新しい場所へ

2024.1.1

一日一日と続いていく日々が、健やかでありますように。
それぞれの幸せが美しく拡がるような一年であることを祈っています。
新年のご挨拶とお知らせも兼ねて、久し振りのBLOGを。

ご来店頂いた方には、直接顔を合わせてお伝えをさせていただいていましたが
僕自身の独立第一章、初めての試みとしてスタートをした盛岡での今のお店は
2024年1月14日をもちまして、閉じることを決めました。

1月29日ははじまりの日でもあったので、何となくその辺りが節目かなと思っていたのですが
何も決まっていなかった次の展開が、ちょっとずつ動きはじめ。
そうすると次・また次と事が決まって、今の店舗の受け渡しや引っ越しの兼ね合いもあり
すこしだけその時期を早めました。
とは言え、今までとこれからも全て地続きなので、営業最終日は14日と決めはしましたが
そこまで大事とは思わずに、受けとめていただければ幸いに思います。


次は何処で何をしようかと様々な想いを巡らせ、気の向くままに過ごしていた末
地元である神奈川県に移住することを決めました。
神奈川県と言っても、何処に住むのか。で、景色も人の雰囲気も当たり前に違いがあります。
今の自分なりの価値観とどういう場所や環境に身を置くと心地が良いかを想像して
1つのキーワードを設けました。海が自宅から見える、もしくは近くに感じられる場所。
社会人になってから神奈川から離れ、転勤などを重ねて少しずつ北上していって最北は北海道、
そして岩手に12年という、ある意味で、北の暮らしに長らく身を置いたいからこそ、
次は温暖な地域で暮らしてみたら自分はどうなるのか?いという気持ちがいつしか湧いてきて
神奈川県の中でも特に温暖な気候で、且つ海が感じられる場所として僕の意識の先に浮上した
中郡二宮町。というところ。正直、あまり聞き馴染みのない場所かもしれません。
神奈川県で海と言えば、やっぱり人気が高いのは湘南(逗子・鎌倉~茅ヶ崎あたりまでかな)と言われるエリア。
そこから、更に西に進んで行くと平塚を過ぎて小田原、更に進むと静岡へと続きます。
その途中にある中群は大磯・二宮という2つの小さな街で構成。大磯はどちらかと言うと避暑地的な空気。
二宮は大磯に比べるとより庶民的な街だと思いました。
幼少期に両親に吾妻山のアスレチックに連れて行かれたことをふと思い出し、楽しかった記憶と
たしか温暖な空気だったような感覚が微かに蘇ってきて、急にその場所と僕が結びついたのでした。

                           つづく

由利本荘への出張SHOP

時は刻々と流れていくので記憶が薄れないうちに書き留めておこうと思います。
年に2回、恒例行事のように行われるようになりました、秋田県由利本荘市への出張SHOP。
今回は11月の2週目、峠の状況もどうかなと思いながらでしたが何とかギリギリセーフでした。
ですが早朝の仙岩峠は、暗さもあって相当に怖かったです。。。
ピークのあたりは風が強くて、落ち葉が敷かれたり舞ったり完全に冬モードの顔。
北東北の冬の訪れをひしひしと感じながら、何とか無事に由利本荘へ到着。
車の荷台はパンパンの状態なので、ゆっくり行って約3時間の車の旅となりました。
到着して直ぐに設営に取りかかり、オープンの45分前頃には完成!
僕は一人で勝手にご褒美と決めていた鶴舞温泉へ、身体を清めに行ってきました。
前回この温泉に入った際は時間がタイト過ぎて殆ど記憶に残らずだったので、
ゆっくりと堪能できるのはとても嬉しいですね。(お仕事前に)
温泉の泡ジャグジーが付いていて、お湯の温度が高めで最高◎
サウナの水風呂もきちんと冷たくて、この時点で完璧に仕上がりました(笑)
時間が許す限り堪能し、つるりとなった状態でお店へ戻ります。

