3月31日

SUSURI   レヴーズブラウス

color    custard

price     41800-(TAX IN)

SIZE     1 SOLD

はっきり目覚める前のぼんやりとした意識の向こう側で耳にする雨音と、お風呂に浸かりながら聞く雨音は格別。
大概そんな雨の朝は気持ちよくて二度寝してしまうのですが、今日は珍しくシャキッと起きれました。(驚)
思ったより気温が高かったからでしょうか。
でも起きて一番にすることはいつものようにストーブをつけて、やかんを乗せること。
日々の気温さが激しいので焦らずゆっくり体を慣らしていきましょう。

去年展開したレヴーズドレス
小花プリントのざっくりリネン生地も好みでしたが、このかたちが好きで好きで・・・。
その時はドレスのみのオーダーだったので、春夏ではこのフワッとギャザーのドレス・ブラウスで
陽気な春を過ごしていただきたく、それぞれ二型二色をご用意してみました。
生地のタッチやお色との相性で、着た際の雰囲気・シルエットにも変化が見られるのもまた良いですね。
ドレスに関しましては、現在店頭に並んでいるお色が”custard”のみとなっておりますので
ぜひご覧になりたい方には、実際にお試しいただければと思います。

小さいながらもきりっとな印象を作る立襟。
ボリュームを持たせた袖とはちょっと対照的に、スッキリと縦のラインを意識したフロントの仕様。
シンプルなようで華やか。華やかなようでシンプル。
リラックス感のある古いナイトウェアを思い浮かべて作られたかたちは、見た目以上に軽やかで
生地のコシとしなやかさも際立ち、動き難さや窮屈さなども感じられません。
たっぷりの部分はあえて誇張させながらも、それが心地良くてや純粋に可愛いなと思えるのは
その分の匙加減がしっかりと細部に行き届いているから。

アームホールからではなく、落とした位置で切り替えた袖に細やかなギャザー。
袖口もきゅっと窄まっているので、たっぷりとした袖が存分に楽しめますし
カフスの釦を外してくるっと捲ったり、きゅっと肘下あたりまで袖を引き上げたり動きを出すと、
さらに違った一面が見えてくるのではないかなと思います。
また昨年も今年もお客様とコーディネートで盛り上がったのは、ベストとの組み合わせでした。
SUSURIがつくるベストとの相性はもちろん完璧で、そのままでも十分ポイントになる袖の膨らみが
一際輝いて見えるのでした。

前丈と比べて、長めに設定している後ろ丈。
かっちりと着るのも素敵ですが、前開きの仕様を活かして釦を留めずにパサッと羽織るなど
あえてラフに纏ってしまうのも良いのかもしれません。
エレガントな印象を残しつつ、クリアで清潔感のあるリネンの生地を気持ち良く日常の中に
落とし込んでいただけたらと思います。

動いている時や止まっている時、それぞれの見る角度によっても印象の違いを生んだりもします。
そういった小さな違和感や違いをネガティブにではなくて、驚きや面白味と捉えれば物の見方は
とても楽しいものになると思いますし、相互作用でお互いを引き立て合っているブラウスを着ると
自然と楽しくなってしまうのでは?と、そんなことをほわほわっと想わせてくれるような一着。

color    slate

price     41800-(TAX IN)

SIZE     1 SOLD

custardとslateの二つのお色。どちらの色も柔らかで、淡くてはっきりとした発色が美しい。
slateは鈍い光沢感がより大人っぽい印象に見えます。
明るい色目を欲する季節ですが、なんとなくこのブラウスにはブラックのボトムを合わせたくなり
パンツでも良いなと思いながら、ふと目に留まったボリュームのあるスカートを。
たっぷり同士でもそれぞれ縦にスッと落ち感がある作りだと、納まりも良く綺麗にまとまります。
着丈がすっきりしているので、どんな身長の方でも合わせるボトムはそこまで選ばずに
スカート・パンツどちらの組み合わせも楽しめると思います。

