2月16日


JUJUDHAU  ROUND NECK COAT

color     CHINO BEIGE

price     35000+TAX

SIZE      FREE SOLD


昨日までのぽかぽか陽気と打って変わって、冷たい霧雨とどんよりと重たい雲が広がる日曜日。
こんな日は自宅で暖かいコーヒーを飲みながら溜め込んでいた本を読み耽ったり、見たいと思っている映画を観たり
感性が穏やかになり、心の充実を図れる様な1日にしたいですね。
先日実際に足を運んで空気を感じてきたネパール。JUJUDHAUのお洋服は全てこの地で作製をされています。
商業的になり過ぎずに人間味が溢れる土地で作れる洋服は、自然とその雰囲気を纏っているように思います。
新作としてリリースされたROUND NECK COATは、冬から春へと移行時期によそよそしくなり過ぎずに
気軽に羽織れる1枚仕立てのコート。選んだチノベージュの色目もグレーが混じったような絶妙な色合い。
シンプルで着心地の良いカットソーをインナーに併せて、首元はストールでボリュームを出して冷たい風を防ぐと
春の気温差にも上手く対応出来て、見た目のバランスが取り易いのではないでしょうか。


素材はコットン100%のチノ素材を選びました。
中肉で打ち込みが良く適度な張りもあって、このコートの他にもパンツ類も同素材でセレクトでするくらい
良い生地だと感じました。日常着としての丈夫さと気の利いたデザイン、パーツの選び方など着れば着る程に
汎用性の高さとワードローブの隙間を埋めてくれるような力強い存在になってくれるはずです。
昨日ご紹介をしましたholkの様な作り込みの良いコートと、もう少しラフな服装をしたい時に1枚仕立ての
お気に入りの羽織を持っていると、春の気温変化に対応が出来ると思います。
これは私達の持論なのですが岩手の様な寒暖差の大きい(1日で10度以上の温度差)がある地域で春の気候を
楽しむ為には最低でも2~3枚くらいの素材とデザインの違う羽織物を持っているのが理想だと感じています。
勿論暖かなコートを着てインナーを薄手にしても問題なく過ごせるのは理解していますが、日本には四季があって
食べ物にも旬があるように服装にも同じことを当てはめてみると、より生活に彩が生まれるのではないでしょうか。
寒暖差の大きい気候条件の中でも持っていたら役に立ちそうだな・・・着る機会が必ず在るだろうなというのを
厳選してセレクトをしているつもりですので、お試しいただけたら嬉しいです。


肩のラインはドロップショルダーで、袖周りはそこまでゆったりという設定ではありません。
インナーには中肉のカットソーくらいまでがベストで、もし寒さが気になる場合は大判のストールなどを
肩から掛けるなどする方が良いです。生地はたっぷりと使っていますが、素材感も相まって広がったりナチュラルな
雰囲気がそこまで感じられない点もJUJUDHAUの作る洋服の特徴と言えます。
この辺りのニュアンスは文章で説明するのがとても難しいのですが、一度袖を通して頂ければ言葉の意味が
何となく理解して頂けると思っています。


コートは前から見る姿も良いのですが、後ろから見た時の佇まいの方が良さがより伝わると思っています。
直線的なパターンで生地がストンと落ちるので、変にデザイン性を追い求めるのではなく一切の無駄のない
潔さを感じる作り。全体的にはすっきりとさせていますが、着心地にストレスは感じさせない可動域を
しっかりと確保している点もJUJUDHAUの洋服の面白さだと感じています。
多少の汚れなどを気にせずに、クタクタになるまで着ていただきたいと思える素材感。
よそよそしくなく、日常着をメインとして雰囲気良く着れるので頼りになる1枚なのは間違いないはずです。

JUJUDHAU  DUMPY LONG PANTS

color     DENIM

price     25500+TAX

SIZE      FREE SOLD


JUJUDHAUらしいボトムスの1つが、お尻にボリュームを持たせて作製されている”DUMPY PANTS”
今シーズンから新したに裾丈の長さを伸ばしたDUMPY LONG PANTSタイプがリリースされました。
身長が高い方にはとっては”DUMPY PANTS”は中途半端な着丈になってしまい、穿き方が限定されていたのですが
裾の長さが長くなることによって、今までの着方よりも自由度がぐっと増した印象。
これから気温がどんどん高くなる季節にトップスのボリュームに対して、ボトムスを主役にしたコーディネートにも
上手くハマってくれると思います。
ライトオンスのデニムなので穿き始めから柔らかくウエストもゴムのイージー仕様なので、ストレスフリーな穿き心地。
お尻に溜まる布のバランスなどを含めて愛嬌のある表情が何とも言えず好みです。