BLOGでは何度も書いていますが、初めて知る方もいらっしゃるかもしれませんので、もう一度。
nieuwは、fuuukeiの屋号で家具や木工作品を製作している貴充さんのショールーム兼ショップです。
週末日曜日のみオープンをしていて、団地の中に広がる異空間がとても心地良い場所。
家具を中心に、プラスで独自の目線でセレクトされた古道具や作用にベクトルを振ったアイテムが並べられています。
僕の中では北東北で一番尖っているお店(笑)と思っているのですが、まぁそれは置いておいて。
団地の一室ということもあって何気なく入って来れる場所ではない、ということは理解して頂けると思います。

今回、新しく作製されていた2段式の洋服ラックは相当に格好良かったなぁ。
当たり前ですが空間、更に言えば什器が変わると洋服の見え方も全然違ってくるので、
設営していてもはっとなる瞬間もあったりして、出張SHOPならではの楽しみがあります。
温泉から戻ったのは、オープンを少し過ぎた10時40分頃だったと思います。
お客様がもう既に来店されていて、一番乗りで日本酒の差し入れが。。。流石秋田県!!
僕の両親は高知県出身なのでじゃこ天をつまみに。。。あっ。それはこの辺でやめておきますね(汗)
いつも来て下さる顔ぶれがありがたく、どんどん気が和らいでしまうのでした。

お昼ご飯は亮子さんのお手製のハンバーグ定食。絶品のスープ付き。
一瞬で胃の中に入れてしまって、午後からは急な睡魔が襲い掛かってきます。
いつも美味しい食事をありがとうございます!!
これを楽しみにしていると言っても過言ではありません。
午後も途切れることなくお客様が来て下さって、1日目はあっという間に閉店時間に。。。

由利本荘行きが決まると、真っ先に頭に浮かぶのはやっぱり”安楽温泉”
何度も行っているのですが、何度行っても良いのです。
宿に近づくと温泉から漂う、あの何とも言えない独特のオイルの香り。。
先ずは温泉に浸かって、旅の疲れを癒してから夜の食事へと向かいます。
余談ですが、僕は朝3時に起きて、先ず自宅でお風呂に浸かって由利本荘に着いて鶴舞温泉。
そして安楽温泉と、今日すでに3回目のお風呂に浸かっています。
ドラえもんでお馴染みのお風呂大好きしずかちゃんよりも、お風呂に入っていると言えますし
お客様にも「温泉行ってきましたね」と言われるくらい、お風呂のイメージが浸透している
可能性も高くなってきました(笑)

夜の宴は、最近はここばかりをリクエストしてしまう中華料理のお店”華園”
何も言う事はありません。人生初のピータンにも挑戦し、はぁ~幸せ。
今回はみつばちさん繋がりでご縁の出来た方々とご一緒したのですが、スタートしてすぐは
みんな黙々と食べていたようで、1時間経たないうちにお腹はいっぱいに。(笑)
その後にペースダウンしたり少し小話と休憩を挟みつつ、最後は麺類・スープで〆。
もはやこのBLOGは、華園さんと安楽温泉さんをお勧めする為のモノになってきているような気もしますが。。。
それぐらい良いんですよね。
僕が理想とするお店はこういう時間の流れ方で、場所なんだよなぁと思いを馳せながら
楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。
宿に戻ってすぐ、今日最後となる4回目のお風呂に入って心身ともに癒され明日に備えます。