まだ少し肌寒かったのでインナーには薄手の長袖カットソーを着ています。
首のラインなどがくっきり透けてしまうようだったら脱ごうっ、と思って撮影しましたが
slateは分からないぐらいでした。(custardは薄っすらと、でもそこまで気にならない)
生地は触った感じですとそこまで厚みがある感覚ではないのですが、それは生地の艶っぽさや
しなやかな肌触りがそう感じさせるのかもしれませんし、発色の良さも合わさり変に透けないのかなと。
なのでインナーがノースリーブになっても安心して着ていただけますし、一枚で着られる時期になったら
素肌にあたる生地の潤いや、風抜けの心地好さを堪能していただきたいです。

卒業シーズンが一段落して、今はこれからはじまる新生活や新学期に向けての準備だったり
忙しくされている方もきっと多い時期ですね。
新しい環境に進む方も、同じ場所で新年度がはじまる方も、無意識のうちに身体が強張ったり
緊張が解れて自分のリズムを掴むまでには、それぞれにある程度の時間が必要だと思います。
そんな時こそ自分なりに緊張をほぐせるような、食べ物でも着るものでも人でも何でも良いので
パワーチャージできるものを持っていると力強い味方になってくれるのは間違いないと思います。
因みに私たちのパワーの源は、これまではじっくりストーブで煮込んだ大根の煮物やスパイスカレー
だったんですが、最近は産直に葉物が出てきたのでウサギの様にムシャムシャ葉っぱを食べています。
あと生命力を感じるような、ちょっといい卵でTKGを。
そんな風に洋服でも力の源になるような一枚をお選びいただけたら嬉しいです。

3月11日

SUSURI   フォッシルドレス

color    BAIGE

price     77000-(TAX IN)

SIZE     Ⅰ

薄曇りだった空から陽射しがふり注いで、仄かに暖かく穏やかな時間が流れています。
あたたかい、というのは良いですね。
今日もいつものようにお店を開けて過ごすことができました。それだけで佳い日。
多くの方の心にあたたかな光が灯り、心からそう思える様な世界になることを願います。

昨年の春夏に展開された際にも、目に留まらない訳がない華やかさと、人の手しごとによる表現の果てしなさが圧巻で
その時はすぐに反応できず、記憶だけがしっかりと残り続けていたモチーフを纏ったドレス。
今シーズンも形を変えてリリースしてくださったので、喜びと、型抜きの花びら一針一針の刺繍に想いを馳せて
届くのを心待ちにしていました。
フォッシルドレスのイメージの元になっているのは、古い写真の中にあるような質素で素朴なかたち。
現在の感覚では、どちらかといえば華やかな印象に映るのかもしれませんが、煌びやかさやキラキラ眩しいのとも違って
生地の接ぎの多さによって作られるシルエットの美しさ、エレガントなムードを感じていただけたらとおもいます。
結婚式やパーティ、式典など特別な日のフォーマルな装いにお勧めしたいなと思ってはいるのですが、個人的には贅沢にも
普段の日常の中で自分にとって大切な場所や人と過ごすときに着たり、カジュアルに組み合わせて着るというのも良くて
そんな風に手に取ってお楽しみいただけたら、嬉しいです。

肩はセットインで、全体のシルエットから見ると上半身はとてもスッキリさせていてますが、いざ袖を通してみると
内側にこんなに広い空間があったのかと、建物の中に入ったかのような感想を持ってしまうぐらい、身体と布の間に
余白が感じられます。とは言えゆったりという表現は合わなくて、適度な距離を保ったドレスの形に自分の体や姿勢が
フィットしていく感覚です。
前と後にぽわんと膨らみを持たせることでより立体的なシルエットが生まれ、上から下への曲線的なライン
特にバックシルエットが美しく見えるように感じました。その分背中や首もシャキッとしたくなりますが。。。

ポケットは最初ある事に気付かなかったほど、さり気なくちゃんと存在しています。
エレガントな雰囲気を崩さない様に、脇下の切り替えの位置をスーッとなぞっていくと
自然と手が入るポケット。

