくださいませ。

5月3日


CALICO   アジュラック染カディソニドレス

color     アジュラックインディゴヘナ

price     25000+TAX

SIZE     L SOLD


少し湿度を纏ったような暖かな空気と風に舞う桜の花びら。
気候に合わせてお客様の装いもどこか軽やかになり、半袖をお探しの方もいらしたり春と初夏が
ワーワーっと一緒になってやって来た気分です。
重たいアウター類もようやく仕舞えそうですし、明日の最高気温26℃の予報は一先ずとして
短いけれど麗らかな春と、この季節に合うお洋服を手にすることで、どんなにささやかでも
目の前に感じられる自然の息吹と共に、ご自身の時間を楽しんでいただけたらなという気持ちでいます。

店内にディスプレイした瞬間から、その辺り一面に異国感が漂いはじめるような一枚。
それくらいこのワンピースが纏う雰囲気は強く、大胆に全身に配された柄にもしっかりと匂いがあり
今まで展開してきたことの無いタイプの服ではあると自覚しつつも、展示会で見た時からどうしても
気になって気になって頭から離れなかったのが、このCALICOのアジュラック染のソニドレスだったのです。
自分の中でも挑戦だと思っていた総柄で、しかも異国情緒の溢れる図案や色彩は、見れば見る程に
なんだか馴染みがあるような気持ちにもなるから感覚と言うのは、なんとも曖昧で不思議ですね。
CALICOの物作りにおいても、ここまでの柄物は珍しいと思うのですが出逢った時のインパクトと
実際に袖を通してみての印象の違いを、ぜひ体験していただきという気持ちも込めて選びました。
気になった方はぜひ実物を近くでじっくりとご覧ください。


アジュラックとは、インダス文明に起源をもつとも言われる、捺染・抜染(他に手彫りの版木)による
伝統染めの技法で、その技法を用いた布をブロックプリントと呼びます。
伝統的なデザインは星を図像化したもので、染めに用いる色はインディゴの青と茜の赤が基調となるそうです。
CALICOのソニドレスに関しても並ぶ柄は古典柄ではあるものの、代表の小林さんと染職人の方とで話し合い、
より現代にしっくりと馴染む柄の組み合わせ、また伝統的なものには無い色を少し含ませたりと、
古き良き時代の匂いに新たな息を吹き込む様な、それでいて長きに渡り受け継がれてきた職人の技に
想いを馳せるような、どちらの気持ちも大切に汲み取って仕上げた至高のドレスだと感じます。


襟は小振りのスタンドカラーで、釦をきちっと留めるとどことなく異国ムードが増しますね。
そんな雰囲気を楽しむのも一つですし、もう少し気楽さと言うか抜けた感じで着たいなという場合には
首元の釦は留めずに後ろにずらして着ていただくと、また印象の違う着こなしに映ります。
フロントは包みボタンが並び、前開き仕様なので軽やかに羽織るという着方も布の魅力が際立ちます。
肩はセットインスリーブなので、見た目もだらっとせずきちんとした印象に映りますが、
カディコットン滑らかな肌触りと、見た目以上にゆったりとしたサイズ感から着心地は非常に楽で
動きも制限されず、普段着としてさっと手に取って気兼ねなく着て頂けるのではないかなと思います。
胸の下、高い位置に切り替えがあるのも、縦のラインが綺麗に見えるのでとても好きなデザインです。


切り替えの位置の両サイドにベルトループがあり、同布のベルトでウエストマークが可能。
ベルトは取り外しも出来るので、必要が無ければ外しておいても良いですし、前・後ろと
お好みの場所で結んだり、垂らしたりなどアクセントとしてお使い頂けたらと思います。
アジュラックの伝統的な柄を、「夜の空に浮かぶ星々の気配の様な、抽象的な様子」と
代表の小林さんが表現されているように、特にこのドレスに関しては裏側を服地の表側に扱った
タイプも製作しており(当店入荷分は、表をそのままに使用)そこまではっきりとはせずに
どことなくぼんやりとした抽象画のようでもありながら、ひとつひとつに焦点を当てれば浮き出てくる、
とても緻密な図案と色の重なり。
相反することだけれどその両方が確実に存在するのが、このアジュラック染なのではないかと思います。