翌朝は先ずお風呂からスタートして、安楽温泉自慢の朝食を食べます。
“おかわりはしない”と心に誓いながら朝食会場へ行ったものの、我慢出来ずにおかわりを一杯だけ。
やっぱりそうでもしないと、おかずとごはん(新米)のバランスが合わない!という言い分け。
そして、いつも朝に立ち寄るのは羽後本荘駅前にお店を構える珈琲のお店 “薫”へ
店内に入ると薪ストーブの柔らかく暖かい空気が漂い、カウンター越しに穏やかに迎えてくれる
薫を営むお二人の凛とした姿に、静かに喜びを噛み締めます。
実は由利本荘に住む特派員から前情報として、今なら季節のお菓子タルトタタンが
食べられるかもしれません◎との噂を聞いていたので、トーストではなく焼き菓子を
どうしても食べてみたいと思って訪れました。
焼き菓子などは、お店のメニューには載っておらず、ある時だけカウンター奥の看板に
小さく記されているとのこと。
そして、そして、カウンターの奥にりんごの焼き菓子という文字を見つけました!!!
其々にコーヒー1つずつと、りんごの焼き菓子といちぢくのパイを注文。
紅玉のリンゴをキャラメリゼしたタルトタタン、添えられたクリーム。絶品。
パイ生地はさっくさくで、叫びたい位に美味しかった。
ちょうど果物がりんごからいちじくへ切り替わる時期で、両方を堪能できて幸せでした。
コーヒーもがっちりとした深煎りですが、すっと飲めるのが本当に不思議。
時間にして30分も居ないのですが、由利本荘へ来た際には必ず訪れる場所の1つになりました。

地元スーパー”nice”に立ち寄って、秋田のお土産を物色しつつ、二日目の営業に備えます。
大好物の”あつみのかりん糖”を買えなかったのが、唯一の心残りですが、また出逢った時に。

2日目。いつも山形から来て下さるお客様から、ラ フランスの差し入れをいただいて
その場に居合わせたみんなで美味しく食べたり、愛知の蒲郡ミカンを届けに大曲から
ご家族で駆けつけて来てくれたり、東北の方の優しさに甘えっぱなしの時間となりました。
盛岡からの刺客は来る前に安楽温泉と薫さんを堪能していて笑いましたが、
さらに焼き菓子を勧めて・・・また次のお土産話になると良いな。
人とモノを通じての交流は、自分たちにとって毎回刺激と元気を貰う時間になっています。
いつも快く受け入れてくださる、みつばちの亮子さんとfuukeiの貴充さんお二人の優しさがあってこそです。
少し時間が空いてしまうかもしれませんが、また荷物を積んで色々な場所へ飛びまわりたいと思っています。
帰り道は冬道に少しびびって、仙岩峠を越えずに秋田道から北上を経由して帰ってきました。
こちらも変わらずの3時間。
近くて遠い秋田県ですが、また遊びに行きたいと思いますので、その時はぜひとも
また来た!と思って下さい。長い冬がやってきますが、みなさまどうぞお元気で!

夏の終わり 韓国の旅 Ⅲ

韓国の旅も、残り2日間。とは言っても4日目は朝早い便で日本に戻るので、今日が実質の最終日。
起床して、支度をしながら朝ご飯に何を食べようかと考えるところからスタート。
まだ食べていない韓国料理が沢山あるのと、昨日に訪れていた広蔵市場の衣料ブースは朝開くので
市場の屋台で朝食を食べることにしました。夜ほどではないですが、朝からすでに賑わいと活気があり
屋台では仕込みをしたり、もぐもぐしながら、お店を切り盛りする方々の姿にパワーをもらいます。
とある有名な韓国ドラマのワンシーンに出たことで、特に賑わっていたカルグクスのお店を横目に
通路を挟んだ隣から、呼び込みが若干強めのアジュモニに引っ張られて、席に着く。
私はカルグクス(うどん)と妻は冷麺を。
無料で付いてくるキムチ2種(白菜・大根の葉)は、食べ終わると永遠におかわりを盛ってくれます。
冷麺は岩手で食べているものとは、だいぶ印象が異なり、よりヘルシーでスープは酸味の効いたさっぱり味。
夜は夜で観光客をメインに活気があって良かったですが、朝の屋台は地元の方がさっと食事をしたり
あのスティックコーヒーを飲んで談笑してるかと思いきや、いつの間にか居なくなっていたり
僕はこういうとりとめのない景色とか、人と人とが自然体でたわいもない会話が出来る場所や文化が
好きなんだなぁと思いました。
そんな事を思いながらキムチもおかわりしてしまったので、もう朝ご飯でお腹がいっぱい。。。