フロントはタックを入れる事で横の広がりを最小限に留めていて、ワタリから裾まであまりテーパードは入れずに
しっかりとしたボリュームを保ちます。これからの季節はサンダルなども視野に入ってくるので裾の太さに
負けないくらいのBIRKENSTOCKなどポッテリとした靴と組み合わせたりするのもお勧め。
一度穿き始めると癖になるパンツで、休日でリラックスして過ごしたい日などに在ると便利な1本。
旅行などで長時間移動される方などは出来る限り動きやすい服装をしたいと思うので、だらしない服装になり過ぎずに
カジュアルで程好いバランスに溶け込んでくれるのが良さだと感じています。


コート・パンツ共にワードローブの中心になり得る1枚で、リラックスして袖を通せる洋服は自然と手が伸びてしまいます。
異なる国同士の感覚が適度に混ざり合い、ゆっくりとした時間の流れがもたらす大らかで自由な発想力。
JUJUDHAUらしさがとても出ているアイテムに感じますし、お手持ちの服に程よいスパイスとなってくれると思います。
まだ気温は低く春と冬が行き来している状態ですが、少しずつ春らしい素材、色を取り入れてみては如何でしょうか。

2月15日


holk     balmacaan coat

color     navy

price     65000+TAX

SIZE      1    /    2    /    3 SOLD


昨日までは長々と旅のBLOGを書き綴っていましたが、その間にも各ブランドから春物が続々と入荷がありましたので、
BLOGの方も通常モードに切り替え、少しずつご紹介していこうと思います。
春のコートを探すのは毎シーズンとても難しく、それはあくまでも僕がイメージする春コートなので
無い場合には仕方ないし、無理をしてまで展開しないでも良いかなと割り切ってしまうのですが・・・。
それでもコートは洋服の中で1番好きなアイテムなので、各ブランドからリリースされるものを試着をしてみますが、
今回展示会で見て真っ先に展開を決めようと思ったのがholkの作るコートでした。
春の風が冷たい岩手のような土地でも通用して、且つ飽きの着難いデザインと色というのが条件。
襟の形状、一枚袖の造り、ゆったりとしたシルエット、如何にもコートらしいクラシックな井出達のbalmacaan coatは
古き良きものを知り尽くしたデザイナーだからこその素晴らしい仕上がり。
カジュアルなスタイルには勿論ですが、いざという時のオンスタイルにも対応出来る汎用性の高いコート。
カラーは表面にやや光沢感のネイビーで、どんな場所に着ていっても恥ずかしくない大人な雰囲気が漂います。
一度袖を通して頂ければ、何処にもストレスを感じないコートのあるべき姿を実感して頂ける作りだと思います。


表地はコットン68%・ポリエステル32%の混紡素材を使用。総裏でベージュブラウンのキュプラ100%の2枚仕立ての作り。
秋冬シーズンは2枚仕立てのコートは選択肢が多くあり選べるのですが、春夏シーズンになると1枚仕立てのコートが殆どで
本格的に作り込まれたクラシックなものとなると、本当に良いと思えるコートに巡り合う事の確率は低くなります。
そういった条件をしっかりと満たしてくれるholkのコートは、冬の重たいコートから切り替える際に丁度良い生地感で
袖の通りが抜群に良いので、インナーに厚みのあるセーター類を着たとしても着用に全く問題がありません。


今では殆ど見かけなくなった一枚袖の仕様。
現在は何枚かの生地を組み合わせて作られているのが主流ですが、一枚袖はぐるりとさせて1か所のみを縫製。
迫力のある袖の見え方になるのですが、少し野暮ったさが出てコートらしい佇まいに感じられるディティールでもあります。
肩は当然ながらラグランスリーブを採用し、無理と無駄のないナチュラルなラインを描きます。
アームの太さからジャケットなどを着た上からでもストレスなく着れるので、きちんとした場所へ行く際や大切な人との
打合せや食事会など、綺麗な服装をで出掛けなければならない場合にも重宝するのではないでしょうか。
ドレス程畏まり過ぎずにカジュアルに振り過ぎない、絶妙な塩梅に落とし込まれています。


