九州の旅 Ⅱ

2日目は雨の音とともにスタート。
これも何だか恒例になった、早起きからのホテルで秋冬商品の打ち合わせ。
この朝の打ち合わせが、直接に会ってやり取りしているからということもあるのですが
毎回、想像以上のアイテムが出来そうだ!と手ごたえを感じられて良かったりします。

打ち合わせを終えると身支度を整えて出発。
午前中はAULICOの染め場にお邪魔をして、製品を洗うこと、染めること、仕上げることについて
実際に手を動かす様子と、製品が製品として仕上がるまでの過程を細やかに教わりました。
平原さんの動きと言葉を一言一句、聞き・見逃さずまいと、必死でついていく。。。。
も、どんどん脳のエネルギーが消費されていくのも分かる。生あくびが出るほどに。。。
いや、それくらいに中身が濃密で、とても楽しいし貴重な時間でした。
その人にとっての当たり前があまりにも想像を越えて凄すぎて、自分が今、目にしていることと
理解していることとの大きな隔たりがあって、そのギャップに一瞬心が折れかけましたが
何とか気持ちを立て直し、特別な時間を過ごしたなと思ったら一瞬で午前中が過ぎていました。
6月の再オープンに向けて、オーダーをしていた商品の準備も進んでいるのが確認出来て
思わずニヤリと。海のある街にきっと似合うだろうな~と、今からワクワクしております。

お昼ご飯は以前から気になっていた「やぶしげ」さん
ランチ時間は過ぎていたのですが、次から次へと暖簾をくぐるお客さん。ここも人気店。
佇まい、接客、入った瞬間に美味しい!と分かる空気感。
うどんは、芯までしっかりと火を通した、くったりやわやわタイプ。
九州に来てはじめて食べた時は戸惑いもありましたが、今となっては完全に虜。
肉・ごぼう天とよくばりスタイルに、さらにお稲荷さんをプラス。
わやわやうどんがお腹の中で膨れてもうお腹いっぱい。
そして緊張感が解れたのか睡魔に襲われながら、次の目的地へ。
鹿児島県の大隅半島に位置する鹿屋を目指します。

その前に、またか・・・と思った方もいるかもしれませんが
僕のリクエストで立ち寄ってもらった場所が「アビルランド坂本」
ここの温泉も素晴らしかった。茶褐色のお湯は見るからに身体の芯に効きそうです。
色を見る限りはクセが強いのかなと思っていたのですが、匂いもほとんど感じず温度も優し目。
ですが、しっかりと身体に染みわたる感じがしました。
場所は行き易いとはいえない所ですが、次から次へと地元の方が入れ替わり立ち代わり。
後から知ったのですが創業100年を超える温泉で、鹿屋でも秘湯と呼ばれているそうです。
都城温泉といいアビルランド坂本といい、九州も本当に良い温泉が湧いていますね。
地元の常連さん達の、お湯に浸かっている時の表情が忘れられない。
ここは目指して行く場所になりそうですが、また機会があれば訪れたいなぁ。

今回の旅でもう一つ、行きたいと思っていた場所「araheam」さんへ
訪問するのは二回目。2年前に別の場所へ移転リニューアルされたのを知っていたので
どこかのタイミングでまた行きたいなと思っていました。
araheamの店主・たくちゃんと逢うのは三回目となります。
entwineの時と、翌年にaraheamを訪れた2018年以来なので約4年ぶり、ん5年ぶり!?
変わらずに、あの屈託のない笑顔で僕らを迎えてくれて本当に嬉しかった。
お店は想像していたよりもダイナミックなスケール感となっていて、驚きと気になるあれこれ。
前のお店もとても素敵でしたが、新店舗は更にブラッシュアップされていてスタッフの方も
お客様もよりのんびりと開放的に過ごしている、居心地の良さが伝わってきました。

店内は植物を中心に、セレクトされた雑貨・洋服・食べ物・コーヒー・ワインなどが購入可能。
イートインスペースもゆったりとした間隔で確保されていて、何時間でも居られそうな雰囲気。
植物も温暖な地域ならではの見た事のないモノばかりで、活き活きとした表情をしていて空気が良い。
前回訪れた時も感じた、行くことでしか分からない空間の良さを肌で感じられる良いお店。
機会が在れば、ぜひ一度は足を運んでいただきたいなと思う場所・お店です。

この日の夜は、たくちゃんがアテンドをしてくださりイタリアンのお店「saitogura」さんへ。
奄美大島出身の店主さんが作り出す料理は、見た目・味・全体の調和、何処を切り取っても素晴らしかった。
夜はコース料理のみの案内なのですが、前菜からスタートしてもう食べられない。。。というくらいに
大満足する内容でした。前回、来た時にも鹿児島いいな、すごく好きだなーと思いましたが
今回の旅でもっと知りたくなりましたし、土地の持つエネルギーの強さと豊かさをより実感。
美味しい料理を食べるていると、自然と会話も盛り上がって、次は神奈川県で逢いましょうと。
約束をして、二日目は終わりホテルに戻ります。旅は続く。