カラーは昨年から続くBEIGEと新色のBLACKが増えて二色の展開に。
ベージュを着た際の印象の柔らかさが、鳥足の刺繍で紡いだモチーフの素朴な雰囲気とも相まって
華やかさもありつつ、その場の空気が和むような印象を抱きました。
刺繍や黒のパイピングが良いアクセントにもなっているので、シンプルにカーディガンを羽織ったり
ボトムやインナーパンツを穿くと気張った感じにもならず、そこまでカジュアルにも寄り過ぎません。
どちらかと言えば、自分が好きな素材感やデザインの服で特別な日を迎えたいという方のための服で
フォーマルに限らずとも、着て気分が上がるのは間違いないと思います。

color    BLACK

price     77000-(TAX IN)

SIZE     Ⅰ SOLD

新しいお色のブラックはよりシックな印象が強くなりますが、コットンリネンの生地のハリ感や艶、
また刺繍された花の模様が静かに浮き出てて、息を飲むような魅力を放ちます。
ベージュにはボトムを合わせたので伝わり難かったのですが、ブラックだと見て取れるように
生地に光があたると微かに透けるぐらいの生地の厚さです。そこまで薄地では無いのですが着心地は軽やか。
一枚で着られる際には、ペチコートやインナーショーツを穿いて頂くと安心です。

首元はやや深めに開いているように見えるのですが、釦を留めると肌はそこまで見えません。
こういったドレスを着る時にはインナーの見え方が気になるところかなと思いますが、
鎖骨よりちょっと下が見えるぐらい開きが広めのぴったりとしたタンクトップやキャミソールは
問題なく(見えずに)合うと思います。ただ今時期はタンクトップにドレスだけでは寒いと思うので
長袖や七分袖を合わせたいという場合は、出来るだけ滑りの良い表に響かない生地感のインナーで
Uネックぐらいの開きであれば、そこまで気にならずに合わせていただけます。

何気ない仕草や動き、見える角度によって、うっとりとしたりハッとなったりもするドレス。
SUSURIのお洋服を何着かお選びくださった方が、見るのも良いけど着るともっと良いよね、
すごく自分が素敵に見える!と、明るくサラッと言われたのがとても嬉しく心の中に残っています。
自分達も展示会に足を運ぶ度に、今までに無い感覚が刺激されたり、過去の経験が結びついて
新しい感覚が生まれたり。SUSURIの洋服を通して自分達がそういった瞬間に出逢えていることにも
いつも喜びを感じています。
このドレスも着る人によって様々な感覚が生まれる一着ですので、ぜひお試しいただけたら。

2月28日

SUSURI   ディグカバーオール

color     khaki

price     62700-(TAX IN)

SIZE     1

毎年のことと分かって、年々加速しているかのようにこの2か月は足早に過ぎていきますね。
あまりに早いので、すでに記憶が1月と混ざり合ってしまっています・・・
そんな2月最後の週末も、足をお運びいただき嬉しい時間をありがとうございました。
考え込んでしまったり、やるせなさが心を覆う様な出来事ばかりですが、笑う事も忘れずに。
ちょっとでも心が和らぐような時間を持つ事を意識して、何より来て下さった方には気持ち良く
楽しい時間を過ごして頂けたらなと思います。


SUSURIの新しい季節の立ち上がりは美しいリネンを使用したカバーオールからご紹介。
2月納品のリネンアイテムは、この土地の気温を考えると正直躊躇してしまうことが多いのですが
このリネンに触れた時の、むしろ触れる前から服に滲み出ていた(よい生地です)という表情と
これぞまさにしっとり・・・な心地良い肌触りに、躊躇する心は何処かへ飛んでいってしまいました。
柔らかいだけじゃなくリラックス感だけじゃなく、ちゃんとコシがあって上品さを感じさせるところも
SUSURIならではという生地ですし、展開された3色ともに柔らかくて深みのある色でよかったのですが
その中でもこのカバーオールの雰囲気に合うなぁと感じたkhakiを選びました。