CALICO   アジュラック染カディソニドレス

color     アジュラックナチュラル

price     25000+TAX

SIZE     L SOLD


だいぶ印象が異なる様に見えると思いますが、こちらもブロックプリントの生地を使用した
同型のソニドレスになります。
同型のとお伝えしますが、着丈は恐らくですが生地の都合により先にご紹介したドレスよりは
短く仕上がっています。どちらもLサイズのオーダーになり、Lサイズの着丈の設定が約125cm程と、
個人的には嬉しい着丈ですが、通常からするととても長く、着る人も限られてしまうかも・・・と
すこし思っていたところだったので、思いがけず短い丈でご用意できたのは良かったです。
生地のお色はナチュラルで、ほんのり黄身を足したような柔らかなクリーム色にブルーの小花が
小さく細かくプリントされています。
色と柄ともに優しい雰囲気に包まれる、着ていて穏やかな気持ちになれそうなワンピースです。
淡い色のカディは、ほんの少し透けるので中にインナーパンツやリラックスしたイージーパンツを
組み合わせて、足元も軽やかなサンダルや素足で履ける靴などを合わせると素敵です。


胸高の切り替え位置で柄にも変化を加え、それぞれ生地に載せてリズミカルな幾何学模様を描きます。
細やかで美しい柄と、ブロックプリントならではの滲みや柄の重なりの偶然性や自由さだったりは、
見ているだけでもとても楽しいですし、自然と想像力が膨らむようなデザインに心が高鳴ります。
また着丈と同様に?このカラーのドレスにはポケットが在りますが、上のドレスはポケット無し。
もはや同型とは言いきれない、それぞれのドレスの違いも良さも、自分達は勝手に納得してしまって
いるのですが、気になる方もいらっしゃると思うのでこちらにも記させていただきました。
ご理解いただいたうえで、気に入ってくださる方に着て頂けたら嬉しいです。


宙をぼんやりと漂うかのような星々が連なる大胆な柄も、細やかに自由に散りばめられた
小花の輝きも、どちらもインドの手仕事布の世界へと繋がる扉を開ける様な、自分達にとっても
またひとつ新しい感覚を与えてくれる服との出会いとなりました。
また単体だけで見るのと、様々な服との組み合わせで見るのとでは、印象もまったく違ってくるので
どう着るかを想像しながら、CALICOが手掛ける心地よい服との時間や距離をお楽しみください。

4月9日


CALICO   シルクリネン サスペンダーワイドパンツ

color     ネイビー

price     25000+TAX

SIZE     M     /     L SOLD


昨年の春夏から店頭での展開をスタートさせて頂いているCALICOより、シーズンを通して穿ける
定番のサスペンダーワイドパンツの入荷がありました。
ファーストシーズンでは、インドの昔ながらの手法で手紡ぎ・手織りのカディコットンを使用したパンツを展開。
今回ラインナップに新たに追加されたのが形は変えずに素材にリネンシルクを用いたものがあり
そっと手を触れてみた時の、溜まらないしっとり感と、するんと勝手に手が滑っていくような感触に
その瞬間に、これは肌が喜ぶ!!と思ったのでした。
付属のサスペンダーは取り外しが可能なので、基本的には普通のパンツとなんら変わり無く
シャツやブラウス、ワンピースなどにも合わせて穿いていただけます。
肌に纏わりつかないゆったり具合も絶妙ですし、少しだけユニークにも感じる立体的なシルエットは
想像以上に色んなテイストの服に合うので、幅広い着こなしを楽しめるのも良さだったりします。


ワイドパンツに少しだけバルーンパンツの形状を織り交ぜた様な、裾が微かに窄まっている感じもするし
でも角度?よっては広がっているようにも見えたりもする、とても不思議なシルエットのパンツ。
一見すると可愛い印象にも思いますが、シルクリネンの上質な生地を用いたことで、生地に艶ととろみがあり
幅は太いのですが、するするっと裾への落ち感がとても綺麗に表現されています。
ですので実際に穿いてみると可愛いさもあるはあるのですが、かと言って幼くは感じないパンツだと思います。
生地が魅せる力というのか、デザイン以上にその服の雰囲気に影響する部分は確実にあると思っています。
ネイビーという色合いも相まって、夏に涼し気なシャツやブラウスでフラットなシューズを裸足で履いて
エレガントな着合わせもお勧めです。


前は釦で、後ろはループにくぐらせただけで取り外しも簡単に出来るサスペンダーは、
二段階の長さ調整が可能です。
シンプルで気持ちの良いカットソーもしくはさらりとしたシャツの場合はすっきりタックインして
肩紐を掛けてみるのも、いつもの服装に変化が出せて時には良いかと思います。
慣れないとはじめはちょっと気恥ずかしさもありますが、帽子やバッグなどの小物で季節感を出したり
薄手の羽織をプラスしたりなど、あれこれしているといつの間にか何にも気にならなっているものです。
どうしても肩が凝ったりする場合は、外さずにサイドにそのまま垂らしたままでも、ちょっとした着こなしの
アクセントにもなってくれると思います。