九州の旅 Ⅰ

九州(熊本・宮崎・鹿児島)への旅も何度目だろうか。
丁度気候が良くなるタイミングで、次の服作りの打ち合わせと、行きたい場所を目指して
二宮から羽田⇔熊本のフライトで出発しました。
前回行った際には、熊本地震の影響で仮設の建物だった熊本空港も綺麗にリニューアル。
空港を降り立った瞬間に感じるのは、二宮ともまた違った暖かな空気と
そこでいつものように出迎えてくれるSOWBOW吉村さんに逢うと九州へ来たことを実感します。
今日から3泊4日の短い旅がはじまります。

吉村さんの幼少期の思い出の品「うと餅」
先ずは「うと餅」を買いに行きましょう!!という事で、車を走らせてJR宇土駅へ。
駅前にある山崎デイリーストアさんの中で販売をしている「うと餅」は
ころんとした小さなかわいいお団子で、賞味期限は当日というお餅あるある。
何年か前のSOWBOWの展示会で初めて食べさせてもらったのですが、餅文化の濃い岩手にいたので
餅にはまぁまぁうるさいですよ。と言って一口。う・・・うまい!
団子に大福その他ジャンル様々なお餅を食べましたが、そのどれにも当てはまらないバランス。
そして一口でパクっと食べられるサイズが丁度良い。
前回も連れて行ってもらった場所ですが、デイリーヤマザキで売っているというところも乙です。
熊本に行く機会があれば、ぜひJR宇土駅で途中下車?をしてください。試す価値ありです。
駅を降りてすぐにお店があるので、お餅好きな方にはお勧めしたい逸品。

手土産をゲットして、九州自動車道をひたすら南下して宮崎県都城市を目指します。
高速道路で約2時間30分。ここに来たら欠かすことのできない温泉「都城温泉」へ。
都城へ来ることの楽しみの1つでもありますが、秘境とかではなく都城市内にあって
温泉の質と湯量がとにかく豊富です。地元の方と外気浴をしながら他愛のない話をする。
言葉のイントネーションの違いも何だか心地良く、そんな些細なことも含めて
旅の、特に地方都市へ行くことの楽しみ、面白さだったりします。

都城温泉で身を清めた後に、向かったのはJR西都城駅の中にお店を構える「concourse aulico」
rasikuでもお取り扱いをさせて頂いている「AULICO」の直営店。と言う表現をすれば
分かりやすいのかもしれませんが、頭の中で想像する直営店とも良い意味で違う空間が広がります。
洋服のセレクトもそうですが、ふとしたところに並ぶ文房具の品揃えもセンスが抜群。
いつも欲しいものが在り過る、、、、店主の平原さんと話をしながらも頭の中はお買い物センサーが
ぐるぐる回転していましたが、何とか欲しいものを決めていきます。

お喋りとお買い物の間に、外はすっかり日が暮れていました。
ちょっと見え難いですが、人が行き交う哀愁を感じさせるバス乗り場の看板と
お店の目の前にあるシンボルツリーが良いなと思って、この場所へ訪れる度に
自然と見入ってしまう光景です。

この日は西都城で一泊。楽しい宴へと向かいます。
いつもご飯をご一緒すると食べた事のない感性を刺激する場所へ連れていって頂くのですが
今回は焼肉。一人前ずつが各自の目の前に用意されて、それぞれに焼き加減を調整しながら食べられる。
というのは初めての経験でした。相手に気を使い過ぎずに焼肉が楽しめる贅沢さを堪能しましたし
一番衝撃だったのはお肉のフレッシュさが際立ち、匂いが洋服につかないという事実。
旅に出ると日常から非日常空間へ足を踏み入れるだけあって学びが多く、インプットの連続で
脳もフル回転しているので、寝付くのもなかなか大変だったりします。
明日の朝は早くから打合せがあるので頭の中を整理して、布団に潜るも脳に刺激が在り過ぎるのと
いつもとは違うお布団にフィットせず。深夜2時にようやく就寝。
旅は続きます。

4月1日

今日から4月。
内装工事の打ち合わせが前進して、頭の中にあったぼやっとした部分が少しだけ晴れて嬉しい。
これから少しずつですが忙しくなりそうな予感。
当たり前ですが、その分野に精通をしているプロはやっぱりプロだなと。
何人かにお店のこと(内装)を相談してみたのですが、意見は皆さん共通。
僕だけ張りきった感じで、あれもこれもとお願いしてみたものの。。。
建物を見てくださった皆さまの率直な声と、毎日毎日ここで空間を眺めていると
手を入れすぎず、焦らず急がず時間をかけて整えていくやり方が良いんだなと思えてきました。
その方向性が、むしろ自分たちも得意だったのを見失いかけてました。(笑)
遥々二宮まで足を運んで下さった方々、ありがとうございます。
引き続きよろしくお願いします◎

今日は海へ。
通ったことのない路地を歩きながら海岸まで行く道が楽しい。
ここはさらに人が少なくて、砂浜になっていてロケーションも開けてて良い。
そして哀愁が漂う釣り師。
まだ梅沢海岸で魚が釣れたところを見たことがない。。。

子どもたちはとっくに水着?ずぶ濡れになって波打ち際で楽しそうに遊んでいた。
ダウンベストを着ていた自分が何だか少しだけ恥ずかしかった。
明日からは九州方面へ打ち合わせに、より暖かい場所へ。(雨予報だけど)
また九州の空気と食べ物、文化に触れてお湯に浸かれると思うと楽しみだ。
家に帰って準備を進めよう。

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