デザインには古い時代の素朴なドレスを土台とすることで、クラシックな雰囲気を纏っています。
しっかりと詰まった首元とやや内側に入った肩線。狭い感覚でみちっと並ぶ釦は手間取りますが可愛いです。
上半身はややコンパクトかなと思うのですが、釦を下から留めていくとなんとも不思議で身体がすっぽりと
納まって、生地のコシと柔らかさと、何より秀逸なパターンのお陰か窮屈さを感じさせません。
ドレスを想わせるのは腰よりも少し高い位置の切り替えと、そこに寄せられた細やかなギャザー、
そして裾先までゆらゆらと綺麗に流れる生地のドレープから。
ゆったりとしたシルエットのパンツは、足をパッと広げるまでは案外気付かれないかもしれません。
静と動の対比、そのどちらの瞬間の姿も美しく見栄える様に狙い定めたデザインに、着ている自分が
その時々でハッとする、まさにツボを突かれる感覚のドレスのようなカバーオールです。

横からの見え方も、上に記したように止まった立ち姿はエレガントなドレスを纏っている様で
一歩足を前に出せば、滑らかな生地が動きに合わせて心地好くはためきます。
パンツ部分には両サイドにポケット。
袖は少し短く設定していて手首が見えると軽やかさを感じますし、何よりも涼し気。というか涼しい。
インナーを着込まずに気持ち良く一枚でさらっと着られるのは、イメージとしては5月頃でしょうか。
そこまで薄い生地ではないので、少しでも早く着たい方インナーにシャツや薄手のタートルなど重ねたり
さらに上に羽織物を組み合わせることで、季節感もミックスされて良いと思います。
ワイドパンツは風抜けが良いので、冷えない様にタイツやレギンスでカバーしつつ。
足元もこれからもっと路面の状況も良くなって、少しずつ履ける靴の選択肢も広がってきそうです。
ペタンコのバレエシューズやローファーも合いそうですし、春色のソックスやスニーカーなども良さそう。
もうあれこれと想像するだけでも、明るい兆しのように感じます。

今回は同じ素材で作られた、ゆったりベストとパンツのセットアップもご用意しています。
そちらはkhakiとnavyの二色で、また別の機会にご紹介いたしますね。
春夏の、どちらかと言えば初夏の方まで近づいた新緑がわさわさっと茂った頃が似合いそうですが
リラックスしつつもちょっと気取った装いを、揃いの生地でというのもなんだか素敵ではないでしょうか。
3月という響きに誘われて、ぜひ店頭へ足をお運びいただけたら嬉しいです。

1月27日

SUSURI   ジャイルズジャケット

color     black

price     53900-(TAX IN)

SIZE     4 SOLD

店内改装工事と模様替えのため長らくお休みしましたが、予定通り本日より通常営業しております。
ほとんどの商品と什器を一度外へ出してから、強力な助っ人と頼りになる工務所の大工さんのおかげで
改装工事まではスムーズに終わることが出来ました。
そして後半、レイアウト決めと売場設営がとにかく難所。自分達の凝り固まった思考をなるべく解して
入りきらない・・・と挫けそうになりながらも、最後はイリュージョンでなんとか形に収まりました。(笑)
今まであった品物もより生き生きと見えたり、まだ探り探りな部分もあったり、このヒトと空間と品物の
微妙な距離感も自分達にとっては新鮮な気持ちになれることなので、この様な機会は大事だなと感じました。
昨日一日は何としても温泉に浸ろうと決めていて午前中で切り上げ、心身ともに清まり完璧です〇
今日からまた健やかにお店を開けて、お客様にゆっくり服と空間を楽しんでいただけたら良いなと思います。
ほんの少しですが新商品の入荷もあったりしますので、お近くにいらした際はお立ち寄りくださいませ。

21A/WのSUSURIから。
以前BLOGでご紹介したマルトコートと同じ素材で仕上げたカーディガンのようなジャケットのような、
どちらにも取り入れられる羽織物。
まだまだ3月まではウールが活躍する気温の街では、コートと同じくらいか実はそれ以上に欠かせないのは
こういった中間着だったりしますし、緊張感なく気持ち良く着て過ごせるのはむしろこれからかと。
太いウール糸でざっくりと織り上げた、良いとこどりでうっとりの生地をぜひご堪能ください。