ウエストはゴムの仕様で穿き心地はとても気楽なのですが、後ろにだけギャザーを寄せることで
正面や横から見た際に腰回りのラインがとてもすっきりとしていて、その分適度な緊張感が生まれます。
女性ならではの曲線的な美しさが際立つようなシルエットに、艶やかな美しい生地。
また膝部分までコットンの裏地が付くなど、細やかな心配りは生地以外のところまで隅々まで行き届いており
CALICOの活動は、単にアパレルブランドということではなく、人から人へと昔から営まれてきた様々なことを
手仕事の布にのせて、ひとつの文化として現代からそして未来へと伝えていくものだということを実感させます。
今季はより深くそんなCALICOの物作りをお伝えするために、今まで以上に踏み込んだ柄やヴィンテージの布を
用いた素晴らしい衣服をオーダーいたしました。
少しずつご紹介をつづけていきますので、ぜひお楽しみに。

1月21日


maku     PANGOLIN 

color      ストライプ

price      42000+tax 

SIZE      M (Special Length) SOLD


昨年10月末のこと。とても心待ちにしていたCALICOとmakuの展示会を見に鎌倉へと足を運びました。
この日、盛岡はとても冷えて朝の最低気温は2℃。鎌倉駅に着いて、歩いて海の近くの会場へと向かう途中
日差しはぐんぐんと強くなり恐らく20℃は軽く越えているだろうなという感覚。
朝は必要だった巻物と羽織は早々に脱いで、商店街から住宅地に入ったところで携帯のMAPが示す目的地は
もう目の前のはずが、それらしき場所が見当たらない・・・
ぐるぐる迷いアポイントの時間も迫っているし、あまりウロウロすると怪しまれるのではと思うと余計に汗が出る。
なんとか辿り着いた展示会場は、それはそれは雰囲気の良い古民家で、その中にCALICOとmakuの色鮮やかで美しい服が
小気味よく並び、入った瞬間にすーっと暑さがひいていったのを覚えています。

その場でオーダーしたものは、今季の春夏のお洋服になるのでご紹介はもう少し先になりそうですが
たまたま一番最初に目に留まったCALICOの代表 小林さんと、スタッフの方が着用していらした
makuの2019秋冬コレクションの服も惚れ惚れするほど素晴らしいものだったので、選びました。
素材はウールとコットン半々で織られた生地で、今からでも良いですし肌寒い春先まで着続けられます。
厚みはないのですが、薄手で軽くてしっとりしたあたたかみを感じられる生地です。


首元もフロントの釦も少しズレた位置にあり、アシンメトリーなデザインが光るゆったりとしたドレス。
makuの2019秋冬コレクションは、be hereと銘うった世界の絶滅危惧種がテーマになっているということで、
このドレスには”PANGOLIN”(日本ではセンザンコウと呼ばれる哺乳類)という名が付いています。
首裏の内側には、小さな怪獣のような動物の刺繍があって、それがはじめは何か分からなかったのですが
PANGOLINを調べてみて繋がりました。
シンプルながらも独創性を感じるデザインと、隅々には手仕事の技を惜しみなく注ぎ込んだmakuの一着。
細かく打ち込みのされた大きな釦や、密やかに配されたプリーツやギャザー。
そんな服に心が弾まない訳もなく、着る度に何か自分の中に発見があるかもしれません。


墨黒に薄っすらとブルーの天気雨のような繊細なストライプが、カジュアルさを適度に抑えます。
袖幅は程よくすっきりとしていて、肩幅や身幅には余裕を持たせすとんと落ちるので縦のラインが綺麗です。
裾にはサイドにスリットが入るので、足元の動きを楽にもしますし、ボトムの合わせも幅が出せます。
ワイドなパンツやキュロット、ギャザースカートの裾を重ねる様にして穿くのも良いでしょう。
今時期から着たいという方は、ニットやウールのパンツやタイツを合わせて靴はブーツ。などもお勧めです。


個人的に一番惹かれた後ろのデザイン。
セーラーカラーやコートのアンブレラヨークのようにも見えますが、きっとこのデザインのモチーフは
“PANGOLIN”の全身を覆っている松ぼっくりに似た角質の鱗なのではないかなと想像しています。
襟の形状はヒラヒラっと可愛い印象ですが、実際のPANGOLINの鱗は縁がとても鋭いみたいです。
そんなギャップを思うととてもユーモラスなデザイン。