ポケットは左右にハンドウォーマーポケットと、内側にスリット式のポケットが1つ付きます。
裏地も良い配色で、釦の裏にはレザーの力釦が組み合わせれています。
小さな部分の作り込みも含めて、全体の完成度の高さに繋がっているように思います。


バックスタイルはセンターベントで、深くスリットが入れられています。
特に後ろ姿がすっきりとした佇まいで、あれこれとディティールを付け加え過ぎていない所も好みでした。
毎年来る冬から春への季節の変り目にあれこれと頭を悩ませずに長く付き合って頂けるコートになると思います。
盛岡でも暖かな日差しを感じられる日が少しずつ増えてきていますので、重たいコートから軽い素材へのコートへの
切り替えには丁度良いタイミングですので、探されている方がいましたら是非一度袖を通して頂きたい逸品です。

冬休み NEPALの旅③


ネパール滞在最終日。この日の朝食は日本人の方が経営をしている喫茶店「CHIKUSA」さんへ
タメル地区ではお店の開店は早く、大体7時頃からOPENしている所が多くあって、旅行者にとっては嬉しい限り。
お洒落なオープンテラスのカフェから、チェーンのコーヒーショップなどなど選択肢も様々あって
朝からはしごしたいくらいでした。その中でもCHIKUSAはどこか懐かしさを感じるお店の佇まいと看板。
お店に立っていたのはネパールの方で、古い建物だったのですがとても清潔にしているのが良く分かりました。
モーニングを頂き、セットで着けたミルクティーがとても美味しくて、あっという間に飲み干してしまいました。
我慢出来ずにマサラティー(チャイ)を追加。こちらも負けず劣らず美味しかったです。
地元の方が朝仕事に行く前に、ここに立ち寄りコーヒーを1杯頼んで店主と談笑をしている姿をみていて
朝のなんとも穏やかな時間や景色はどこも共通しているのだなと、幸せな気持ちになりました。
お会計をする際に店主さんと思われる方に話しかけると、ちょっと照れ臭そうにしながら流暢な日本語での返答が。
CHIKUSAさんに限らずですがネパールでは日本語を話せる方が結構いて、母国語であるネパール語・英語・日本語と
3か国語ないし数か国語を自由に話せるって素晴らしいですし、店主さんは日本が好きで日本に行くために毎日
3時間お店を閉めて日本語を勉強しているとのことで、自分達も昨年の海外買い付けや海外のお客様がいらしたりと
少しずつでも英語の勉強を!と思っていましたが、恥ずかしくなってしまいました。
同じ人間同士、単語を組み合わせたりジェスチャーやスマートフォンを使えばコミュニケーションは取れるのですが、
言葉を交わして相手の気持ちを汲んだり、自分の考えを伝えられるようになると旅はもっと楽しいものになるなぁと
痛感した朝でした。


早起きの甲斐あって時間に余裕があったのでリクシャー(リキシャとも言ってた)に乗って移動することに。
大きな三輪車に二人掛けの座席がついた人力車のような乗り物で、荷物を運ぶようのものもありました。
最初はゆっくりとした出だしだったのですが、途中からベルを鳴らしながら市街地を想像以上のスピードで疾走。
人・犬・車・バイクがぎゅうぎゅうになりながらすれ違い、所々大きな凹みがあるにも関わらず気にする素振りも
みせずに疾走。誰も乗せてないリクシャーをどんどん追い抜いていきます。風も感じますが、とても怖い・・・。
ネパールの今時期の朝の気温は5度くらいなので、風が冷たくて暖かい服装をしていて大正解でした。
2月は乾季なので、朝は5度くらいで日中は20度くらいまで気温は上がり過ごし易く、昼間はシャツ1枚十分なくらい。
目的地である「ダルバール広場」は旧王宮があった場所で街のヘソと呼ばれ、露天の野菜売りやお肉屋さん
雑貨屋さんなど、タメルとはまた違った賑わいをみせる旧市街。
歩いても20分くらいで行ける距離だったのですが、リクシャーに乗れば5分くらいであっという間に到着。
待ち合わせの時間があったのでダルバール広場はちょこっと見ただけにして、来た道を今度は徒歩で帰ります。
ここは観光客もいますが、地元のバザールと言った雰囲気がプンプンでもう少しゆっくり見て回りたかった・・・。
リクシャーに乗るのも、地元の方が乗るのと観光客とでは価格の設定が全然違うので交渉が必須。
自分達ではある程度交渉をして安く乗ったつもりでしたが、後から調べるとそれでも高い値段設定でした・・・
こんな事も含めて異国ならでは旅の面白さかなと僕自身は思っています。


