新しい場所へ 2

あまり形を決め過ぎず、大きな期待を持ち過ぎず。
出逢えたものに仕事も含め暮らしを合わせよう!と、11月下旬に物件を探しに出掛けました。
(気になる物件を前もって数件選び、不動産屋さんにアポイントを入れて)
盛岡から新幹線で東京へ。東京駅からは東海道線に乗り換えて1本。時間にすると1時間10分。
僕が20歳まで過ごした大船を越えて、藤沢・辻堂・茅ヶ崎・平塚・大磯、そして二宮。
久し振りに乗車した東海道線に揺られながら懐かしさと、物件は見つかるのだろうかという
不安なような分からなくて高鳴る気持ちを抑えつつ、車窓からの街の風景を眺めていると
平塚を過ぎたあたりから、景色というか空気が変わったことに気付きました。
良い意味でのんびりとした空気。自分のイメージしていた海と山に挟まれた街並みそのもので
その空気を感じた時に気持ちが少しだけホッとした所で、二宮に到着。
因みに大磯・二宮は快速電車は停車しませんので、乗る際にはご注意を!!

盛岡を出た時の気温が0℃くらいだったので、駅を降りた瞬間あまりの暖かさに
逆に身体が驚いて、コート・巻物、何を脱いだら適温か慌てるほど。
小さな駅を降りると、店先で元気いっぱいに呼び込みをする果物屋さんが目の前にあって
道行く地元の方が買っていく。直感的に良い町だなとおもいました。

アポイントを入れている不動産屋さんを目指して歩く。
徒歩10分ぐらいでしたが、少しだけ路地に迷って着いた頃には既に少し汗ばむくらいの気温。
事前に希望をお伝えしていたのですが、条件的にも厳しいと言われていたので
期待はせずに、だけど、何処かには隠し物件があるのではないかという淡い期待。
ただ現実はそう簡単ではなく、小さな町故に物件数そのものが少ない。。。
気になる建物があれば、周辺の方に直接聞き込みをしていったほうがいいという話を
立ち寄ったカフェの店主さんに教えて頂き、場所は変われど同じなんだなぁと納得でした。


ただ予想だにしないカタチで、僕たちが理想としていた物件に出逢えることが出来たのです。
それはずっと二宮町の空家バンクに掲載されていた家。
築80年の8LDKという、あまりにもBIGな物件。
間取りと画像だけでは、そこまで惹かれる感じではなかったのですが
中へ入ると、何だか少し運命の糸を感じるというのか。面白くなりそうな空気が充満。
日本家屋のそのままの平家と、後側に増築された二階建てで構築された少し不思議な建物は
2階に上がると太陽の陽射しが降り注ぎ、二宮の海がちらりと覗ける。猫も気持ちよく寝られそうです。
ちょっとした建具が可愛くて、古い家ならではの余白があって、条件としては申し分ない建物。
お店を続けるかは、先ずは物件と、そして家賃次第と思っていたので、気持ちが一気に傾きます。
その日は一旦冷静になろうと、実家に帰って眠りにつこうとしても、脳の興奮が抑えきれずに眠れないまま朝に。
翌日もアポイントを入れていた不動産屋さんに行き、色々お話をしていくと、担当の方が他の物件よりも
昨日見たその物件が一番希望に近いのでは?それなら…と、大家さんに直接会わせて頂ける事になりました。
それもなんだかとてもスムーズに。
これはもう、ここしかないのではないかという、ある意味では運命を感じた瞬間でした。

                                     つづく

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