広蔵市場は手前側が屋台を中心にした食事エリア。
奥に行くにつれてお土産屋さんがちらほらと出てきて、更に奥に進んでいくと衣料品、布物の問屋街に。
問屋街なので、その物量の多さに圧倒されつつも気になっているものを探して回ります。
古着も大量にあるとの情報を得ていたのですが、午前中に体力を使ってしまうと午後の部に支障が出る。
ということを分かっているので、昨日に続き今回はパス。建物の2階には古着がたんまりとあるようでした。
古着ではないお目当てのアイテムを無事にゲットし、他にも幾つかアンテナに引っ掛かる洋服があったので
日本語・韓国語・英語と翻訳アプリを駆使しながら、店主さんとそのモノについての詳細をやりとりします。
何か伝えようとしてくれてる!と感じて、スマホに向かってもう一度とお願いして、話しかけてもらいます。
けれども、その内容は・・・割と見たまんまを説明しておりました・・・(笑)
それでもコミュニケーションを取るというのが大事、内容は合っているかどうかが微妙なことが殆どなので
あとは直感にしたがって選択し行動するのがベスト。少量ですが欲しいアイテムが買えて、ホッとしました。

次の目的地、龍山という場所へ地下鉄に乗って移動。
今まで降り立っていた駅の規模感とは、がらりと変わって広い構内を抜けた先に
高層ビルが立ち並び、完全に都会の景色が広がります。都会ですがとてもクリーンな雰囲気。

散策をしながらカフェで一息入れて、もう1つの小さな目的を果たすことが出来て一安心。
昨日も感じたのですが、韓国のカフェで出される飲み物はとにかく量がしっかりと多い。
そして席数もとても多いので、注文に並ぶくらいの人がいても席に余裕があって悠々と座れます。
注文したケーキのクオリティも高くて、色々にビックリしながらも楽しみました。
歩いていると大きなビルの横に木々が植えてあって、ちょっとしたスペースにベンチと筋トレマシーンがあり
道ゆく人や、仕事の休憩中などに、誰でも気軽にこの器具で運動をしているのかな〜と。
こういうのはタイの公園でも見かけました。面白くて健康的でもある公共の場。

その後、お土産を買いに大きなスーパーへ行ったり、ドラッグストアを巡ったりしつつ
ホテルに一度戻って荷物を整理し、旅の最後の夜ご飯に何を食べるか考えます。
まだ食べていないものが多数あって、パワーチャージを優先した結果。。。ゆで豚料理、ポッサムを。
たまたま近くで見つけたお店だったのですが、ここが大正解。今回の旅で一番美味しかったかも。
豚肉を白菜で包んでキムチ・生ニラ・ニンニクを包んで、パクリ。お酒はソジュ(韓国焼酎)がこれまた合う。
何個でも食べられると思っていると、またキムチのおかわりを追加されて徐々に満たされていくお腹。
おもむろに鍋をコンロに置かれたので注文したかなと思っていたのですが、サービスでカルグクス(うどん)が
付いてくるとのこと。とてもシンプルな味付けなのですが、サービスとは思えないクオリティ。
鍋の底にはアサリがゴロゴロ入っていて、出汁が最高。何度も言いますが、もうお腹いっぱい(笑)
2人ギリギリになりながらもなんとか完食して、パワーチャージも完了。

最後の最後にもう一度、気になっていた東大門の問屋街を練り歩きます。
ですが、僕達がマークしていたお店は一向に開く様子が無く。。。反対側にあるお店の方に聞くと
今日は開かないとのこと。。。いや~残念。盗難防止にかけられたネット越しに商品を眺めつつ
また次の縁があると信じて、この場を後にします。
そして、昨日も気になっていたキンパを売りに来る女性に声を掛けて、ツナキンパをゲット。
売り子の方は、22時~販売側の店主に夜食的なニュアンスでキンパとゆで卵を売ってまわっていて
その掛け声が可愛かった。いつか同じ掛け声でキンパを売って回りたい。。。そんな気持ちになりました。
購入したキンパは外に出て、丁度良さそうなベンチに腰をかけて頬張ると、自分の母親が幼少期に良く
作ってくれた海苔巻きに似た味で、韓国の空の下でしみじみと味わってしまいました。
何度も言いますが、お腹はいっぱいなのです。(笑)

