夏休みシリーズ 3

夏休みシリーズと題して、この夏の思い出を綴っていきたいと思っています。
昨日の定休日は、以前よりお客様と話をしていて、僕の願いを叶えてもらうツアー。
「鰻」を食べに岩手県のお隣、宮城県登米市に向かいました。
盛岡から高速道路と一般道を乗り継いで、大よそ2時間30分の距離でしょうか。
岩手県と宮城県の県境に位置する登米市は人口7万7千人。
江戸時代に北上川を使って船で、岩手⇔宮城を物資を運ぶ際の要所として栄えた街。
何故、この場所で「鰻」が食べられるかも、後になって理解したのですが、
初めて訪れる街は、歴史や文化を想像しながら歩くのがとても楽しい。
外観が素敵な洋館の建物が多く現存し、明治時代の面影がしっかりと残る街並み。
物流の変化(船から鉄道)によって、要所としての役割は無くなりましたが
古い建物が崩されずに残り続けていると、その当時の面影を何となく感じる事が出来ますし
街並みを見ながら歩くだけでも楽しめるというのが、現在でも大きく街のプラス要素となり
魅力に繋がっていることは間違いないと思います。

旧登米高等尋常小学校は街のシンボル的な存在。(現教育資料館)
現在は新しい校舎がさらに奥の敷地に立っていますが、建築物としての佇まいは圧巻。
バルコニーのような正面玄関や、吹き抜けになった廊下など風が気持ち良く抜けそうで
古さを感じさせない、美しい建築物であることは間違いありません。

登米と言えば、2021年にNHK連続テレビ小説「おかねりモネ」で舞台になったロケ地でもあります。
当然のことながら、物産館の全壁面から中にまで余すことなくポスターで打ち出しておりました。
僕はモネ途中で脱落してしまったので、語ることは出来ないのですが・・・浅野忠信さんの演技が
抜群だったことは覚えております。りょうちんも良かったですね。

ご一緒してくださったAさんが建築分野に詳しいこともあって、色々と説明を受けながらの街案内。
建築家、隈研吾さんが移築に携わった建物もあったりして、新旧が交差するような感覚。
気温が高すぎて、さらっと見てしまいましたが涼しい季節にまたゆっくり回りたいと思います。

さらに歩いていると、「ここ、道路に対して建物が斜めに建っているの分かりますか?」と
急にブラタモリ感のAさん。確かに建物の正面が斜めになっています。
武者隠しの街並みは、弓などの攻撃から身を隠せる場所が幾つも存在します。
横道が多いのもその名残だそう。戦国時代ならではの空気を今でも感じることが出来ます。
レトロな看板も多かったので、建物を見るだけでも一日過ごせそうな街並みでした。

今回のメインイベントとして期待が高まる「鰻」
見えてきた看板で、間違いないことを確信。
この土手を越えたところには北上川。
立地も含めて完璧ではありませんか!!

運が良い日に食べられる「天然物」
この日はなんと、食べれる絶好のチャンス。
水槽には天然鰻が気持ち良さそうに泳いでいました。

僕が頼んだのは天然物ではなく、養殖物のタイプ。
妻が天然物を頼んだので、食べ比べしたいと思ってしまい、養殖物のうな重を。
美味しい。そして妻の天然物と食べ比べ。
う~ん。正直、目隠しされたらどっちがどっちか分かる自信がなかったです(笑)
天然物の方が、身の弾力が微かに強いかな。。。と思いましたが、素晴らしい体験になりました。

食事を終えて、横を流れる北上川を散策。
盛岡を流れる北上川の顔とは随分と違って、川幅がとても広く流れが凪。
ご一緒してくださった方から説明を受けて納得。
北上川は一関辺りから地形の落差が殆どなくなり、川幅は広がるものの流れは穏やかに。
登米もまさにそれで綺麗な水ではあるものの、鰻が好みそうな濁りのある水質で流れが緩やか
きっと餌になる食べ物も豊富にありそうな雰囲気が漂っていました。
今でこそ高級食材として扱われるようになった鰻ですが、つい最近までは庶民にとっての
夏のスタミナ源として食べられていたことを思うと、きっとこの場所も船で物資を運びながら
行き来する商人などの憩いの場として栄えていたのだろうと思ってしまいました。
後半へ続く。

PageTOP