戻る道端には、野菜やら果物やら様々な食べ物が売られていました。
神子田の朝市的な雰囲気があって色々と買いたくなってしまいますが、ここはネパール。我慢我慢。


3日目は自分達の買い付けたい商品を探すため、街の中の小さな路地や気になるお店を1つ1つ探索。
たまたま現地で見つけた日本人のガイドさんに、僕たちの力では辿り着けないであろう知らないお店や
現地ならではの情報を聞きながら、広範囲で様々な場所へと連れて行って頂きました。
高級なお店が立ち並ぶエリア、地元の薬局、各国の大使館など、歩きながら説明をしてもらう事によって
何処の国も街も同じように、ある程度の棲み分けが出来ているのだと確認。

お昼ご飯は僕らのリクエストでローカルの食堂へ連れて行って貰い、チャパティとカレーのセットを。
値段がびっくりするくらい安いのですが味は絶品。お客さんも絶えずに出入りしていました。
僕らが旅に来て幾つか食事をしたお店の事を話すと、地元の方からするとそこは普段から行く店というよりは
特別な日や家族の集まりがあった時に行くという。自分達の感覚はまだまだ当たり前ですが旅行者の目線で、
本当の意味でのローカルを知る事が出来ました。
ガイドブックなどに掲載されるお店は、それなりの佇まいや価格設定であり、地元の人が足を運ぶお店は
そういった類の雑誌などには載らないという事。言われてみて凄く納得出来る部分がありました。
この後は地元のスーパーに連れて行って貰い、家庭でポピュラーに使うスパイスやお勧めのお菓子類などを大量購入。
英語表記もないものばかりなので、知っているものは良いのですが、見たことのない食材はガイドさんに確認。
スーパー巡りは旅の醍醐味の1つで、日本でも知らない土地に行って地元の方が利用しているであろうスーパーに
行くと、その土地で取れる食材や風土が少し理解出来てとても楽しいです。


ガイドさんが最後に御茶を飲んでお別れしましょうと連れて行ってくれた場所は
狭い路地のほんの一角でやっているお店。きっと通っても気付かないくらいこじんまりしています。
ここも地元の方がこよなく愛する「チャ」を出しているお店。
「チャ」はインドで言うチャイと同じなのですが、味はミルクティー。
実は自分達の宿泊をしているホテルの真後ろにあるお店だったのですが絶対に分からないし辿り着かなかったであろう。
お店の佇まいから見ても、ここで美味しいミルクティーが出されているなんて・・・
混んでいる時間だから、空くまで待とうという事でお店の前で待っていたのですが次から次へとお客さんが代わる代わる
入っているのに正直驚きました。
3人掛けのベンチがようやく空いて、そこで頂いたミルクティーは素朴だけれども味わい深く何杯でもおかわりが
したくなるくらいの素晴らしいお茶でした。

買い付けもなんとか無事に終わり、ホテルへ戻り日本から持ってきた大きなバッグに詰めて帰国の準備を進めます。
深夜2時出発の便なので、アラームをいつも以上に多く設定をして寝過ぎないように注意しながらホテルで過ごし
実質3日間と短い日程の旅だったのですが、充実具合と受けた刺激と濃度はそれ以上に感じました。

ネパールという国はアジアの中では最貧国と位置にランク付けられていて、道路の舗装状況や停電の多さなど
短い滞在でもインフラの整備は、まだまだ改善の余地があり過ぎるくらい未発展に感じました。
2008年まで絶対王政が続きカースト制度が根深く残っていて、そういう階級社会の一旦も街を歩いていると
見たりもしましたし、2015年に起きたネパール地震からの復興も正直まだまだ先になりそうだなという印象でした。
ですが、そこで暮らしている方のパワーやエネルギーに触れて、純粋に元気を貰って帰ってきたような気がしています。
知らない場所へ行くのは、ある程度の勇気がいる事ですし、それに費やす時間もお金も勿論必要。
頭の中で想像をしたり、インターネットの情報を集めたり、雑誌や本を読んだりして知る事も重要ではあるのですが
直接現地に行って、その土地の空気を吸って地の物を食べ、その国の言葉を聞いて、五感をフルに刺激する。
良いと思える経験もそうでない経験も、全てを含めてプラスの財産になり、今までとは違った角度で物事の想像力が
膨らんできたり会話が出来たり、何より今いる場所の良さに気付けたりもするのではないかと思っています。
冬休みを終えて、毎日こうして沢山の方が足を運んでくださり、僕達が良いと思って買い付けてきた商品を
手に取って頂けてとても嬉しい気持ちでいます。春物も各ブランドから入荷していますので、併せてご覧頂ければ幸いです。