翌日は9時台の飛行機で戻る為、朝一番の地下鉄に乗り込んでソウル駅を経由し仁川空港へ。
出国手続きもいたってスムーズで安心でしたが、仁川空港の大きさと世界から行き来する人の多さで、
要所要所で並ぶので時間が思ったよりもかかります。迂闊にウロウロしていると戻るのも大変。 
余裕を持って空港に着いたはずが、思いのほかあっという間に搭乗時間になりました。
行きのおさらいで機内食が出ることは分かっているので、朝食は軽めにして機内へ。
帰りの機内食はプルコギでした。ほかほかに温められたごはんが美味しい。量も丁度良い。
旅というより、ほぼ食べ物のことばかり書いてますが、終始美味しいと感じられるのはかなり幸せなことです。
旅先で色々と上手くいかないことや、失敗があっても、最終的に美味しいがあれば良しと思えます。

行きよりもさらに早い2時間弱のフライトで無事に仙台空港に到着。そこから車で盛岡まで戻ってきました。
3泊4日はあっという間に過ぎ去って、九州に行くのと変わらない近さにありながらも、言語も食も人も歴史も
異国の文化に触れただけでも脳みそはフル回転し、刺激を受けたのは言う間でもありません。
日本と似通ったところも多々あれば、でもやっぱり海外に来たんだなという感覚もしっかり感じられるので
路線があれば国内よりも行きやすい韓国は、旅の選択肢としてはとてもおすすめです。
食べたかったけど食べられなかった食がまだ沢山あるので(笑)
今回とはまた違った視点で韓国を訪れてみたいと思いました。

夏の終わり 韓国の旅 Ⅱ

翌日は早起きをして、天候を確認。雨時々曇り。気温は28度くらいだったと思います。
湿度も控え目で、肌寒さまではいかないものの長袖が良さそうな気候。
この日は、先ず午前中は気になっていた「東廟フリーマーケット」を目指します。
前日からの旅の疲れも残りつつですが、何か面白いものを見つけられるのではないかという
ワクワクする気持ちと期待が上回り、一駅隣のその場所まで颯爽と歩いて向かいます。

この「東廟フリーマーケット」はちょっとしか調べていない前情報だけでも、
かなりコアな、独特な気配がしそうな気がしていました。そしていざその場所に行くと
フリーマーケットというよりも、更に深く掘り下げたディープ過ぎる世界観が広がっていました。
朝9時に到着したのですが、古いものが醸し出す特有のオーラが入り口近辺まで漂ってきます。
日本でいうところのガラクタ市と言えば分かりやすいでしょうか。
ここから何か持ち帰るモノを見つけるとなると、恐らく半日、いや2時間位でエネルギーが0になりそうな
プラスとマイナスが交差する多種多様のパワーと、それを売る人、買う人のエネルギーがみちみちと充満。
結論から言いますと、ここでエネルギーを使ってしまうと、今日一日が潰れてしまう可能性が高かったため
この場所では白目を向くようにして、モノを極力見ない作戦に変更。

見ない様にしても見てしまう性。カセットテープ、ラジオ、朝の挨拶、様々な音も入り混じります。
いきなりの先制パンチを食らってしまったので、早々に休憩タイムを取ることに。
辺りを探したのですが飲食店が見つからなかった為、その場に腰を掛けて手軽に食べられそうな
揚げパンのお店へ。朝からの揚げ物には十分に気を付けろ!!と自分に言い聞かせながらも、
糖分を欲していたため、あんこ入りの揚げパンをむしゃむしゃとあっという間に完食。
これが想像以上に美味しくてまさかのおかわり、次は米粉の揚げパン。これが当然ながら仇となりました。
この後、午前中はずっと胃がしっかりともたれた状態で過ごすことになりました。
インスタントコーヒーは、あちらこちらに見かけて、500ウォン(50円)でした。
紙コップにスティックタイプのコーヒー(粉・ミルク・砂糖の入ったもの)を入れ、お湯を注ぐシステム。
この素っ気なさが良い、そして甘くて美味い!!(笑)
紙コップが薄くてふにゃふにゃで不安定で、下手に持つと相当に熱くてジタバタしていると
もうひとつ紙コップを重ねなさい~とお店の方からのアドバイス。それも全て含めて◎
地元の方はこのコーヒーを片手に、朝から談笑しているのが良かったなぁ。
そして魅惑のコーヒースティックも、お土産に買ってくれば良かったと悔やんだのでした。