フロントにボタンなどの留め具はなく、付属のピンで軽く留めるか前開きでさらりと羽織る仕様。
裾や袖先など端となる部分はぐるりと全てブランケットテッチでの縁取りがポイントになっています。
カーディガンぽいけれどジャケットでもあり、ジャケットだけどカーディガン的な着方も出来るので
名称に拘らず、インナーとの組み合わせ方や前を開けたり留めたりの着方の工夫で、気分と場所に合わせて
気負わず羽織っていただくのが良いと思います。
サイズもゆったりめのワンサイズ展開となっていますが、小柄な方が羽織ってもさほど大きいと感じさせない
体の曲線をなぞるシルエットなので、体型問わずにお選びいただけると思います。

横から見ると分かりやすいですが、背中から腰の位置まで微かに膨らんでいます。
立体的なシルエットと、不規則なリズムで単色ではなく混ざり合った色糸が織りなす生地の奥行きのある表情。
静かな佇まいの中に潜む躍動感は画像で見るよりも実際に袖を通した時に、より浮き出てくるように肌で感じますし
それが心の高揚にも繋がるように思います。
リラックス感があって包みこむような着心地の服は、特に体が強ばりやすい季節ほど取り入れたくなりますね。
カーディガン的なアイテムは脱ぎ着も楽なので、室内でお仕事されていて時にそういったシチュエーションが多かったり
温度調整が必要な方にはお選びいただく機会も多いので、これからも隙あらば提案していきたいなと思っています。

秋冬のアイテムのご紹介はほぼ終わりとなりましたが、店内ではまだまだゆっくりお選びいただけますし
暖かくて軽やかなアイテムは冬の盛りの今こそ、手にされても遅くは無いのではないでしょうか。
自分たちもあまり先を急がず、毎日の生活の中で今こんなのが着たいなーとか、少し日が伸びてきたから
明るい色を着ようかなとか、日々のグラデーションを楽しみながら洋服を提案したいと思っています。
そんな風に店内もあまりカテゴリーに捉われずを意識しましたので、ぐるぐると見渡していただけますと幸いです。

12月10日

SUSURI   マルトコート

color     black

price     96800-(TAX IN)

SIZE     1 SOLD

ここ数日は手先まで痺れるような寒さが弱まって、お日様が出ていてとても過ごし易い。
今朝は氷点下まで下がったようですが、日中は気温が10℃近くと聞くと身体を動かしたくなりますね。
いつもの12月はこんな感じだったかなぁと思い出してみるものの、気候は毎年少しずつ変化しているので
今までの当たり前と無理矢理に比べたりする必要もないのかなと思ったりもしています。
これぐらい穏やかな気候の冬が続いてくれたら、それはそれは嬉しいですが。。。

SUSURIから今年もまた素晴らしいファブリックを用いたコートが届きました。
数年続けているザックリとした太番手のウール糸で織った生地は、当然の事ながらふっくらとして暖かくて、
それ以上に何かを訴えかけてくるようなオーラと佇まいを持っています。
日常と非日常との境目を行き来するようなコートは、式典などのご家族の行事がある際にも良いでしょうし
そうではなく、普段着に合わせる事で程良い緊張感を持たせられるのも良いかなと思ってしまいます。
クラシックな雰囲気をそのままに当てはめるのではなく、今の空気もさらりと纏わせながら表現されるコートは
毎年来る冬の訪れに、気持ちを高める1つの支えになってくれるのは間違いないのではないでしょうか。

何よりも目を惹くのは、はっきりとした主張のある大きめの襟。
ストレートに可愛いと感じられる方がいれば、すごく懐かしい!と仰ってじっくりご覧になる方も。
色んな方の注目を集めながらも、静かに凛と佇む美しいコートは、一見とても華やかになりそうかなと思うも
羽織ってみると意外とそこまで派手さは感じさせないところは、SUSURIの服の魅力とも言えます。
物語の中にいる様な気持ちも確かに湧き上がりますし、デザインだけではなく生地だったり着心地だったりに
うっとりもするのですが、どこかノスタルジックな気分も混ざっていて本当に不思議ですし、
どちらにも寄り過ぎないという、絶妙なゆらぎをこうして表現出来る事は素晴らしいなと思います。