冬休み NEPALの旅②


2日目は宿泊をしているタメル地区からタクシーで移動し、カトマンドゥの南に位置するパタンを目指します。
パタンに行く途中の車から見える景色は、建築ラッシュで砂埃が凄くインフラが全く整備されていないのもあり
道路のあちらこちらに凹みがあり、そのせいもあって車が大きく左右に揺れてパタンに着く頃にはグロッキー状態に。
これも旅の洗礼と思いながらも、目に飛び込んでくる1つ1つの景色はネパールの方にとっては当たり前の景色であり
最初は衝撃を受けていたのですが、徐々に慣れてきて楽しさと新鮮さへと心境の変化を感じる不思議な体験でした。


パタンはサンスクリット語で「ラリトプル」ネワール語で「イェラ」と呼ばれ、どちらも「美の都」の意。
かつてマッラ3王国があった時代に首都として栄えた古都パタンは、人口22万人程の大きすぎず小さすぎずの街で、
住民の8割が仏教徒という珍しい背景を持っています。
2度の大きな地震で被害を受けたにも関わらず、地元の方と海外の方が支援をして全てではないのですが
メインとなる建築物は復刻し、美しい姿を取り戻しつつあります。
いくつもの寺院が立ち並び、その繊細で職人技が際立つ建物の造りは圧巻。
ここで古くから暮らすネワール族は特に芸術に秀で、美に対する文化がしっかりと根付いている町では、
あちらこちらで彫刻や絵画など工芸品が見られました。
自分達が住んでいる盛岡に似た空気感を感じ、歩いているだけで心が落ち着く感覚がありました。


この日はパタン出身のガイドさんに同行してもらい、パタンの歴史やメインとなるダルバール広場にある
旧王宮の説明を受けながら一緒に歩きました。英語での説明だったので勿論全て理解出来たとは言えませんが
分からない単語も聞き返せば何度もゆっくりと意味を教えてくれて、次第に聞き取りもスムーズになってくるから
不思議です。ネパールの歴史と文化のほんの一端に触れる事が出来ました。
その中でも他とは比にならないくらいに場の空気が清々しかったのは旧王宮の内部。
王の力を示す場所や儀式も現在に至るまでしっかりと受け継がれていて、それ以外にも個人的に気になったのは
「水」を飲んだり浴びたりする場所と、あちらこちらに自然の木々が植えられていて自然の風が心地良く身体を
抜けていたのがとても印象的。チョークと言われる中庭を囲む建物の中は外とは全く違う気の流れがあり、
昔から特別な建物であり空間であったことを肌で感じられたのが素晴らしい体験になりました。


市街地を歩き回り、途中多くの女性やカップルが集まってお祈りしている中に混ざって参加してみたり
お祈りの仕方や意味など、ここでしか味わう事の出来ない事を堪能しました。
ここでは至る場所に様々な神様が祀られ、頻繁にお祭りもあり日常的に神様への祈りの時間を設けている。
それはすごく特別な景色の様にも感じましたが、ふと考えると自分達も近くの神社で月参りをしたり、
何かあればお礼を伝えにいったりもするので、一緒なんだろうなと感じる部分もありました。


お昼はネパールでは最もポピュラーな料理とも言える存在のダルバートを。
ダルバートはネパールでいう所の「定食」を意味し、野菜をメインにしたヘルシー且つスパイスを多く使った料理。
豆のスープ「ダル」、漬物「アツァール」、肉と野菜を煮込んだ「タルカリ」など、お皿に乗っているおかずを
お米と混ぜ合わせながら食べていき、最後に豆のスープ「ダル」や副菜など全ての具材を混ぜ合わせる事によって
口の中で複雑なハーモニーが奏でられます。
もう一品は何処か見たことのあるような、餃子の様な井出達をした料理「モモ」
チベットで食べられていた料理なのだそうですが、国境がチベットに面している国なのでネパールでもポピュラーです。
食べ方が「蒸し」「焼き」「揚げ」の3つから選択が出来、具材も「水牛」「鳥」「野菜」と3つの中から選びます。
真ん中に付いているピリ辛のソースに付けて頂きます。
ガイドさんにお勧めして頂いたお店だけあり、どちらもボリューム・味共に間違いありませんでした。