朝食で気を取り直して、もう少しこの場所を見て回ります。
入り口から骨董やら電化製品、釣具、銅像など多種多様なジャンルのものが並び、そこを抜けた先には
洋服ゾーンが待ち受けています。最近では若い方がチャレンジする場所にもなっているようで
90年代頃の古着がずらりと並んでいたりと、何かを探したい気持ちはもちつつも後半戦に向けて体力を温存。
韓国の野球チーム(胸にBEERS)と書いたユニフォームが気になりましたが、勇気が出ずに断念。
時間と体力に自信があれば、もう少し掘ってみたかったのですが、次回の宿題にしたいと思います。
いや~久し振りにディープな世界観を堪能してしまいました。。。

東廟フリーマーケットに後ろ髪を惹かれつつも次に向かった場所は、地下鉄を乗り継いで辿り着いた
「聖水」(ソンス)という場所。写真をほとんど撮っておらず、、、分かり難いのですが。
韓国のトレンドを感じるにはうってつけの場所。東京で言えば浅草と青山を足して2で割った雰囲気・・
と言えば分かりやすいでしょうか。逆に分かり辛いかもしれませんね。
恐らく元々は革製品を加工する職人さんがいたり、問屋だったり、あとは車の整備工場があったり
そういった下町的な気配が微かに残っている地域なのかなと感じました。
中心地からも少しだけ離れた場所になりますが、世界的に有名なブランドもこの場所にお店を構えています。
雰囲気の良いカフェ、洋服のセレクトショップ、洗練された雑貨屋さんなどもあったりして、歩ていている方も
若い方が中心だったように思います。下町感のある落ち着いた空気と、洗練されたブランドのお店が点在し
僕らが求めているような、掘り出し物を探すような雰囲気ではなかったです。
目的のお店が1軒あったのですが、まさかの臨時休業。これもタイミングなので、またの機会に。
それでも街を見て歩いて、自分なりに感じるものがあって、それだけで十分に楽しい。
降ったり止んだりの小雨の中を歩きすぎて(この段階で歩数が1万5千歩を超えていた)ヘロヘロになり
フレッシュなドリンクを補給しよう!と途中で寄ったカフェで出てきたサイズが大き過ぎてびっくり。。。
街中でも、この大きさのドリンクを持ち歩く姿を多く見かけたので、そういう飲み方が正解だったのだと思います。
冷たい飲み物をたくさん摂取すると割と直ぐにお腹が崩れてしまいがちなので、殆どを飲み終えることなく
バッグにしのばせ持ち帰り、ホテルで無事にいただきました(笑)
韓国は食事もそうですが、日本よりも全体的にボリューミーです。