左側の脇裏付近に小さく刻まれたブランドロゴ。
昨年より展開しているmakuとCALICOの服。
両ブランドは共に「インドの手仕事布の世界をつくる活動である」という思想のもと、インドの伝統的な
織りや縫い、染めの技法を磨くことで伝統を絶やさずに、職人の方々の暮らしを持続させることを念頭に
モノづくりを行っています。
まだまだ私達もそういった生産現場について知り学びたいと思っている段階ではあるのですが、先ずは
それぞれのブランドから届けられる素晴らしい服を、自分なりの捉え方で着て楽しんだり、感じたりしながら
お客様へ提案出来たらといいなと思っています。

5月23日


-maku textiles-

maku textiles(マクテキスタイル)は2012年よりスタートした、インド・コルカタ発の手仕事布ブランド。

長きに渡り受け継がれてきたインドの手仕事布の世界。
それらを構築する伝統的な織りや縫い・丁寧な染色の技法を磨き続けることによってインドの手仕事布の
伝統と技術、そして職人さん達の日々の暮らしを守り持続させていくこと。
ただ服を作り・売るというブランドではなく、そのすべての営みを脈々と続けていくということが、
maku txitilesの活動の源となっています。

MAKU     藍染ピンタックドレス

color      インディゴ

price      42000+tax 

SIZE      L SOLD


CALICOの展示会ではじめて目にしたmakuの服。
彼らが得意としているカディやジャムダニ織りといった生地と美しい藍染の世界観に一瞬にして
引き込まれましたが、何よりも驚いたのはその手仕事の繊細さとデザインセンスでした。
それまでは伝統的なインドの布を用いたものづくりに対するイメージは、鮮やかな色彩であったり
エスニックな柄など、その土地の匂いが強く表現されたものなどを想像していました。
手に触れているその服が現地のデザイナーによるものだと聞いて、その素材と染色を限りなく尊重し活かした
シンプル且つ美しさが際立つ洗練したデザインに、静かに激しく興奮を覚えつつ、国を越えても通じ合える
物づくりをされている方々がいる事の素晴らしさに改めて感動しました。


ジャムダニ織りの柔らかで気持ちの良い素材に、淡いブルーの藍染。
爽やかな色目ですがデザインはガーリッシュな切り替えと、胸元と背中には「これは・・・」と
思わずその手間を想像して、ため息が漏れそうになるくらい細やかなピンタックが惜しみなく。
makuというブランドが大切に紡いでいるインドの手仕事がフルに注ぎ込まれたかのような一着は、
見応えも着ごたえも?十分な、それはそれは心躍るワンピースです。


ジャムダニはベンガル地方に伝わる縫取織りの技術とその織りを用いた布の事をいいます。
ワンピースの所々に散りばめられた花もしくは雪の結晶の様なモチーフ。
小さな模様は一見刺繍の様ですが、模様の部分だけ緯糸を切り替えることで独特な織り柄が
微かに浮き出たり、色によっては透けたりしているのがジャムダニ織の特徴。
そんなきめ細やかで可憐な生地に丁寧に藍染を重ねたとなれば、心ときめかずにはいられません。
生地自体は薄手で着心地も非常に軽いため、長袖でも全く暑さを感じさせないですしむしろ直接
日が肌に当たるのを防いでくれるので、夏こそ大活躍の一枚になるだろうと思います。
デザインには贅沢ピンタック以外にも、切り替えのギャザーも実は必見。
可愛いらしいという印象を持つ方も多いとは思いますが、だからこその良さもあると思うのです。
透けるのを防ぐことも兼ねて、色の濃い(黒や紺など)涼しい素材のインナーパンツなどを重ねたり
足元に写真の様な革靴を合わせる事で柔らかさに上品さがプラスされたり、反対に思いきりラフに
スニーカーやサンダルを合わせて爽やかな着合わせであれば、案外バランスが良かったりするのです。


背中部分には小さな包みボタンがひとつ。
ヨークはまた違うストライプ柄の生地を繋ぎ合わせていたりと、ピンタックの細やかさについつい
意識が飛んでしまいますが、引けを取らないパターンの多さに気付いた時には嬉しさだったり色々な感動が
混ざり合った感嘆のため息が・・・。
そして丈の長さ故、より気がつかない方も多いかもしれない裾部分には補強にもなるステッチワーク。
どこを切り取っても、人の手と時間をかけることでしか生み出すことのできないの本当の意味での手仕事と
インドの伝統を大切に思う気持ちが詰まったmakuの服。
あまりの素晴らしさに熱っぽくなってしまいましたが、着ていただければそれだけで十分に肌が其々の良さを
受け取ってくれると思います。
急激に気温が上昇しそうな週末。涼やかな服が揃っていますのでぜひ足をお運びください。

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