一通り寺院を見て、その後小さなお店を巡って仕入れ出来そうなものを探したりして時間はあっという間。
再びタメルへと戻るためにタクシードライバーへ連絡すると、今日はお祭りがあって人の列とぶつかって
降ろした場所に行けないというので、別の場所で待ち合わせをしました。
ガイドさんに聞くと今日は一年に一度、この日だけに行われる大事なビジネスの神様のお祭り。との事で
「商売繁盛」的なことかなと思い、自分達もこの短い時間の中で良い出会いがありますようにと心で願いつつ
フェスティバルならではの音楽と、色鮮やかな民族衣装に身を包んだ女性の長い長い行列とすれ違いながら
パタンの町を後にしました。
(この場所でも幾つか良い物を選んできましたので、ぜひ店頭で)


夜ご飯は地元の方にも観光客にも大人気のお店「THAKALI BHANCHHA」さんへ。
タカリはネパールの民族、タカリ族のこと、バンチャは台所という意味だそうで、
タカリ族はお料理が上手な民族として有名で、ご飯屋さんで「タカリ」と付くところは間違いないよ。と
翌日アテンドしてくださった方から教えていただきました。こちらも本当に美味しいお店でした!
ネパールビールで乾杯をして、お昼に続いて「ダルバート」と「モモ」、更に麺料理の「トゥクパ」を注文。
ネパールのビールは日本のビールを更に飲みやすくしたようなイメージでとても美味。
情報がいっぱい詰め込まれ過ぎた頭の中と身体の疲れを癒してくれるのは、やはり「食事」
地元の「食」をお腹いっぱい食べる事で、何もかもが充電されて、また頑張ろうという気が底から湧いてくる。
日本人に合う料理だと思いましたし、口の中で合わせて複雑な味わいを楽しむ。
明日はネパール滞在の最終日。良いものが仕入れ出来るように頑張ろう!!

冬休み NEPALの旅①


先週は少し遅い冬休みを頂き、2月4日から8日まで短い期間でしたが、ずっと気になっていた場所へ旅立ちました。
今回の旅の行先は「ネパール」その首都である「カトマンズ」を目指します。
rasikuでお店をオープンして2年目からお取り扱いをさせて頂いている「JUJUDHAU」の洋服や、2019年の秋冬に
初めて展開した「OLU」のカシミヤストールなど、素朴で温かみを感じるものがネパールという土地で作製されていて
その土地の空気を自分の肌で実際に感じてみたいというのが一番の目的。

ネパールと聞いて、場所であったりピンとくる方はそう多くはないと思うのですが、ヒマラヤ山脈が象徴するように
8000メートル級の山を8座有する国で、地理的な位置関係で言えば中国のチベット・インドの国境に接しているの事により
其々の国の文化が入り込んでいるのも、奥深さと面白さに繋がっているのかもしれません。
2015年のネパール地震で、首都のカトマンズを中心に大きな打撃を受けてしまい、レンガ積みの耐久性の無い建物は倒壊。
現在もその復興の真っただ中で、あちらこちらで倒れたままの建物を目にしました。
アジアの中では最貧国と位置付けられている国ですが、ただ単純な目に映る光景を見ればそう思う部分はあるのですが
現地に行く事で、インターネットで目にする情報以外の部分が必ずあるだろうという想いで現地に向かいました。

自宅を出発し一路仙台空港へ、仙台空港から関西空港へ行き国際便に乗り換え。
関西空港から直行便(ネパール航空)で、唯一の国際空港がある「トリプヴァン国際空港」へ。
ちなみに直行便は週2便出ていて、火曜日と土曜日に出発しています。
行きのフライト時間は約8時間。(ちなみに帰りは地球の自転の影響で6時間)
お昼過ぎに関西空港を出発し現地に夜の7時頃に到着(時差は3時間)
当たり前ですが、この飛行機には日本人は殆ど乗らないので周りの方はネパールの方ばかり。
この時点で、異国へ行く空気感が漂っていて気持ちがワクワクしてきます。
日本ではあまる馴染みの少ない特有のスパイスの香りがほのかにする機内も国際便ならでは。