一旦ホテルに戻って休憩してから、夜の部へと繰り出します。こんな夜更かしは久しぶりです。
夜の徘徊に備えて、エネルギーチャージという事で、今日の夜は屋台が多く立ち並ぶ”広蔵市場”へ。
恐らくは観光客をメインにしている市場だと思うのですが、とにかく人・人・人で活気が凄い。
アジアだけではなく色んな国の方がいて、ぎゅっと距離の近い屋台を囲んで飲んだり食べたりという
ある意味、日本ではどんどん希少になりつつ景色から自分の住む国のことを思ったり・・・。
屋台はたくさんありますが、料理のメニューの内容に大きな差はなく、山積みにされたキンパ(海苔巻き)
キムチ、トッポギ、チヂミ、見ているだけでも楽しさが溢れて、とにかく色々食べてみたくなります。
先ずは屋台ではなく家族経営っぽい餃子のお店に入って二種類の餃子をビールで流し込み、次のお店へ。
席が空いたのを見計らって、着席し麻薬キンパとチャプチェを注文。
何を食べても美味しいというと、ざっくりとした表現になってしまうのですが、何を食べても美味しい!!
キンパはどうしても食べたいと思っていたので、見た目も可愛らしく、味も抜群。
付属する酢とカラシのソースも良かった。お腹も十分過ぎるくらい満たされたところで、
広蔵市場の衣料品系のお店は夜は閉まっていたので、また明日に持ち越し、歩いて移動し昨日行った問屋街で
アンテナに引っ掛かる何かをじっくり探しに行きます。とても気になる品揃えのお店も発見!
この日、歩いた距離は自分でもびっくり15キロ!!そりゃ最後の方股関節に力が入らない訳だな。。。
足で稼ぐ。とはまさにこの事。最終回へ続く。

夏の終わり 韓国の旅 Ⅰ

8月末から短い期間だったのですが、コロナの検査や手続き等のややこしさが無くなったタイミングで
久し振りの海外へ行こうという話になり、日本から距離的に最も近い国、韓国へ行ってきました。
出発の地はお隣にある仙台空港。
韓国の仁川空港へは週3便フライトがあり、仙台12時50分発→仁川15時30分に到着。
フライト時間は2時間40分、岩手から九州へ行くのとほぼ変わらないという近さ。
福岡から韓国が見えるという話を良く耳にはしていたのですが、実際に足を運んだことで、より実感。
仙台から出ているのはアシアナ航空(韓国の大手航空会社)で、乗る方も、日本・韓国、其々に半分くらいずつ
ほぼほぼ満席だったと思います。手荷物を預けて、旅の気分が段々と盛り上がってきました。

2時間半ぐらいのフライトだとあっという間に着いてしまうなと思っていた矢先に、まさかの機内食が。。。
流石にこの時間では食事は出ないよねと思って、仙台空港でしっかりと食べてしまっていたのですが
けれども匂いにつられたのと、機内食も旅のはじまりを盛り上げるイベントだと思って完食(笑)
奥はチャーハンに鳥の唐揚げがのっていて温かい。間に錦糸卵が敷いてあったのでチバブだ!と
気づきました。付属のコチュジャンを付けて食べるともうしっかり韓国ごはんの出来上がりです。
手前はパンと南瓜のサラダにお水。炭水化物×炭水化物で着陸前でもうお腹いっぱい。。

機内食を食べていると、あっという間に仁川空港へ到着。
現地は曇り時々雨。気温は30度ない位で日本よりも涼しい印象。
初めて降り立った空港ですが、仁川空港がとにかく大きい。
世界の何処へでも繋がることの出来るハブ空港の役割を担っていて、そうなると食事やサービスも充実。
色々と見て回りたかったのですが、無駄に多く持ってきてしまう手荷物の重さで徘徊は断念。
仁川空港から今回の目的地でもあるソウル市内へ向かいます。
ソウルまでの交通手段は高速バス・電車(各駅と特急)その他にタクシーなどがありますが、
今回は特急A’REXに乗って市内へ向かうことにしました。

地下7Fのホームに降りると、あれっ。。。日本の何処かでお逢いしたことのある景色というか風景。
関西空港から大阪市内へ向かう途中とそっくり。関西空港からラピート号に乗ったことを思い出しました。
仁川からソウルまでは特急に揺られること45分。
全て指定席になっているので、安心して座って移動が出来ます。
窓から飛び込んでくる景色に脳みそがパンクしそうになりながらも、ずっと奥の方には摩天楼のように
高層ビル群が建っているのが見え、川を渡り、少しずつ街が近づいてくるのが分かりました。