肩のラインはセットインスリーブ。
見た目以上に生地の分量を贅沢に使用しているので、店主(身長178cm)がサイズはコンパクトに感じるのですが
着ても可動域がしっかりと確保された作り。いつも感心してしまう部分でもあります。
内側はコットン50%×キュプラ50%のライニングが全体に張っているので、袖通りもとてもスムーズ。
コートに対してインナーをあれこれと考え過ずに着られるのも、厚着をする日もある冬場は特に気が楽です。
マルトコートの他にも同素材を用いた1枚仕立てのカーディガンジャケットも届いてるのですが、そちらモデルは
より室内着としても重宝する羽織物。
仕立てが異なると全く空気を変えた状態に見えてくるので、洋服は布の使い方1つでこうも変わるのだという事にも
気付けるのが面白いです。

機械織りの生地ですが、手織りの様なざっくりとした風合いがあって岩手で言えばホームスパンの生地感が
ニュアンスとしては遠すぎず近すぎずのイメージでしょうか。
ブラックとグレーという違う色糸を、不規則な組織の織りにする事でツィード調の奥行のあるトーンの黒で形成。
盛岡の古い建物が多く残る街並みにもすっかり馴染む様なクラシックさと、曲線で描かれた
柔らかな部分は、中津川の流れにも似通った部分があるのかなと、ちょっと強引に漕ぎつけてみたり。。。
純粋に服、その中でもコートの完成度は毎回の事ながら群を抜いて巧さを感じてしまいますし、冬の景色の中
コートを羽織って歩いたり、ただそこに佇む姿を想像したくなる。そんなコートです。

color     ecru

price     96800-(TAX IN)

SIZE     1

いつもなら冬のコートとなれば、迷いなく黒や紺、グレーなど落ち着いたカラーばかりを選ぶのですが。
今年は白いコートがとても気になって気になって、選びきれずにblackとecruの二色とも並びました。
真っ白ではなくオフにベージュの混ざった、おやつのスノーボールみたいな色目もやっぱり冬に合うでしょう。
大きな襟と、大きな釦。そしてたふっとした大きなポケットも付いていて、パーツの存在感や生地分量から見て
コート自体も重そうな雰囲気もあるのですが、見た目に反して着心地はとても軽やか。
ウールの糸の柔らかさと暖かさとに、全てが包み込まれるような感覚は一度味わってしまうと、もう後戻りが
出来ない可能性もありますので、どうぞ慎重に・・・ならなくても良いです。飛び込んで下さい。

汚れてもクリーニングさえ毎シーズン忘れずに出すなどして頂ければ、問題はクリア出来るのではないかと。
繊細でしなやかな曲線的なラインが、より一段と際立つのはやっぱり白かもしれません。
コート事情に余裕のある方、コートが何よりも好きな方に挑戦して頂きたい、そんな風に思っています。

SUSURIの今シーズンのテーマは「ロマンティックな妄想を重ねた日常」
希望を含んだ空想は、それが特にロマンティックであるほどに、
いつの時代も小さな喜劇と悲劇を繰り返す日々に彩を加えます。
(SUSURI HPより)


現実かどうかもよく分からない日々を過ごしてきた私たち。
その中でもその時に感じた痛みも喜びも、色んな感情を持ち合わせることが出来たのは確かで。
出来るだけ素直に、目の前の人に向けて出来る事をやろうと進んできた時間だったように思います。
だからこそSUSURIが生み出した服と、服に込められた想いに何だか胸を打たれる部分もありますし、
全ては繋がっているので、今シーズンもこうしてお客様にSUSURIの物作りをお届けする事ができて
嬉しい気持ちです。
秋冬の納品は完了しましたので、ぜひ店頭で冬の服をお楽しみください。

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