ネパール航空では、カトマンズに着くまでに機内食が2回提供されました。
1回目はカレー(お肉と魚か選べました)にパン、デザートまで付いてかなりボリュームがあり、
2回目はおやつ!?みたいな感覚で温かいパイ包みの何かとガトーショコラと飲み物でした。
機内はスクリーンが一つ一つ座席についていて、映画も干渉可能(字幕は英語のみですが・・・)
持参した本を読んだり、映画を観ながら過ごしていました。


トリブヴァン空港に無事に到着して、先ずはVISAを取得し一通りの事務処理を済ませてネパールへ入国。
夜になっていたので、何もせずに初日はタクシーに乗りこんで直接ホテルへ行き就寝。
翌日はホテルの朝食を頂き、カトマンズ市内を高い位置から一望。古い建物が立ち並ぶ街だという事を認識。
身支度を済ませて市内を散策します。


あちらこちらにリードで繋がれていない放し飼いの犬がいて、気持ち良さそうに寝ています。
街を軽く一周歩いてから、今日一日のスケジュールを立てます。
1日目は買い付けをメインにするのではなく、寺院などを中心に巡る予定を立て出発。


1つ目に向かった先は、ヒマラヤ最古の仏教寺院とされているスワヤンブナート。
街の中心部から2キロくらいの場所に位置していて、通称「モンキーテンプル」と呼ばれる寺院。
寺院の中に野生の猿がおよそ3000匹もいて、あちらこちらで猿の喧嘩や小猿が気持ち良さそうに
寝そべっている姿を見る事が出来ます。
この寺院は小高い丘に作られているのでカトマンズを一望する事が可能。
とても良い天気だったのですが、車の排気ガスと建設ラッシュにより粉塵や土埃によって街全体にスモークが
掛かったように見えます。カトマンズの空気汚染は深刻で、世界の中でもワースト1位とされる指数が出ていて
様々な要素がある中、古い車が出す排気ガスは人体に多大な影響を及ぼすと指摘されています。
僕が高校生くらいの時に経験した(光化学スモッグ)を思い出しました。
発展途上国ならではだと思うのですが、ここ30年で急速に人口が膨らみ発達したカトマンズの街の景色を
自分の目で見ることが出来ました。


次に向かった場所は「パシュパティナート」と呼ばれる、ガンジス川の支流にあるネパールでは最大のヒンドゥー教の寺院。
インド・亜細亜大陸にある4台シヴァ寺院の1つでもあります。
ネパールは元々世界で唯一のヒンドゥー教を国教としていた背景があるのですが、2000年代に世俗国家に転換。
現在は主にヒンドゥー教か仏教を信仰していますが、多民族国家であることや地理的条件による影響もあって
様々な宗教や信仰が絡み合い、調和を保っています。
「人間よりも神々が多い国」といわれるのも、数日間の滞在でも感じられたほど。


パシュパティナートの本堂にはヒンドゥー教徒のみしか入る事は出来ませんが、ぐるっとその周りを歩くと
人間の生死は何度も生まれ変わってくるとされる「輪廻転生」を、対岸から見る事が出来ます。
川岸では日本で言う火葬場と沐浴場があり、この場で毎日火葬が行われ目の前に流れる「バグマティ川」へ遺灰を流す。
現地に行かなければ見る事の出来ない「死」対する考え方や感覚を感じ、異国へ来たからこそ目の前に広がる景色に
圧倒されてしまい、ここに立っているだけで自分自身の気持ちと感性が大きく揺さぶられました。
ネパールへ行く前に下調べで画像などでも見ていたのですが、パソコンの画面から飛び込んでくるだけの情報は
頭の中には刷り込まれるのですが、実際に足を運んでこの場所の空気感を感じるのは全くの別物。
遺体が焼かれて出る煙の匂い・川の緩やかな流れと灰色に濁った水の色・お経のような音。
修行をするサドゥー。物乞いをする人。のんびりと休憩したり遊んだりしている人。牛。犬。猿。
その場所に立っているこそ五感がフルに刺激されて今まで感じた事のない素晴らしい体験になりました。
ネパールの旅はまだまだ続きます。

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