ソウルに到着すると、そこから地下鉄に乗り換え滞在先になるホテルへ向かいます。
完全なる都会。そして日本語と英語が通用すると思っていたのですが、想像していたよりも全然通じ難く
表記もハングルが主体で、まったくもって何が何だか分からない状態。
それだけでも十分に異国に着たことを感じる出来事ですし、これからどんな面白いものに出逢えるのか
食事は美味しいのか、期待と妄想ばかりが大きく膨らみます。

ホテルに無事にチェックイン。一息ついて、夜の食事と買い付けの下見を兼ねて出掛けることに。
向かったのは東大門(トンデムン)と呼ばれる、巨大ファッションビルと隣り合わせで問屋街が連なる地域。
眠らない街としても有名で、問屋街は22時からオープンするという特殊な場所。
夜になっても若者と観光客で賑わっていて、ひたすらに目に飛び込んでくる景色、言葉、情報1つ1つに
頭をフル回転させつつ必死になりながら、とりあえず夜の食事場所を探します。

街をぐるぐると歩いていると先ず目に飛び込んできたのは屋台。
僕は旅先では、餃子の王将(岩手にはお店が無いため)と屋台を見かけると必ず寄るという習性があります。
夜ご飯まで我慢出来ず、先ずは屋台にピットイン。
食べたいものがあり過ぎるのですが、ぐっと我慢。
ホットドッグにギザギザポテトがくっついた、1本でお腹いっぱいになりそうなスナック1つと
オムク(韓国のおでん)を1本注文。割りばしに突き刺さったオムク(おでん)がとにかく絶品。
白身魚をすりつぶしたものを板状にして、それを串でさしているのですが、出汁がしっかりと沁みて
心と身体に溶けるように、あっという間にたいらげてしまいました。
オムクは1本1000ウォン(100円)フランクフルト的なものは1本3500ウォン(350円)
韓国のお金はウォンという単位で、日本円に0を1つ足しただけなのでとても分かりやすい。
ですが、現在絶賛円安の影響をもろに受ける状況で両替のレートが最悪との事。
ウォンの方が価値が高く日本円1000円両替すると850円~900円になってしまう計算。
日本を離れてみて痛感する出来事が、ここにありました。
それでも屋台の食事はお財布にも身体にも優しく、お金をかけずとも旅は十分に楽しむことが出来ます。

軽い軽食を済ませて、散歩しながら本気の食事所を探します。
胃に負担をかけないようにと選んだのは、タッカンマリ(鶏の水炊き)が有名な”東大門明洞タッカンマリ”
中は人でいっぱい。少し並んで待ちましたが、並んででも食べて良かったと思う食事の1つになりました。
広い店内を手際よくホールを取り仕切るスタッフと、食材を運ぶスタッフの阿吽の呼吸。
そして上手な日本語で、食べ方をしっかりとレクチャー。
もう良いかなと鍋に触れようとした瞬間、まだ早い!というやり取りを何度かして・・・(笑)
鳥が一羽入っているので、時間が経つにつれて骨などからしっかりと出汁が出てきて、
鳥も柔らか。待った甲斐がありました。
ニンニク、辛味とタレを混ぜて付けダレを作り、生のニラとキムチなど付け合わせと一緒に頂きます。
お鍋には鳥とじゃがいものスライスと、おまけのトッ(お餅)を入れてくれました。
最後に麺を入れて締めたかったのですが、先ほど屋台で食べた2品が意外にもお腹を満たしてしまい
タッカンマリとビールのみでご馳走様となりました。
味もお店の雰囲気もスタッフの方の接客も抜群で、次回もまた来たいと思う場所でした。

お腹がいっぱい過ぎるのと、初日なので気合を入れ過ぎずという事で問屋街をさらりと視察し
近くに併設しているショッピングビルもぐるぐるっと巡って、オレンジ色の派手なショーツを
購入しちゃうのも旅ならでは〜。旅をすると、こういう刺激があるのが本当に堪らない。
朝の10時30分~翌朝の4:30までの営業時間に驚愕しつつ、隣のビルも夜の11時までと
眠らないと言われる街と呼ばれる所以を理解しながら、私は寝ないと駄目な人間なので
終電前にホテルに戻り、初日を終えました。あぁ~お腹いっぱい。

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